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太平洋島嶼地域ブレーキングニュース 研究員の解説付きPACNEWS厳選記事

サンフランシスコで、米国とミクロネシア連邦の間のコンパクト改定交渉が継続中

(2022年7月4日、サンフランシスコ、FSM GOVT/PACNEWS)


抄訳

ジョセフ・ユン米国コンパクト改定交渉大統領特使(SPECN)率いる米国政府チームは今週、レオ・A・ファルカム・ジュニア首席交渉官率いるミクロネシア連邦チームとサンフランシスコで会談し、経済支援、連邦プログラム、その他、米国とミクロネシア連邦間の自由連合協定(コンパクト)および付属協定に関する交渉を継続することになりました。
 
米国のユン特使は、「ミクロネシア連邦のチームと率直で質の高い議論を交わしたことで、両国間の特別で独特な結びつきが本当に永続的なものであるとを確信した。」「米国の優先事項は、相互に有益で満足のいく形で、我々の交渉を可能な限り適時に完了することで変わりはない。」と述べた。
 
ミクロネシア連邦のファルカム・ジュニア首席交渉官は、「我々ミクロネシア連邦チームは、米国のパートナーとの協力関係が続いていることに感謝しており、また、我々の話し合いがオープンで率直なものであったことに勇気づけられている。我々の協議には多くの作業が残されているが、私は、我々の共通の関心と目標によって、相互に有益で、我々の独特で特別な関係を反映した協定を完成させることができると確信している。」と述べた。
 
また、米国内務省ケオネ・ナコア内務・国際問題担当副次官補は、「我々の二国間協議は、事務レベルでも技術レベルでも引き続き進展しており、この秋までに交渉のかなりの部分を完了できると楽観的で希望を持っている」と述べた。
 
今回の協議は、バイデン=ハリス政権下における自由連合協定および付属協定に関する3度目の二国間協議となった。その自由連合協定は、米国とミクロネシア連邦の重要かつ継続的な関係にとって鍵となるものだ。
 
ミクロネシア連邦チームは、レオ・A・ファルカム・ジュニア首席交渉官を筆頭に、アステリオ・R・タケシー/コンパクト検討企画合同委員会(JCRP:Joint Committee on Compact Review and Planning)委員長、JCRPメンバーであるエスモンド・モーゼス/ミクロネシア連邦議会副議長、アレン・B・パリク同連邦上院議員、アキリノ・H・スジア駐米ミクロネシア連邦大使、ガーソン・ジャクソン氏で構成された。また、本交渉にはユージーン・アモール/ミクロネシア連邦財務行政大臣、JCRPのアドバイザーおよびスタッフも出席した。
 
米国チームは、ジョセフ・ユン大統領特使を団長とし、カーメン・G・キャンター駐ミクロネシア連邦米国大使、カレン・B・スチュワート大使、国務省職員、国防省職員、そして内務省からは内務・国際問題担当次官の委任を受けたケオネ・ナコーア次官補を中心とするチームが参加した。
 
両国は、遅くとも2022年8月までに開始される予定の次の正式交渉に先立ち、今後取り決められる場所で技術的作業と協議を継続する予定である。

コメント

本記事は、ミクロネシア連邦政府発表をPACNEWSが報じたものであり、ミクロネシア連邦国民に対してコンパクト改定交渉の進捗状況を説明する内容となっています。先日のマーシャル諸島に引き続き、ミクロネシア連邦も順調にコンパクト再改定に向けた交渉が進んでいるようです。
 
2003年の改定交渉の際には、マーシャル諸島と同様にミクロネシア連邦側に不満が残り、2011年頃から議会ではコンパクト破棄決議といった動きもありました。パラオでも2010年の部分改定に署名してから約8年米国議会が承認せず放置されていたことで、米国との心的距離感が現れていました。そういった経緯から、筆者は数カ月前にある米国シンクタンクの非公開会合で、「時に米国自由連合国の人々は、米国側が意地悪と感じることがある」とし、地域の安定のためにも率直に話し合い今回の改定交渉が順調に進むよう願う旨発言したことがあります。上記記事では、米国側は「率直で質の高い議論」、ミクロネシア連邦側は「オープンで率直なもの」と評しており、細部を詰める前段階として良い議論が行われたことが推察されます。米国においてはコンパクトは内務省管轄となっていますが、米国側の交渉チームは国務省および国防省も入っており、より実務的な話し合いも行われたのではないでしょうか。
 
また、コンパクト本体は統治、経済関係、安全保障・防衛、一般規定の4つの編(TITLE)からなり、より具体的な取り決めを付属協定として結ぶ必要があるため、ミクロネシア連邦政府は、「自由連合協定(コンパクト)および付属協定に関する交渉」としています。
 
2003年に結ばれたミクロネシア連邦と米国の現在のコンパクト(the Compact of Free Association, as amended、改定コンパクトや第2次コンパクトなどともいう)では、次の付属協定が結ばれました(カッコ内は仮訳)。
 
1. Federal Programs and Services Agreement(連邦政府プログラム・サービス協定)
2. Law Enforcement Agreement(法執行協定)
3. Labor Agreement in Implementation of Section 175(b)(175条(b)の実施における労働協定)
4. Fiscal Procedures Agreement(財務手続きに関する協定)
5. Trust Fund Agreement(信託基金協定)
6. Military Use and Operating Rights Agreement(軍事使用権および行動権に関する協定)
7. Status of Forces Agreement(地位協定)
 
2003年の改定の際には、コンパクト本体に加え、これら7つの協定それぞれについて両政府代表が署名しました。付属協定だけで260ページを超える分量がありますが、ここでは6. Military Use and Operating Rights Agreement(軍事使用権および行動権に関する協定)に注目してみます。
 
まず、同協定では、冒頭(ページii)、次のように人道支援とミクロネシア連邦の軍事利用に定めるものと明記しています。

(仮訳)
「本協定は、次の事項を定める。
(a) 改定コンパクト第2編211項(b)に基づき、米国政府がミクロネシア連邦政府に対して人道支援(Humanitarian Assistance - Federated States of Micronesia: HAFSM)プログラムを提供する条件
(b)改定コンパクト第3編321項および323項に基づく、ミクロネシア連邦における米国政府の軍事使用権および行動権」
 
次に、第1条2.において、次のように定義づけています。

(仮訳)
「(a) "人道支援-ミクロネシア連邦プロジェクトチーム" (HAFSM)とは、市民活動や人道的なプロジェクトに取り組むために組織された米軍による部隊である。
(b) 人道支援を行うHAFSM プロジェクトチームの駐屯地(HAFSM Project Team Base Camp)は防衛拠点(defense site)であり、作業地点は防衛拠点ではない。」
 
そして、第3条3.で、HAFSMプロジェクトチームの駐屯地の他の防衛拠点について、次のように記しています。

(仮訳)
「米国政府は、本協定の附属書Aに従ってHAFSMプロジェクトのために特定された防衛拠点以外に、現時点で防衛拠点の使用を求める必要も意思もないことを確認する。」
 
2003年のコンパクト改定の際には、マーシャル諸島とは異なり、ミクロネシア連邦では人道支援のための工兵部隊の駐屯地のみで、米国側には軍事基地を設置する考えはなかったことが分かります(ただし、米国政府が必要とする場合には、ミクロネシア連邦側は土地を用意し、米国側が軍事施設を設置することができる。その際の借地料は米国政府がミクロネシア連邦政府に支払い、ミクロネシア連邦政府が地権者に支払うこととなる)。
 
米国によるミクロネシア連邦の軍事利用に関しては、昨年7月、「米とFSM、軍事基地建設計画で合意(2021年7月28日、PACIFIC ISLAND TIMES/PACNEWS)」という報道がありました。

今回のコンパクト改定交渉では、米国によるミクロネシア連邦の軍事利用に関する協議も含まれると考えられます。実際に米国による軍事利用が合意されれば、北太平洋地域の安全保障面でも、ミクロネシア連邦の経済・財政面でも、両国関係についても、大きな影響をもたらすことになるでしょう。
(塩澤英之主任研究員)

海洋政策研究所(島嶼国・地域部)
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