Ocean Newsletter

【Ocean Newsletter】バックナンバー

第450号(2019.5.5 発行)

編集後記

帝京大学戦略的イノベーション研究センター客員教授♦窪川かおる

♦2019年4月1日に日本の新しい歴史が刻まれた。5月1日より用いる「令和」(れいわ)は、万葉集からの出典という。和歌の一文字一文字に込められている想いは、昔も今もこれからも変わらずに続くだろう。
♦2018年に第3期海洋基本計画が策定された。基本計画は5年毎に改定されているが、1期、2期、3期のそれぞれに特徴がある。そのひとつとして各期のパブリックコメントに着目して比較考察した論考を東海大学海洋学部の脇田和美教授よりご寄稿いただいた。パブリックコメントは国民が施策に関与できる貴重で重要な機会であるとともに、各期の違いがみられる。パブリックコメントの数、内容、政府の対応度などである。第3期は参与会議の積極的参画など新しさが目立つ一方で、パブリックコメントの解析結果も興味深い。なお本稿は日本海洋政策学会の課題研究を行った共同研究者との調査や議論を踏まえたとあり、さらなる結果発表も待ちたい。
♦ニホンウナギは、その稚魚(シラスウナギ)の減少と国際機関から絶滅危惧種IB類に指定されたことにより、日本人の食文化への影響が危惧されている。福岡県立伝習館高等学校自然科学部顧問の木庭慎治氏は、生徒とともに、福岡県柳川の掘割を「ニホンウナギの郷」にしようとウナギの生態環境調査と保護に取り組んでいる。柳川は、うなぎのせいろ蒸しと掘割の川下りで知られるが、シラスウナギが激減している。その原因が海から掘割への排水門の閉鎖が大きいことを突き止め、その結果2019年4月には試験的な魚道が仮設されたという。稚魚を飼育し放流した結果がわかる日も近い。学校の活動を応援する人々とともに柳川のうなぎ復活を楽しみにしたい。
♦本誌では水産エコラベルの解説と意義を掲載してきたが、今年末までにオリンピックの水産物調達が始まることは、大きな節目となるだろう。その中で2015年に立ち上がったSH“U”Nプロジェクトについて、(国研)水産研究・教育機構顧問の大関芳沖氏より解説をいただいた。同プロジェクトの目的の一つは、消費者に水産物に関する情報を漁業情報だけでなく、文化や社会経済までさまざまな情報を分かり易く伝え、賢く水産物を消費してもらうことである。もうひとつは、日本の漁業者が、SDGsの目標に沿って水産資源の持続可能性への理解を深め、エコラベル取得を目指すことである。読者もSH“U”Nのホームページを訪れて是非賢い消費者を目指して欲しい。(窪川かおる)

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