Ocean Newsletter

オーシャンニューズレター

第49号(2002.08.20発行)

第49号(2002.08.20 発行)

編集後記

ニューズレター編集委員会編集代表者 ((社)海洋産業研究会常務理事)◆中原裕幸

◆残暑お見舞い申し上げます。出張先の広島駅で何気なく買い求めた駅弁の包み紙に、その弁当が「広島県山岳連盟との共同開発」で「売上の一部が山岳環境基金」として山の環境保全に役立てられますと記されていた。駅弁業者もこんな形で環境保全に寄与できるのだと感心してしまった。海の環境保全には、どんな業者がどんな形で貢献できるのだろうか、それに役立つ基金などの仕組みや事例はあるのだろうか?

◆事例といえば、海洋環境保全についての地方自治体による広域公共事業の場合はどうだろうか。瀬戸内海の環境保全について、地道な検討作業にもとづいた提案が呉から発信されている。初めにプラントありきではなく、海洋性廃棄物を合理的に処理しようとすると移動式洋上プラントが最適との内容。自然再生と海洋環境産業の振興に国や関係機関の応援を期待したい。

◆海洋データの共有化vsデータ生産者の権利という図式は、どこか市場原理万能主義とそれへのアンチという構図を髣髴とさせる。それにしてもルーティンの積み重ねが重要な海洋観測が縮小されつつあるというのは恐ろしい限り。また、旗国主義優先のあまりに図式的な解釈からの脱皮を今の海洋法条約は許容できるはずだし、タジマ号事件での違った対応も可能ではなかったか、との投稿は傾聴に値しよう。

◆今年の海洋文学大賞の特別賞に今をときめく石原慎太郎東京都知事。童話部門大賞や各部門の佳作なども、浴衣にウチワそれにビール片手に読んでみましょうか。ところで、全国の海あり県で生産される地ビールを買い求めると沿岸域の環境保全に役立つ、というような仕組みはできないかしらん。そうすればどこかからのコワーイ視線を気にせずに大手を振って飲む口実を増やすことができるのだけれども・・・・・・。  (了)

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