台湾排除の「恥ずべき沈黙」に終止符を、マーシャル諸島大統領が国連に要請

(2021年9月24日、CENTRAL NEWS AGENCY/PACNEWS)

【抄訳】
9月22日(水)、マーシャル諸島のデイビッド・カブア大統領は、台湾が国連システムから除外されていることに対し、「恥ずべき沈黙」に終止符を打つよう国連に求めた。
 
カブア大統領は、先日米ニューヨークで開催された国連総会で、15分間の事前録画による演説を行い、COVID-19パンデミックからのレジリエントな回復を確かなものにするためには、すべての国、関係者、人々によるコレクティブ・アクション(共同行動)が必要であると述べた。
 
カブア大統領はさらに、「民主的な台湾政府は、国連システムにおいて、対等かつ威厳のある方法で参加することを認められるべきです」と述べた上で、これには世界保健機関(WHO)、国際民間航空機関(ICAO)、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)、国連の持続可能な開発目標(SDGs)などが含まれるとした。
 
また、国連は繰り返し決議2758を持ち出して、台湾の加盟を妨げていると主張した。
 
「国連総会決議2758には、この包括的なアプローチを妨げるものは何もなく、台湾に対するいかなる立場も表明していないため、議論の盾にすることはできないのです」
 
「人民中心の機関である国連は、台湾の人々を無視できないはずですし、その国籍によって、本部での(公開)公式会合や公開ツアーへの参加を排除し続けることもできません。恥ずべき沈黙は終わらせなければなりません」
 
1971年10月25日に採択された決議2758は、台湾の正式名「中華民国」ではなく、「中華人民共和国」が国連における唯一の正当な中国代表であるとしている。
 
台湾政府は近年、同決議は台湾ではなく中国の代表権に関するものであり、台湾を中国の一部と表現しているわけではなく、国連システムにおいて、中国政府が台湾を代表することを認めているわけではないという立場を繰り返し主張してきた。
 
グアテマラのアレハンドロ・エドゥアルド・ジャマテイ・ファジャ大統領は、総会での演説の中で台湾について簡単に触れ、世界が課題に直面する今、台湾が多国間主義を強化する上での「経験、能力、知識」を提供できると考えている、と述べた。
 
ホンジュラスのフアン・オルランド・エルナンデス・アルバラード大統領は、台湾の同盟国として3番目に国連で演説したが、その中で台湾には触れず、同国は6年連続で国連総会に台湾問題を持ち込まなかったことになる。
 
一方でホンジュラスは、国連事務総長宛てに毎年書簡を送り、台湾の国連システムへの参加を支持している。
 
(マーシャル諸島に続いて)太平洋地域の台湾承認国であるナウルが9月23日(木)に発言を行う。
 
台湾は1971年に国連を脱退し、代わりに中国が加盟した。それ以来、台湾は国連総会及び他の国連機関から除外されている。
 
(訳:立入瞳)
 
 
【コメント】
9月の第76回国連総会におけるマーシャル諸島のデイビット・カブア大統領による台湾支持発言に関する台湾の中央通訊社(CNA)の記事になります。国連における台湾と中国の関係の基本的な話が記載されているため取り上げました。
 
筆者がマーシャル諸島に専門調査員として赴任していた2000年代半ば、当時も中国と台湾による小切手外交が行われていましたが、国連総会で大統領は毎回のように台湾を支持する発言を行っていました。当時は台湾から援助を受けているので見返りに発言を行っているという義務的な印象がありましたが、今回はカブア大統領の元の発言内容を見ても、人権問題や自由と民主主義という価値観を踏まえた、強めの表現をとっているように感じられます。
 
※カブア・マーシャル大統領の第76回国連総会におけるビデオメッセージ
https://www.youtube.com/watch?v=0ypfjrH2fbs
 
また、先日紹介した「マーシャル諸島大統領、太平洋地域における地政学的緊張の注視を国連に要請(https://www.spf.org/pacific-islands/breaking_news/20210924-1.html)」を踏まえると、マーシャル諸島が米国、台湾、中国の間で興味深い立場にあることが読み取れます。
 
今回の国連総会では、太平洋島嶼国としてはマーシャル諸島だけでなく、他の台湾承認国であるパラオ、ナウル、ツバルも首脳が同様に台湾の国連体系への参加を支持する発言を行いました。

(塩澤英之主任研究員)

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