『「核の忘却」の終わり—核兵器復権の時代』

2019年6月

カテゴリー区分 書籍
発行 2019.06
著者/編者 秋山信将、高橋杉雄(共編著)
備考 勁草書房
ISBN    978-4-326-30280-2
笹川平和財団が2015-2017年度に実施した研究プロジェクトの議論を土台とした書籍、『「核の忘却」の終わりー核兵器復権の時代』が出版されました。

冷戦終結後、大国間での核戦争の可能性は低下し、核兵器の役割が縮小するのではないかとの期待が高まりました。しかし他方でこの間、核兵器の安全保障における役割に関する思考が、少なくとも西側において止まってしまったと言われます。「核の忘却(nuclear forgetting)」とはその思考停止の状態を意味しています。
 
本研究では、21世紀の現在の安全保障環境における核兵器の役割、核抑止の多様性に着目した分析を行い、米ロをはじめ大国の動向、さらに地域レベルでの核抑止の役割、また、科学技術の進展と核兵器との関係にも目を向けつつ議論を試みました。そして日本において、核抑止を巡る議論と現実をタブー視せず、世界の変化の中で、今我々が直面する核兵器を巡る課題に正面から総論的に取り組むことを目指しました。米ソ対立を軸とした冷戦期の抑止論をそのまま適用するのでもなく、時代の変化を捉え、地域や相手によって異なる認識枠組みをもって核兵器、抑止の役割と意味を捉えることが重要となってます。また、核兵器と安全保障を巡る議論の二つの軸、安全保障・抑止論と軍縮・軍備管理の議論を別々に議論し分断させないことも、メッセージの一つです。
 
 《書籍目次》
 序章 「核の復権」の現実[高橋杉雄・秋山信将]
  1 核をめぐる二つの知的方向性
  2 核兵器の「復権」
  3 本書の論点
 
 第1章 米国-核抑止戦略の再構築[高橋杉雄]
  はじめに
  1 冷戦期の核戦略をめぐる戦略的前提
  2 冷戦終結と核戦略をめぐる前提の変化
  3 プラハ演説から「核の復権」へ
  4 核兵器「復権」後の核戦略の課題
  おわりに
 
 第2章 ロシア-ロシア版「エスカレーション抑止」戦略をめぐって[小泉悠]
  はじめに
  1 宣言政策と運用政策
  2 「非対称戦略」としてのロシアの核ドクトリン
  3 核戦力整備の実際
  おわりに
 
 第3章 中国-「最小限抑止」から「確証報復」への転換[神保謙]
  はじめに-「非対称な均衡」の維持か脱却か
  1 中国の核戦力-「最小限抑止」から「確証報復」へ
  2 米中の核関係-暗黙の「戦略的安定性」の形成
  おわりに
 
 第4章 NATO-「核の忘却」の終焉?[戸﨑洋史]
  はじめに
  1 在欧戦術核撤去問題-1991~2012年
  2 対ロ抑止態勢の強化-2013~2016年
  3 トランプ政権とNATO-2017~2018年
  4 核態勢強化と脅威低減の課題
  おわりに
 
 第5章 インド・パキスタン-「抑止のための兵器」の20年[栗田真広]
  はじめに
  1 パキスタンの核戦略・核態勢
  2 インドの核戦略・核態勢
  3 「核戦争遂行」との距離
  おわりに――抑止の安定性をめぐって
 
 第6章 核管理とサイバーセキュリティ[土屋大洋]
  はじめに-サイバー戦場の霧
  1 サイバースペースと情報技術
  2 ハイブリッド戦争と戦略的安定性
  3 堅牢なシステムの追求
 
 第7章 「秩序の兵器」としての核と分裂する世界[秋山信将]
  はじめに-核と国際政治を考えるための枠組み
  1 核兵器の存在を規定する要因
  2 「秩序の兵器」としての核
  3 核兵器をめぐる新たな国際環境
  4 核と道徳性-核をめぐる世界の分断
  おわりに
 
 終章 日本-世界で最も厳しい安全保障環境下での核抑止[高橋杉雄]
  はじめに
  1 拡大抑止に関する日本の宣言政策
  2 北朝鮮に対する抑止
  3 中国
  おわりに
日米グループ | japan-us@spf.or.jp | 村田綾 
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