Ocean Newsletter

オーシャンニューズレター

第28号(2001.10.05発行)

第28号(2001.10.05 発行)

編集後記

ニューズレター編集委員会編集代表者((社)海洋産業研究会常務理事)◆中原裕幸

◆東シナ海における尖閣諸島、日本海における竹島、オホーツク海における北方四島の領土帰属問題がわが国の200海里排他的経済水域(EEZ)の境界線画定に影響を与えていることは、多くの読者もご存知であろう。前二者は現在無人島だが、北方四島はロシア人が居住しロシアが実効支配している。日本が主権を主張する領土の周辺海域でロシアが台湾、韓国に漁業操業を認めるということは、日本は舐められていると率直に指摘し、一方ではわが国への環境外交への期待を吐露しながら、他方で日本政府の対応姿勢にはがゆい思いを投げかける堀ペーパーについて、これを起点に多くの論議がたたかわされることを期待したい。

◆どんな高速船も東京湾内に入ったとたんに12ノット以下での航行を強いられ、そのために、時間を余分にとられ経済性に影を落としている。安全な範囲内で湾内に「高速レーン」を設定できないかという声は、これまでも幾度か浮上していたはず。船の操縦性能の向上とあわせ、邊見ペーパーに応えた真剣な検討を呼びかけたい。

◆房総半島周辺から駿河湾沖に至る伊豆諸島近海は、実はクジラが回遊したり小型鯨類であるイルカの棲む海である。編集子を含め、実際に遭遇した経験を有する読者もいらっしゃるに違いない。5年通って住んで2年という御蔵島の今村さんからの投稿は、静かな語り口の中にエコツーリズムの在り方をより良いものへ進化させようと説く。耳を傾けるべき、とはこのような小編のためにも用いられるべき言葉ではなかろうか。

◆「ジュニア・マリン賞」は21世紀を担う青少年を対象に新設されたもの。全国から多数の応募があることを望むとともに、将来、本誌上で日本の海洋問題について論陣を張る人材がそれらのなかから現れるかも、との編集会議での声。(了)

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