Ocean Newsletter

オーシャンニューズレター

第494号(2021.03.05発行)

「疫病と海」海とヒトの関係学4巻 刊行

(公財)笹川平和財団海洋政策研究所では、2000年からOcean Newsletterにより発信続けてきた海の様々な論考をテーマ別に再編集し、一部加筆した書籍「海とヒトの関係学」シリーズの出版を2019年2月より開始しました。このたび、海と人類のかかわりを総合的に俯瞰する本シリーズの第4巻『疫病と海』を発行しました。第4巻では、これまで海が、舟や船を介して多くの恩恵を運んできた裏で、災禍をも拡散する媒介でもあったことを正面から捉え、海を越えて運搬された疫病などをめぐる人類の歴史をさまざまな切り口から検証し、新型コロナウイルス感染症を踏まえた将来への海からのメッセージの提示を目指しました。
皆さまにご高覧をいただければ幸いです。

「疫病と海」海とヒトの関係学4巻
編著
秋道智彌
(総合地球環境学研究所名誉教授、前Ocean Newsletter 編集代表)
角南 篤
(笹川平和財団海洋政策研究所所長)
出版社: 株式会社西日本出版社
本体価格1,600 円+税(A5 判240P)
ISBN978-4-908443-59-6

●目次

はじめに
疫病の海洋人類史(秋道智彌)
第1章 疫病の人類史
1、感染症の人類史(門司和彦)/2、ラパヌイ(イースター島)の歴史を引き裂いた感染症ウイルス(片山一道)/コラム エルナン・コルテス上陸後の大惨事(江藤由香里)/3、カナダ先住民の疫病との戦い̶北西海岸地域のハイダと極北地域のイヌイット(岸上伸啓)/コラム 日本への梅毒伝播と大航海時代(黒嶋 敏)
第2章 疫病と海運
4、クルーズ船と感染症(田中三郎)/コラム ダイヤモンドプリンセス号が問うもの(坂元茂樹)/コラム 瀬戸内海巡回診療船「済生丸」(岩本一壽)
第3章 水産物・海洋生態系をとりまく疫病と汚染
5、いま持続可能な水産業の実現に向けて(小林正典)/6、養殖の死角̶水環境に蓄積される薬剤耐性遺伝子(鈴木 聡)/コラム 環境ホルモンによる海洋汚染とクジラ・アザラシ・ホッキョクグマへの影響(岩田久人)
第4章 疫病を封じ込める
7、19世紀前期の日本北方における感染症対策̶天然痘とアイヌの関わりから(永野正宏)/8、江戸時代における疫病の水際対策(橋村 修)/コラム 海の近代中国と感染症(村上 衛)/9、水際作戦の歴史̶明治日本の海港検疫(市川智生)/コラム コロナ時代に再考されるべき病院船(砂田向壱)
第5章 疫病からの再生
10、孤島の風土病(飯島 渉)/11 、パンデミックがもたらす新たな国際安全保障(秋元一峰)/12、ヒトをつなぐための海(秋道智彌)
おわりに
「ブルー・リカバリー」に向けて(角南 篤)

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