【開催報告】
公開パネルセッション「中東の情勢とトルコ・日本関係の未来」(2026年4月)
公開パネルセッション オウズハン・エルトゥールル 駐日トルコ大使のご挨拶
本会議における公開パネルセッションでは、SETAのワシントン事務所から2名、同じくアンカラ本部から2名の研究者が参加し、日本側の参加者である宮島昭夫元駐トルコ日本大使、間寧JETROアジア経済研究所主任研究員、西田一平太笹川平和財団上席研究員と議論を交わしました。
その中でトルコ側の視点として強調されていたのが、国際連合を含めた既存の国際システムの機能不全と、それに伴う新たな国際秩序の必要、その中における中堅国(middle powers)の役割ということでした。トルコとしては中東地域の安定は一時的な平和合意によっては担保されるものでなく、より持続的な地域の安全保障システムが必要であると考えており、そのために日本とも協力したい、との希望が語られました。
これに対して日本側参加者からは、日本とトルコのこれまでの協力・友好関係、現在の中東情勢におけるトルコの役割の重要性、NATO等の枠組みへの日本の積極的な関与の必要性、国連改革、あるいはシリアやパレスチナ復興における協力の可能性、そして両国の間でより長期的な信頼関係を築く必要があることが表明されました。
その後の非公開のラウンドテーブルでの議論を含め、トルコ側研究者が、世界情勢分析並びに国際秩序についての構想を明確に語る姿が印象的でした。トルコにとって、ウクライナやシリア、パレスチナ、イランといった周辺諸国・地域の不安定化は安全保障や難民の発生等の直接の脅威となる問題であり、彼らの姿勢からは、トルコが大国に依存することなく、新興国を含めた「中堅国」との連携によってそれを回避しようとする意志が感じられました。
笹川平和財団では、今後も中東地域の安定勢力である国々やオピニオンリーダーたちとの戦略的な対話を進め、それによって地域の平和と復興に寄与していく所存です。
公開パネルセッションの概要
日時:2026年4月21日(火)14:00 – 16:00
場所:笹川平和財団ビル11F 国際会議場(東京都港区)
登壇者:
【冒頭挨拶】
・オウズハン・エルトゥールル 駐日トルコ共和国 大使
・安達一 笹川平和財団 常務理事
・ブルハネッティン・ドゥラン 大統領府広報局長(書面挨拶)
【モデレーター】
・クルチ・ブウラ・カナト氏 (トルコ共和国大統領府安全保障・外交政策評議会委員、SETAワシントンDC研究部長)
【パネリスト】
・宮島 昭夫 氏 (元駐トルコ共和国大使)
・間 寧 氏 (JETROアジア経済研究所主任研究員)
・西田 一平太 氏 (笹川平和財団上席研究員)
・カディル・ウストゥン氏(SETAワシントンDC 所長)
・ムラト・イェシルタシュ氏 (アンカラ社会科学大学教授、SETA外交政策研究部長)
・ムラト・アスラン氏 (ハサン・カルヨンジュ大学准教授、SETA研究員)
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