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「海とヒトとの関係学」シリーズ第5巻「コモンズとしての海」

コモンズとしての海表紙
公益財団法人笹川平和財団(東京都港区 理事長・角南篤)の海洋政策研究所は、2022年3月15日、「海とヒトとの関係学」シリーズの第5巻「コモンズとしての海」を刊行致します。
 
 海洋政策研究所は2000年から、Ocean Newsletterを通じて海の様々な問題に関する論考を発信してまいりました。「海とヒトとの関係学」シリーズは、それらの論考を重要なテーマ別に再編集し、一部加筆したものです。2019年2月に第1巻「日本人が魚を食べ続けるために」と第2巻「海の生物多様性を守るために」を、2020年3月に第3巻「海はだれのものか」2021年3月には第4巻の「疫病と海」を刊行してまいりました。
 
 最新の第5巻「コモンズとしての海」では「気候変動と海」をテーマに、これまでの海の温暖化の問題をコモンズ(共有財産)の視点から考察しました。海を人類のコモンズと位置づけ、海の温暖化の問題をめぐり欠落してきたヒトとの関係に焦点をあて、気候変動問題に対する海からの新たな解決策を提示することを、目指しております。
 
 お近くの書店などで、ぜひ一度お手に取っていただけますと幸いです。

目次

はじめに 気候変動と海のコモンズ(秋道智彌)

第一章 海から人類史をとらえなおす
1.地球史における海と地球の変遷(山形俊男)
2.人間が追いつめる海の環境(井田徹治)
  コラム 無主の海からみんなの海へ(赤坂憲雄)
3.オホーツク海・親潮域の生物生産と気候変動(中塚 武)

第二章 温暖化と海洋民
4.ウォーレシアを超えた旧石器時代サピエンスの渡海(小野林太郎)
  コラム ヴァイキングとグリーンランド植民(岸上伸啓)
5.近世の漁況変動と地域の自然資源利用(高橋美貴)
  コラム 近世の気候と人口のデータからみた加賀藩の生業対応(中塚 武)
  コラム 縄文海進と貝塚(田邉由美子)
6.古代・中世の漁撈と沿岸環境(笹生 衛)
7.バジャウ人の移動する生き様(⾧津一史)
  コラム 世界の海を巡る伝統航海カヌー「ホクレア」(内野加奈子)

第三章 コモンズとしての海
8.海洋保護区とグローバル・コモンズの挑戦(八木信行)
9.海の持続可能性を求めて(牧野光琢)
  コラム 漁業・養殖業の持続性(石原広恵)
  コラム ローカル・コモンズとしての海を多様な主体の協働で守ることは可能か(杉本あおい)
10.北極海と北極協議会のゆくえ(森下丈二)
  コラム 地域のケイパビリティーと海(石川智士)
11.気候難民と公正性(前川美湖)
  コラム ESG 投資とブルーファイナンス(椎葉 渚)
12.国連気候変動枠組条約とグローバル・コモンズとしての海洋(藤井麻衣)
  コラム 国際環境未来都市横浜の海と市民の関係性再構築とこれから(信時正人)

おわりに 気候変動と海洋(角南篤)

印刷版販売元

定価:本体1,600円(税抜き)/ISBN978-4-908443-69-5
発行:2022年3月15日、株式会社西日本出版社
販売:全国の書店等でお求めいただけます。

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