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第3グループ(社会イノベーション推進担当) 女性起業家支援(お知らせ)

起業をつうじた社会課題解決⑨ 

~自然と地域を守る、カンボジア発サステナブル・ツーリズム:Solo Landscapes(ソロ・ランドスケープス)~

笹川平和財団


2026.02.20
16分

【Solo LandscapesのCo-Founder & CEOであるSokchanlida(Vanda) Horn(ソクチャンリダ(ヴァンダ)・ホーン)さん(写真:Solo Landscapes提供)】

【カンボジア Cnai アクセラレータープログラム】

 笹川平和財団は2022年度より、カンボジアで起業家支援の「Cnai(チェナイ:革新)アクセラレータープログラム」を実施している。このプログラムは、2021年度にミャンマーのVC、Emerging Markets Entrepreneurs (EME)と共同開発したSanthit(サンティット:革新)アクセラレータープログラムをモデルにしており、世界的に有名なアーリーステージに投資を行うVCであるVillage Capitalのカリキュラムを採用している。

 「Cnai」とはクメール語で「革新・イノベーション」という意味で、このプログラムはジェンダー視点[i]を重視し、女性起業家が男性起業家と対等に参加できる公平な学びの場を提供している。参加起業家はステージごとに選抜され、ファンドを受け取り、伴走支援を受けながら事業を拡大させていく。2023年末から始まった第二期では、昨年度からのパートナーである、アジア開発銀行(ADB) Frontierに加え、カンボジア政府機関のクメール・エンタープライズ、米国政府機関のHarvestIII(ハーベスト・スリー)、オーストラリア政府機関のCAPRED(キャプレッド:Cambodia Australia Partnership for Resilient Economic Developmentの略)が新たに共同パートナーとして参画している。このことにより、Cnaiコミュニティづくりや展示会の実施、カリキュラムの拡充を行うことができた。多くのパートナーを巻き込むことで、コレクティブインパクトを生み出している好例であると言える。第一期、第二期に続き、今回、第三期のファイナリストの起業ストーリーや課題、ビジネスにかける思い、そしてビジネスを通じてどのように社会課題の解決に貢献しているかについてお話を伺った。 
 
[i] Cnaiアクセラレータープログラムの対象は女性だけでなく男性起業家も含むが、プログラムの設計段階から、ジェンダー視点を有している。例えば、本アクセラレーターのホームページのイメージキャラクターは女性起業家だ。またCnaiのホームページでは、ジェンダーに配慮した言語表現や書きぶりを徹底している。また、多くの起業家支援プログラムは大人数の前でのピッチイベントを実施するが、社会的に人前で話す機会が限られてきた女性には不利となりうる。本プログラムでは、起業家の参加態度とプログラムへのコミットメントを最も重視している。またピッチも大人数に対してではなく、数人の審査員の前で、プレゼンテーションを15分、質疑応答の時間を30分とするなど、実際に投資家と話す際に起こりうる状況を再現している。また、参加起業家は、ジェンダー指標を設定し、事業の実施を通じ、いかにジェンダーへのインパクトを出せるかが審査の際に考慮される。
 
今回、第三期Cnaiアクセラレータープログラムのファイナリストの一人である、Solo Landscapes(ソロ・ランドスケープス)のCo-Founder & CEOであるSokchanlida(Vanda) Horn(ソクチャンリダ(ヴァンダ)・ホーン)さん(以下ヴァンダさん)に話を聞いた。Solo Landscapesは、2020年に設立されたカンボジア発のサステナブル観光プラットフォーム/アドベンチャーツアー運営会社である。自然や文化を深く体験したい旅行者に向けて、環境保全と地域コミュニティとの協働を重視したツアーを提供し、現在ではカンボジアを代表するエコツーリズム企業の一つとして注目されている。 

- Solo Landscapesを設立した経緯や思いを教えて下さい。

【自然の中で環境について学ぶワークショップ(写真:Solo Landscapes提供)】

Solo Landscapesは、コロナ禍の2020年、海外への渡航が制限される中で国内観光への関心が高まったことを背景に生まれました。創業当初は私一人で立ち上げた事業でしたが、パンデミックの最中、友人であるChhet Rong Vicheata(チェット・ロン・ヴィチェアタ)さんを共同創業者として迎え入れました。一人での起業は本当に大変でした。だからこそ、信頼できる仲間と一緒に進む必要があると強く感じていました。ヴィチェアタさんは、ダイビングやサイクリングなど、スポーツやアドベンチャー分野に強みを持ち、現在では事業の重要な柱を担っています。

私は 起業以前は、子どもの栄養改善に取り組むNGOでソーシャルマーケティングを担当し、コミュニティ活動や零細事業者向けの研修などに関わってきました。そうした経験を通じて、地域と協働することの重要性を深く理解するようになりました。 

もともとエコツーリズムに参加することが好きでしたが、その中で、森林伐採の進行や野生動物の減少といった課題にも直面しました。観光は、ただ消費するものではなく、学び、守り、地域へ還元するものであるべきだと感じたのです。当初はFacebookを通じて集客し、週末に自然保護区や国立公園へ少人数のツアーを実施するところからスタートしましたが、次第にエコツーリズムへの需要が高まっていることを実感しました。こうした気づきが、事業を本格的に拡大していくきっかけとなりました。一般的な観光ツアーでは、十分な体験が得られないと感じていました。自然に触れるだけでなく、コミュニティの声を聞き、学び、責任ある旅行者として旅から何を持ち帰るのかが重要だと思ったのです。 

- Solo Landscapesのビジネスモデルを教えて下さい。

【ローカルヒーローとして活躍する先住民の女性(写真:Solo Landscapes提供)】

顧客の中心はプノンペン在住者ですが、近年は他都市の参加者も増えています。コロナ禍で高まった「国内で自然に触れたい」というニーズが、事業の成長を後押ししました。 

Solo Landscapesの大きな特徴は、「ローカルヒーロー」と呼ぶ地域の担い手との連携です。彼ら・彼女らは質の高い観光サービスを提供しながらも、大手予約サイトを活用していないケースが多く、私たちはその橋渡し役を担っています。 

また、創業初期はツアーガイド、事業運営、マーケティングをすべて自分たちで担っていたため、負担が大きい時期もありました。現在では、コミュニティのために働きたいと考えるフリーランスのツアーガイドに業務を委託し、より持続可能な運営体制へと移行しています。現在は約22名のフリーランサーが関わり、ハイキングやアドベンチャーツアーのロジスティックサポートなどを担当しています。 提供するツアーには、

  • 国立公園や保護地域でのハイキング・トレッキング
  • 先住民コミュニティとの文化交流
  • 地方都市バッタンバンでの食や文化イベントの共同開催 
  • プノンペン市内の歴史・文化ツアー(虐殺博物館、キリングフィールド、王宮など) 

などがあり、ツアーごとに価格を設定し、柔軟な運営を行っています。 

社会起業家として見られると、収益性が低いと思われがちですが、私たちはエコフレンドリーであり、社会にインパクトを出すと同時に、商業的にも成立するビジネスとして評価されることを目指しています。 

- Cnaiアクセラレータープログラムへ参加することになった経緯と、これまでの学びで印象的だったことを教えて下さい

【Cnaiの第三期修了式でファイナリストとしてピッチを行うVandaさん(写真:Cnai Accelerator提供)】

参加のきっかけは、第二期参加者であり友人でもあるXertificateのJasonさんからの紹介でした。「Solo Landscapesのビジネスはすでにインパクトがある。デジタルプラットフォームとしてスケールできる」と言われたことが、背中を押してくれました。アドベンチャー観光は特殊な分野であり、事業をスケールさせるには時間とイノベーションが必要です。自分自身、事業を次の段階へ進める必要性を強く感じていたこともあり、Cnaiへの応募を決めました。 

Cnaiで特に印象的だったのは、「答えを押し付けない姿勢」です。Cnaiのチームはアイデアを一方的に与えるのではなく、私の話を丁寧に聞いた上でコメントをしてくれました。これまで参加した他の起業家支援プログラムでは「変えること」を求められる場合もありましたが、Cnaiでは起業家自身のオーナーシップを尊重してくれていると感じました。 

カリキュラムは決して楽ではありませんでしたが、ビジネスに必要な知識が約50の記事に集約されている「Cnaiリソースハブ」を活用できたことや、現場に即したリフレクションや、組織運営の基礎を体系的に学べたことは、大きな収穫だったと思います。 

特に印象に残っているのが、ジェンダーに関するセッションです。日本人の外部講師による講義を通じて、ジェンダーを単に「男性/女性」という区分で捉えるのではなく、組織文化や行動規範にどのように組み込むかという視点を学びました。チーム内での振る舞い、差別の防止、採用時のポリシーづくりなど、具体的にどう落とし込むかを考えるようになり、現在ではハイキングツアーにおいても、女性に機会を提供することを意識しています。 

- Solo Landscapesの次のステップを教えて下さい。

【ツアーの様子(写真:Solo Landscapes提供)】

Cnaiを通じて築いた仲間とのつながりは、プログラム終了後も続いています。新しいプロダクトを開発する際には、Cnaiコミュニティの仲間たちにも相談しながら進めていきたいと考えています。 

次のステップとしては、カンボジア国外への展開を見据えています。ラオスやベトナムをはじめ、ネパール、インドネシア、インドなども視野に入れています。文化を理解している旅行者ほど、より深く、本質的な体験を求める傾向があります。そうしたニーズは、国境を越えて確実に広がっていると感じています。 
自然と人、そして旅と学びをつなぐSolo Landscapesの挑戦は、これからも続いていきます。 

【ツアーで訪れるラタナキリ州にあるビラチェ国立公園の風景(写真:Solo Landscapes提供)】

- 編集後記

ヴァンダさんの話から一貫して伝わってきたのは、「観光とは何か」を問い直そうとする強い意志だった。自然や文化をただ消費するのではなく、学び、守り、地域へと還元していく。その姿勢は、彼自身がNGOでコミュニティと向き合ってきた経験が土台になっているのだろう。 

コロナ禍で海外への渡航が途絶え、海外からの観光客も激減し、カンボジアの旅行業界が大打撃を受ける中で、彼は国内旅行、なかでもエコツーリズムに目を向け、地道に実績を積み上げてきた。理想論にとどまらず、ビジネスとして成立させることにも正面から向き合ってきた。社会性と収益性の両立は決して容易ではないが、フリーランサーや地域の担い手と協働しながら持続可能な仕組みを築いてきた点に、彼の起業家としての実践力が表れている。 

Cnaiへの参加を通じて、ヴァンダさんは自らの価値観を再確認し、それを軸に事業を次のステージへと進めようとしている。その挑戦は、観光業にとどまらず、社会課題に向き合いながらビジネスを成長させようとする多くの起業家にとって、大きな示唆を与えてくれる。自然と人、そして未来をつなぐ彼の挑戦は、これからも静かに、確実に広がっていくだろう。 

(笹川平和財団 アジア・イスラム事業ユニット 第3グループ 研究員 伊藤悦子)


 

第3グループ(社会イノベーション推進担当) 女性起業家支援(お知らせ)
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