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オーシャンニューズレター
第563号(2024.01.22発行)
事務局だより
(公財)笹川平和財団海洋政策研究所研究員◆豊島淳子
◆今号では、環境省の長谷代子氏に国際的なプラスチック汚染対策のホットな話題をご提供いただいた。昨年5月末にパリで開催されたプラスチック汚染防止条約締結に向けた第2回政府間交渉委員会(INC-2)に私もオブザーバーとして参加し、その際に長谷さんと初めてお会いする機会を得た。連日のように深夜まで続く議論、国連公用語で展開される議論への即時的な対応、政治的な駆け引きなど、政府の交渉担当官の方々のご苦労は傍で見ていても並大抵ではない。何せこの会議には167の国と地域の代表団が参加しており、1国の発言が3分という時間制限があっても、一つの議題について発言を求めるすべての代表者の意見を聞くだけでも何時間もかかる。このように、国際社会で物事を話し合って決めるのは膨大な時間がかかる作業である。交渉委員会はあと2回の会合が予定されているが、今後も日本政府のリーダーシップに大いに期待したい。
◆新保輝幸氏からは、サンゴ礁の経済価値評価に関するご研究についてご寄稿いただいた。私もかつて、環境省のサンゴ礁保全行動計画策定の一環として、日本のサンゴ礁の経済価値評価を行ったことがあり、値段をつけることのできない自然の価値を金額に換算することの重要性と難しさを実感した。本稿では、CVMという別のアプローチからのサンゴ礁の経済価値評価の例をご紹介いただいた。また、日本とは経済価値の異なるフィリピンで、価値を労働時間に換算しようとする「労働意志量(WTW)」という概念も新鮮で興味深い。
◆高橋そよ氏の記事は、知られざる沖縄県伊良部島の漁撈文化にスポットライトを当てた。ここに書かれているとおり、先人から受け継がれてきた言い伝えや慣習の中には、自然資源を持続的に利用するための豊かな知恵と知識が詰まっている。このような「伝統知」を生物多様性の保全に活用することが世界的に期待されている。私が同じ伊良部島でお会いしたとある漁師さんによれば、島の西岸にある佐和田の浜に数百個の津波石が点在しているが、昔はこの津波石一つ一つに方言で名前が付けられていたと言い、そのような伝承が失われ人と自然の繋がりが失われていくことに強い危機感を感じておられた。今こそ、消えゆく文化を記録に残して失われないようにする作業が最も必要とされている時代である。
◆3つの記事を読み終え、地球規模で俯瞰するプラスチック汚染の話から、柏島やフィリピンのサンゴ礁の海へと旅し、さらに沖縄の八重干瀬のサンゴ礁の海へと深く深く潜っていくような感覚を覚えたのは私だけであろうか。読者の皆様にもこの誌面を通じた想像の旅をお楽しみいただければ幸いである。(豊島淳子研究員)
第563号(2024.01.22発行)のその他の記事
プラスチック汚染対策と実態把握における日本の取り組み
環境省水大気局海洋環境課海洋プラスチック汚染対策室課長補佐◆長谷代子
サンゴの海はいくらか? 〜沿岸の自然・環境資源を守ることの価値〜
高知大学大学院総合人間自然科学研究科黒潮圏総合科学専攻教授◆新保輝幸
サンゴ礁漁撈文化の知恵と物語を紡いで
琉球大学人文社会学部琉球アジア文化学科准教授◆高橋そよ
事務局だより
(公財)笹川平和財団海洋政策研究所研究員◆豊島淳子
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