Ocean Newsletter

オーシャンニューズレター

第594号(2025.06.20発行)

事務局だより

瀬戸内千代

◆4月13日~10月13日に開催中の「2025年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)」を記念して、今号は万博と海の特集です。人工島の夢洲が会場となったこの万博は、阪南市の前田雅寛氏がご寄稿の中で触れてくださった通り「海の万博」とも称されます。大阪湾の海水を引き入れたウォータープラザで毎晩催される「アオと夜の虹のパレード」というショーでは、「水と空気 うみとそら ここにある ここにいる」とうたわれ、まさに海と空を感じる演出を楽しめます。海を感じることができる予約不要の参加国パビリオンとして、例えば、伝統的なダウ船を思わせる形のカタールパビリオンでは、ペルシャ湾に突き出た半島の同国が、いかに海と深く関わっているかを知ることができます。帆船のロープのようなデザインで海を表現したポルトガルパビリオンでは、「海洋:青の対話」をテーマに、海を介して約500年前から続く日本とポルトガルの交流などを展示しています。広大な万博会場を歩き疲れたら、西ゲート近くのフューチャーライフゾーンにある「HOTABENCH(ホタベンチ)」で休むのも一興です。廃棄されるホタテの貝殻が有効活用されています。◆海をテーマとする民間唯一のパビリオンが、ZERI JAPANの竹内光男氏が紹介してくださった「BLUE OCEAN DOME」です。3つのドームを順番に巡り、水という物質の希少性や美しさに立ち返り、海の価値を見つめ直すことができる構成になっています。海洋プラスチック問題に関するデータの効果的な示し方や、省資源で美しいドーム建築なども見応えがありました。BLUE OCEAN DOMEは予約優先ですが、ご寄稿にある自動手指消毒ディスペンサー「PROTEGATE EXPO2025」は、西ゲートゾーンの大屋根リング沿い2カ所の休憩所にもあり、自由に利用できます。◆大屋根リングに上がれば視界の先には大阪湾が広がっています。会場内と外周を走るEVバス「e Mover」に乗ると、さらに近くに海面を見ることができます。e Moverには通常バスのほかに自動運転バスもありますが、海の万博を象徴する次世代モビリティと言えば、東京海洋大学の大出剛特任教授が解説してくださった水素燃料電池船です。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン近くの港に、銀色に輝く近未来的な船が停泊していたら、それが「まほろば」です。内装の一部にミャクミャクがデザインされた万博仕様の水素燃料電池船は、とても静かで快適でした。要予約で火金土曜日のみ運航、万博閉幕後の運航は未定とのこと。会場への移動手段と捉えてしまうと高価なためか、平日に乗ったためか、すいていて非常にもったいないと感じました。水上バスに適しているという水素燃料電池船の乗り心地を確かめに、この機会に「まほろば」目当てにお出かけになる方が増えると良いなと思います。(瀬戸内千代)
※開催日時、予約については、公式HPをご確認ください。
 https://www.expo2025.or.jp/news/news-20250606-06/

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