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第3グループ(社会イノベーション推進担当) 女性起業家支援(お知らせ)

メンターシップを通じた地方の零細女性起業家のエンパワーメント②バッタンバン編

~ジェンダー視点を有したメンター育成プログラムIMNEt(イムネット)~

笹川平和財団


2025.07.10
13分

【IMNEtパイロット期を卒業したバッタンバンのメンター達。左から4番目がソマリーンさん、5番目がチャニーさん。(写真:Swisscontact提供)】

【カンボジア IMNEt(イムネット)プログラム】

 カンボジアにおいて、女性主導の企業は全体の7割を占め、女性起業家はカンボジア経済及び社会の根幹を担っている。しかしながら、女性起業家はその社会的、文化的背景からも企業成長のために必要な資金調達、市場へのアクセスなどで多くの課題を抱えている。さらに、地方と都市のリソースへのアクセス格差も顕著である。例えば、同国では近年起業家支援が盛んであり、多くの起業家支援プログラムが存在する。しかし、その多くが首都プノンペンに集中しており、地方の起業家が参加するにはハードルが高い。笹川平和財団はこのような地方の女性起業家が持つ障壁を、2023年度に実施したカンボジアのジェンダー投資概況調査で特定した。その他、この調査ではいくつかの重要な課題が浮き彫りになった。まず、女性起業家への支援を広げるジェンダー視点を有した起業家支援組織は全体の2割程度でしかないこと。零細起業家の資金ニーズ額は小さいにも関わらず資金調達へのアクセスが足りないこと。地方の起業家ほど、ビジネス成長支援に対するニーズが高いのにも関わらず、十分にアクセスがないこと。更には、零細・小規模の企業のほとんどが非登録企業であり、伝統的な金融機関からの資金調達の課題になっていることなどの課題が浮き彫りになった。そして、女性起業家特有の課題を克服するためには、メンターの存在が有効であり必要とされていることも分かった。
 
上記の調査結果をもとに、笹川平和財団は現地の関係者やパートナーとの協議を経て、2024年度に地方の零細女性起業家をエンパワーし、支援するためのメンター育成プログラム「IMNEt(Inclusive Mentoring Network for Entrepreneurs:イムネット、起業家のための包摂的メンターネットワーク)」を立ち上げた。カンボジアの起業家支援エコシステムの中核を担い、政府のプログラム「起業家支援エコシステムと投資促進プログラム:Enhancing Entreprenerial Ecosystem and Investing (3EI)」を実施するNGOであるSwisscontact Cambodiaを主パートナーとし、Impact Hub Phnom Penh、Cambodia Coaching Instituteと協働してカリキュラムを作成した。カリキュラム作成にあたっては、現地の起業家とのフォーカス・グループ・ディスカッションを実施し、地方特有の課題やジェンダーの視点を取り入れた。このプログラムはすべてクメール語で実施されている。メンター候補生の多くは自身も起業家であるが、成功した起業家が必ずしも良いメンターであるとは限らない。そのため、研修ではコーチングスキル、傾聴力、自身のメンタースタイルや動機を理解するための自己理解など、メンターとして重要なスキルの習得に多くの時間を費やした。

今回、パイロット事業として地方都市であるシェムリアップとバッタンバンにおいて、25名のメンター候補生を対象にメンター育成研修を実施した。これらの候補生は、それぞれの都市における零細女性起業家(メンティー)25名に対し、2か月間のメンターシップを提供した。
このプロセスを経て、2025年2月に開催された修了式では、プログラムを修了したメンターに修了証が授与され、メンターシップの重要性をテーマとしたパネルディスカッションも行われた。
この機会を活かし、メンターおよびメンティーへのインタビューを実施。彼女たちがIMNEtへの参加に込めた思いや、地方の女性起業家が直面する課題、そしてメンターシップの意義について話を伺った。
 
 

バッタンバンの街並み

首都プノンペンから北西に約300kmの位置し、国内有数の稲作地帯であり食品産業が盛んなバッタンバンでは、IMNEtにメンターとして参加した2人の女性起業家にインタビューを行った。IMNEt参加の理由や、得られたこと、地方の女性起業家が直面する課題などについてお話を伺った。

まず、ハーブ薬を製造・販売するTakadia Enterprise(タカディア・エンタープライズ)のCEOであるSiev Somalin(シーブ・ソマリーン)さんである。彼女は、一昨年設立された、女性起業家協会(Cambodia Women Enterprise Association: CWEA)のバッタンバン支部の役員も務める、バッタンバンを代表する女性起業家の一人だ。
次に、食料加工会社Malis Visal Food Processing(マリス・ヴィサル・フード・プロセッシング)を経営するNorng Channy (ノーング・チャニ―)さんである。
 
 

- IMNEtプログラムに参加した動機を教えて下さい

メンターのソマリーンさんとメンティーの女性起業家。カフェなどでメンターシップを重ねた。(写真:ソマリーンさん提供)

(ソマリーンさん)これまでメンターになったことはありませんでした。でも、私自身のメンターである、CWEAバッタンバン支部長から、プログラムの参加を進められました。彼女は私がメンターとして適任だと言ってくれたのです。
 
(チャニ―さん)私もCWEAバッタンバン支部のメンバーで、IMNEtがローンチされることを聞きました。同じように課題を抱える女性起業家を支援したいと思い、応募しました。
 

-バッタンバンの女性起業家の抱える課題は何だと思いますか

【パイロット修了式で経験を共有するメンターとメンティー(一番左がチャニ―さん、左から二番目がソマリーンさん)(写真:Swisscontact Cambodia提供)】

(ソマリーンさん)ワークライフバランスの両立が最も大きな課題だと思います。社会文化的に、女性はビジネスをしながらも家事を担うことが求められています。成功するためには、多くの役割をこなす必要があると感じています。私も経営者、妻、母、娘としての役割を演じてきました。
 
(チャニ―さん)カンボジアには沢山の起業家支援プログラムが存在しますが、半数以上の女性起業家は家族からのサポートを受けられていないと感じています。結果、ビジネスと家事の両立に追われているのです。また、事業拡大に必要なコミュニケーションスキル、マーケティングスキル、情報へのアクセスが不足していると感じています。

-IMNEtに参加して、ご自身にも学びがありましたか?

【コーチングスキル研修に参加するメンター達(写真:Swisscontact Cambodia提供)】

(チャニ―さん)今回のIMNEt参加を通じて、初めて正式にメンターとして活動しました。私は、6人兄弟の長女として、そしてビジネスオーナーとして、これまでも兄弟姉妹や従業員にアドバイスをしてきましたが、プログラムを通じて、メンターシップとは何かを理解することができました。メンティーの直面する課題に対して感情的になりすぎることがありましたが、IMNEtで学んだ積極的傾聴(聞く力)やメンティーの課題に「境界を引く」スキルが役立ちました。また、最初は自分の学歴から他の起業家を支援できるか不安でしたが、研修を受けた後、自分のビジネス経験をシェアし、メンティーに有益なコネクションを提供することができました。
 
(ソマリーンさん)私も今回初めてメンターとして活動しました。「聞く力」に関する研修は非常に有益で、自分のビジネス経験やアドバイスを効果的に伝えるコミュニケーション能力が向上しました。プログラムを通じて、自分自身も変化を感じました。以前はもっとアグレッシブでしたが、今は落ち着いて人の話を聞くことができるようになりました。何より、後輩起業家たちにシェアできる経験があると分かったことが自信につながりました。
 
(チャニ―さん)メンターシップは答えを与えることではなく、メンティーが自分の解決策を見つけるのを手助けするエンパワーメントの旅だということが分かりました。
 
(ソマリーンさん)今回のプログラムを通じて、新たな夢が出来ました。この経験を活かして、今後自分のビジネスを成功させたら、他の起業家を支援するファンドを立ち上げたいと思っています。
 

 

- 編集後記

これまで、カンボジアにおいて、ジェンダー視点の起業家支援プログラムであるCnaiアクセラレータープログラムに参加している女性起業家たちにも多くのインタビューを実施してきた。地方都市から参加している女性起業家もいたが、特にスタートアップを立ち上げる若いプノンペンの女性起業家からは、女性起業家としての困難はさほど聞かれなかった。一方で、今回のシェムリアップやバッタンバンの女性起業家たちからは、一様に女性が起業することで家事との両立に苦労する「二重の負担(Double Burden)」の課題が挙げられた。これは、伝統的な価値観がより根強く残る地方ならではの課題であると感じた。また、メンターとして参加した経験豊富な女性起業家たちからも、プログラムの参加が自分自身の自信につながったという声が多く聞かれ、成功している起業家であっても、自信の欠如が課題であることが浮き彫りとなった。

今回のインタビューを通じて、地方の女性起業家が直面する課題や、メンターシップの役割の重要性を改めて実感した。今後も、これまでに見過ごされてきた、地方の女性起業家を支援すべく、IMNEtプログラムを実施していきたい。

(笹川平和財団 アジア・イスラム事業ユニット 第3グループ 研究員 伊藤悦子)


 

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