Ocean Newsletter

オーシャンニューズレター

第457号(2019.08.20発行)

編集後記

同志社大学法学部教授♦坂元茂樹

♦2010年の六次産業化法の成立以後、一次産業としての農林漁業と、二次産業としての製造業、三次産業としての小売業等の事業との総合的かつ一体的な推進を図り、農山漁村の所得の向上や雇用の確保の取り組みが各地で行われている。
♦関いずみ東海大学海洋学部教授からは、そうした取り組みを続ける「うみ・ひと・くらしフォーラム」の活動の現状についてご説明をいただいた。活動の一つとして行っているシンポジウムは2005年の第1回から数えて2019年で15回目を迎えるという。漁村の若手女性の交流の場として2017年1月に立ち上げられたフレッシュミズ部会に参加した若手女子がシンポジウムに参加することで、活動の後継者不足問題が解消に向かいつつあるという。地域に眠っていた資源を掘り起こし、自分たちの意思によって起業を始める女性たちの活躍にエールを贈りたい。
♦2018年10月11日に韓国で開催された国際観艦式で、参加予定であった日本の護衛艦に自衛艦旗である旭日旗を掲げないように韓国が求めたことで、日本が参加を取りやめたことは記憶に新しい。防衛省海上自衛隊海上幕僚監部観艦式事務局長の金子純一一等海佐より、観艦式の由来と本年10月14日に実施が予定されている令和最初の観艦式についてご寄稿いただいた。わが国では1868(明治元)年に大阪・天保山沖で「艦兵式」の名で行われたのが始まりで、「観艦式」という言葉が初めて使われたのは1900(明治33)年の神戸沖で行われた大演習観艦式だとのこと。2002(平成14)年に海上自衛隊創設50 周年を記念として、東京湾で11カ国の外国艦艇が参加した国際観艦式も行われたという。「君の未来、この海とともに。」をキャッチフレーズに行われる令和最初の観艦式に、多くの国民のみなさまの参加を期待したい。
♦水上オートバイを使ったフライボードでわかるように、水上オートバイはハイパワーマシンである。(一財)日本海洋レジャー安全・振興協会特定事業本部試験部部長の田辺晃氏から水上オートバイの安全運航教育についてご寄稿いただいた。水上オートバイの事故隻数は、意外にもプレジャーボートの事故隻数より少ないとのこと。相応な知識、技術なくして安全な乗り物になりえない水上オートバイの事故防止を図るために行われている、JBWSS(日本水上安全・安全運航サミット)と海上保安庁による総合安全情報サイト「ウォーターセーフティーガイド」の取り組みに期待したい。(坂元茂樹)

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