バヌアツ政府は、「タムタム・トラベルバブル(=相互往来の解禁と渡航者の隔離措置免除)」導入を開始した。同枠組みは、2020年のバヌアツ独立40周年記念式典で初めて発表され、バヌアツと近隣諸国との往来を安全に再開するため、段階的な道筋を提供するためのもの。
ボブ・ロウマン首相は、タムタム・トラベルバブルの最初のステップは、2月19日に、バヌアツとニューカレドニアの国境が開くことだとしており、ニューカレドニア政府との取り決めに関する最終合意を待って、4月のスタートを目指している。
ロウマン首相は、バヌアツの経済回復のためにも、政府がこのタイミングでタムタム・トラベルバブルの導入を開始する必要があると述べた。
「新型コロナウイルスの世界的なパンデミックは、我々の経済と、何千人もの生活に影響を与えた」
「世界的なパンデミックが宣言されて以来、政府は、感染対策の導入及び国境管理策を通じ、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えることで、国を守り、国民を保護してきた」
「パンデミックは生活面で影響を与えただけでなく、国境の閉鎖により、多くの人々が、家族を訪ねたり、医療を受けるために国外へ出たり、海外で学んだりすることができなくなった」
「政府は国境を永遠に閉鎖し続けることはできない。我々は、国民へのリスクと国の繁栄を最小限にしながらも、将来にわたって安全に前進するための道を作り始める必要がある」
市民の間で広がる不安について、ロウマン首相は、新型コロナウイルスに対処できていることを、バヌアツは既に示していると主張。政府はパンデミックが始まって以来、公衆衛生及び国境管理対策を講じ、新型コロナウイルスのコントロールに成功していることは明らかだと述べた。
バヌアツが初動から正しく対応できたのは、新型コロナウイルス感染が広がるのを防ぐため、昨年3月下旬に国境を閉鎖するという、政府の迅速な決定があったからだ。
以来、政府は新型コロナウイルスの準備・対応計画を推進し、5,000人を超える市民と海外居住者の本国帰還を成功させた。
バヌアツでは、昨年11月に空港検疫で帰国者1人が新型コロナウイルスに感染していることが判明し、14日間の待機を経て帰宅したのが唯一の症例であった。
ロウマン首相は、バヌアツがタムタム・トラベルバブルを実行する能力を十分に有することは、これらの各措置を見ても明らかだとしている。また、バヌアツの人々が新型コロナウイルス感染対策を受け入れ、実践することで示した前向きな姿勢が、対応に成功した鍵であると指摘。バヌアツの人々の成果を祝福し、それが国の経済回復の確固たる基盤であると述べた。
ロウマン首相は、最初に国境を開放する国としてニューカレドニアを選択した理由について、「28日間以上、市中感染が確認されていない低リスクの国であり、彼らの新型コロナウイルス予防策が、バヌアツの保健及び安全対策に沿ったものであるからだ」と説明。「さらに、バヌアツとニューカレドニアには共有する歴史があり、人々と国の間には多くのつながりがある」と補足した。
バヌアツは、両国政府による綿密かつ注意深い監視を行うべく、ニューカレドニアとのタムタム・トラベルバブルを試験導入した。最初の対象地域は、ポートビラ及びエファテ島内に限られ、当局がすべての予防策と手順が十分に機能していることを確認できた場合のみ、他の地域まで拡張される予定。
バヌアツ・ニューカレドニア間のタムタム・トラベルバブルで渡航が優先されるのは、特定のグループであり、最初は、特別な理由がある人、医療、教育、雇用、技術支援の提供、又は友人や家族の訪問という目的がある人に限定される。
政府は、ニューカレドニアとの往来を再開するのに必要な政策及び手続きの立案を、タムタム・トラベルバブル・タスクフォースに託し、ポートビラ、エファテ島の地方、及び沖合の島々において、タムタム・トラベルバブルに関するコミュニティレベルのやり取りを開始した。ロウマン首相によると、これは、国を守るために実施されている保健及び国境管理手順について、すべてのコミュニティとそれぞれのリーダーに知らせることが目的で、民間企業、市民組織、地域コミュニティのすべてが参加対象となっている。
タムタム・トラベルバブルの下で、すべての業者は関係当局に登録し、安全な事業運営のためのトレーニングを受ける必要がある。ロウマン首相によれば、このトレーニングはすべての企業とその従業員に義務付けられており、詳細はまもなく一般に公開されるという。
バヌアツは、コロナフリーの状態を維持するため、さらなる衛生管理とソーシャルディスタンス(社会的距離)の重要性を引き続き訴えていく。新型コロナウイルスに関するバヌアツ政府の公式情報源は、バヌアツ保健省のウェブサイト(
https://covid19.gov.vu)であり、政府は、すべての市民と居住者に、新型コロナウイルス及びタムタム・トラベルバブルに関する情報は、公式の情報源からのみ入手するよう呼び掛けている。