編集後記

◆前号執筆者の森下丈二氏（水産庁）が、１０月初旬、田原総一郎司会のＴＶ番組「サンデープロジェクト」に出演され、わが国の捕鯨政策の正当性とＩＷＣにおける外交折衝の舞台裏を紹介していた。捕鯨問題については同番組で再び取り上げるとのこと。ＴＶという国民的メディアでわが国の政策内容に関する情報発信がなされることの意義は大きい。各方面の意見を同じ土俵で論じ合うという点でも、そうした番組で今後も取り上げてもらいたい。

◆今号執筆者の石氏は、国連環境計画（ＵＮＥＰ）にも携わり、岩波新書の著作でも知られた本誌編集委員のひとりでもある。海洋環境問題に関する蓄積が行間ににじみでているといえよう。また、宇多氏は国立の研究機関に在籍しつつも、常に鋭い問題提起を投げかける姿勢は、海洋関係者につとに知られているところであり、現場認識に根付いた海岸管理をとのかねてからの主張が語られている。

◆初めて「安全保障」に関する投稿（内容からオピニオン・ペーパーとして扱った）を掲載する。「海軍が......海洋資源・環境の保護にその力を提供するなど、海洋管理に参画すれば......」のくだりに編集子は目をとめたのだが、読者諸氏のご意見はいかに。（了）