Ocean Newsletter

オーシャンニューズレター

第544号(2023.04.05発行)

編集後記

帝京大学先端総合研究機構 客員教授♦窪川かおる

◆「海洋立国推進功労者表彰」の第15回受賞者が2023年3月1日に発表された。下記の囲み案内を参照いただきたい。(一財)国際法学会理事長、日本海洋政策学会会長等を歴任され、海洋法政策に多大な貢献をされている奥脇直也東京大学名誉教授を始めとして、学術、教育、産業の多様な分野からの表彰である。2023年の海洋分野のさらなる広がりと発展を代表する受賞者の皆様に心からお祝い申し上げたい。
◆日本周辺の海には約3,700種の魚類が生息しているという。この多種多様な水産物は、地域ごとの特色ある漁業および魚食文化を生み出してきた。水産物は健康に良い効果も与える。しかし、2011年度に日本の水産物消費量は肉類を下回り、減少し続けている。水産庁は,2022年10月から、毎月3日から7日を「さかなの日」として制定し、官民協働で水産物消費の拡大を目指していることを、水産庁加工流通課の四ケ所信之課長補佐より教えていただいた。毎月初めの「さかなの日」には「魚を食べる」ことを考え、その定着を応援したい。
◆自律型無人潜水機AUVは、海中作業、海洋環境情報の取得、海洋資源開発など、海の利用拡大への寄与が期待されている。(国研)海上・港湾・航空技術研究所海上技術安全研究所の藤原敏文海洋先端技術系長よりAUV開発の現場から将来展望をご寄稿いただいた。期待が膨らむAUVだが、現状では搭載・観測機器などの多くが海外製品で、AUV開発が先行する欧米に一日の長がある。しかし、広大なEEZの有効利用、海外市場の拡大などを見据えれば、国内でのAUV製作の体制整備が待望される。
◆2013年9月に佐渡島全域が佐渡ジオパークとして認定された。トキで有名な佐渡だが、島の成立ちで知る地質学的な魅力を推進協議会事務局の大塚靖人氏から教えていただいた。佐渡ジオパークセンターの展示やガイドによる案内なども活用できる。大地の成立ちと生物と人々の生活が深い関係にあることを佐渡島で実感してみてはいかがだろうか。(窪川かおる)

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