Gender Lens Investing Fellowship for Asia 2023

笹川平和財団

English
  • 財団について
    • 財団について
      • 財団について
      • 沿革
      • 事業方針・5つの重点目標
      • 評議員・名誉会長・役員名簿
      • ダイバーシティ&インクルージョン
      • 財務報告
      • 定款
      • 役員の報酬・退職金に関する規程
      • より良い調査研究への取り組み
      • 笹川名誉会長対談のアーカイブ
      • 2017年度までの事業について
    • 理事長からのご挨拶
    • ブロシュア・年次報告書
    • アクセス
    • Idea Submission
    • 採用情報
    • お問い合わせ
  • 研究員
  • 事業
    • 日米・安全保障研究ユニット
    • 総括・交流グループ
    • 安全保障・日米グループ
    • 戦略・抑止グループ
    • アジア・イスラム事業ユニット
    • 第1グループ:戦略対話・交流促進担当
    • 第2グループ:平和構築支援担当
    • 第3グループ:社会イノベーション推進担当
    • 笹川日中友好基金
    • 海洋政策研究所
    • 海洋政策実現部
    • 島嶼国・地域部
    • 奨学ユニット
    • 笹川奨学金事業グループ
  • リポート
    • 報告資料・出版物
    • 各種レポート
    • シンポジウム・講演会録
    • SPF NOW
    • 随想一筆
    • 新型コロナウイルス 日本と世界
    • 動画
    • 地域別新着情報
    • アメリカ
    • 北東アジア地域
    • 東南アジア地域
    • 南アジア地域
    • 中東地域
    • 大洋州地域
    • ヨーロッパ・ユーラシア
    • 北極域
    • アフリカ
    • サテライトサイト
    • 国際情報ネットワークIINA
    • SPFチャイナオブザーバー
    • アジア女性インパクトファンド
    • 島嶼資料センター
    • WMU友の会ジャパン
    • SPF日米関係インサイト
    • 海洋情報FROM THE OCEANS
    • 海洋教育パイオニアスクールプログラム
    • アジア平和構築イニシアティブAPBI
    • 碩果累々 継往開来 —笹川日中友好基金の軌跡—
    • サイバー安全保障研究
    • ロシアと世界
    • 日中関係データグラフ
  • ニュース
    • 新着情報
    • プレスリリース
    • メールマガジン
    • メディア掲載
  • イベント
  • 笹川奨学金
第3グループ(社会イノベーション推進担当) ジェンダー投資(お知らせ)

【開催報告】
 アジアのジェンダー投資研修プログラム

ー ジェンダー平等実現に向けて、より多くの投資家を動員するために ー

笹川平和財団


2023.04.26

 笹川平和財団ジェンダーイノベーション事業グループは、今年1月から3月にかけて、アジア地域でジェンダー投資を推進していく投資家を養成するための研修プログラム「Gender Lens Investing Fellowship for Asia 2023」を、オーストラリア政府の事業としてジェンダー投資を促進しているInvesting in Womenと供に開催しました。
 

―― 黎明期のアジアのジェンダー投資を加速させるために

 ジェンダー投資(Gender Lens Investing、以下GLI )とは、ジェンダー視点を投資判断に組み込み、金銭的リターンとジェンダー平等の推進という社会的リターンの両方を追求する投資です。人道的に“正しい”投資であるのみならず“賢い”投資戦略として、欧米を中心に広がりを見せています。一方、アジア地域ではジェンダー投資は黎明期にあり、普及を加速させていく必要があります。ジェンダー投資が広く認知されていない、また投資家の間にもそのノウハウが浸透しておらず投資行動に踏み出せない、といった課題が背景にあると考えられます。
 
 このプログラムはこういった課題意識から、アジアを拠点とする投資家、もしくはアジアへ積極的に投資する欧米の投資家に、ジェンダー投資の社会的意義や有望性と革新的側面を理解してもらい、そのノウハウの習得とジェンダー投資の実装に繋げていくことを目的として、実施されました。昨年に続いて二回目の開催となる本プログラムは、計8回8週間におよびオンラインで開催され、26名の投資家が参加しました。プログラムの実施は、企業のジェンダー平等推進活動とジェンダー投資に精通しているコンサルタント会社Value for Womenと、今年1月に誕生したばかりの2X Global* が担いました。
 (*2X Global は、G7の開発金融機関による「女性のためのファイナンスイニチアチブ:2X Challenge」の旗振り役としてジェンダー投資を推進するために設立された業界最大の団体です。)

―― 開会式 - Inaugural Session

【歓迎の挨拶を述べる松野グループ長】

 研修プログラムは、まず開会式でプログラムのスポンサーでもある笹川平和財団の松野文香グループ長の歓迎の挨拶から始まりました。アジアのジェンダー投資の潮流と、笹川平和財団の「アジア女性インパクト基金(AWIF)」の歩みを振り返り、ジェンダー投資が黎明期にあるアジアで、ジェンダー投資、そしてアジアの女性のエンパワメントを共に推し進めてほしいと呼びかけました。開会式に続いて行われた補足セッションでは、ジェンダー投資の定義、その意義と必要性、ジェンダー投資に関する誤認識とそれを覆すファクトデータといった基本知識を学びました。

―― モジュール1:ジェンダー投資の高い有用性

【モジュール1のレクチャーを行う Value for Women Ms. Agrawal】

  モジュール1の「ジェンダー投資の高い有用性 (Making the Case for GLI)」では、女性のエンパワメントについて、「どのような社会的成果を狙うのか」、そして「そのための有効なアセットクラスは何か」を学びました。一口にジェンダー投資といっても、もたらされる効果は様々です。女性起業家の資本へのアクセス、職場のジェンダー平等の推進、女性の力を使った社会問題を解決など、多岐に渡ります。投資で狙う社会的リターンを明確にし、その目的を効果的達成するためのアセットクラスの種類や手段(上場か非上場か、融資か株式か)を検討するなど、フェローたちはレクチャーの後、フェロー同士の熱心な議論を通じて理解を深めました。

―― モジュール2:ジェンダー投資戦略

 モジュール2「ジェンダー投資戦略の構築(Developing GLI Strategy)」では、投資の各段階(ソーシング、選考、交渉、投資先への関与、評価、エグジット)で、どのようにジェンダー視点を組み込んでいくのかを学びました。例えば、投資の選考段階では、ジェンダー平等を測定するための指標やツール(Equileap Scorecard、WEPs Gender Gap Analysis Tool、VFW Gender Smart Nexus、2X Assess、SWEEF ROI等)を使い、投資先がジェンダー平等の基準を満たしているかを確認することもできます。また、投資の選考過程に、ジェンダーバイアスを取り除くステップを追加することで、より公正な選考を可能にし、有望な投資先を取りこぼすリスクを防ぐことが出来ます。投資選考過程でのジェンダーバイアス調査を行ったVillage Capital のレイチェル・クラウフォード氏 は、ベンチャーキャピタルが投資先の起業家の性別によって選考基準や面接の内容を変えていることを指摘し、その一貫性を保つことで女性起業家の評価が向上するというデータを示しました。

【Mpower Partners Ms. Murakami】

   ~ 登壇した多彩なゲストスピーカー ~

 このプログラムでは、メインの講習であるモジュールと補講セッションを通じ、ジェンダー投資の第一線で活躍する様々な投資家が、ゲストスピーカーとして登壇しました。モジュール1では、ジェンダー投資の資産運用会社(GP)とアセットオーナー(LP)から、ジェンダー投資を始めた経緯について語ってもらいました。ベンチャーキャピタル MPower Partners Funds の村上由美子氏は、ESG(環境、社会、統治)の視点から競争力のある企業を発掘し、金融リターンを追求しようとした結果、ポートフォリオの半分の企業が女性創業者の会社であったと振り返り、「イノベーションや成長にジェンダーとESGの視点は欠かせない、そして、この二つは相互に作用し重なり合っている。」と語りました(村上氏の談話後述)。また、「LPは、GPが想定している以上に、GPのファンド構成にジェンダー視点の組み入れを期待している」といったLP側の話に対し、フェローたちは大変参考になったと述べています。
         モジュール1パネリスト: - Mpower Partners, General Partner, Ms. Yumiko Murakami
                                                              - International Finance Corporation, Regional Lead, Gender and                      Economic Inclusion, EAP Ms. Amy N. Luinstra
                                                               - Astia Fund, Managing Partner Ms. Evie Mulberry
                                                               - Anthem Asia, Director, Ms. Genevieve Heng

【Patamar Capital Ms. Shuyin Tang】

 東南アジアで、ジェンダー投資の先駆的存在であるPatamar Capital のシューイン・タン氏も自身のジェンダー投資の歩みとその実践について、補足セッションで登壇しました。2017年にジェンダー投資と出会ったタン氏は、その後ジェンダー投資ファンドBeacon Fund を立ち上げ、女性起業家に積極的に投資しています。(補足セッション2 ゲストスピーカー: Patamar Capital, Partner, Ms. Shuyin Tang)

【IIX Ms. Natasha Garcha】

  世界初の上場ジェンダーボンド(Women’s Livelihood Bond)を発行したIIXは、シンガポール証券所にジェンダーボンドを上場し、その流れを後押しする「オレンジボンド・イニチアチブ」の活動を通じて、ジェンダー投資の主流化を目指しています。IIXのナターシャ・ガルシア氏は、IIXのジェンダーボンドが気候変動対策なども含めた革新的なツールであると説き、債券化と上場を通じて、ジェンダー投資がより身近な投資商品となることへの抱負を語りました。(モジュール3ゲストスピーカー:IIX, Associate Director, Ms. Natasha Garcha)
 
 モジュール1のパネリスト Anthem Asia のヘン氏は、昨年のプログラムの卒業生でもあります。ジェンダー投資の先輩であるゲストスピーカーの示唆に富む経験談は、これからジェンダー投資を始めようとするフェローたちにとって、ジェンダー投資実践のアドバイスとなっただけでなく、一歩を踏み出すための刺激となりました。
                                                         上述以外のゲストスピーカー 
                                                            モジュール2:Village Capital, Director, Ms. Rachel Crawford
                                                          卒 業 式 :Northern Arc Investment, Chairperson, Dr. Kshama Fernandes

―― モジュール3:投資会社のジェンダー多様性と”賢い”投資戦略、そして交差性

 プログラム最終回のとなったモジュール3「ジェンダー視点のアプローチを深める(Deepning your gender lens apporach)」では、(1) 自社のジェンダー平等の推進と、(2) ジェンダー投資の革新的な使い方、の二つがテーマとなりました。世界的にみても、投資会社の社内のジェンダーバランスは不均衡であり、アジアもその例外ではありません。欧米では投資会社が社内のジェンダー多様性を進めることも、ジェンダー投資の一環と捉えられていますが、アジアではこの考え方に賛同する投資家の割合が低いことが指摘されました。本プログラムのゲストスピーカー、MPower Partners Funds の村上由美子氏は、自身のベンチャーキャピタル が女性3人の創業であることが多様性のある有望なパイプラインの発掘に繋がっていると述べ、投資会社のジェンダー多様性が、革新的な投資先を惹きつけ、ポートフォリオの幅を広げ、高い収益性につながると語っています。投資会社のジェンダー多様性を進めることは、”賢い”投資戦略の一部となることが、講師からも紹介されました。
  モジュール3二つめのテーマでは、気候変動対策やケアエコノミー、また女性に限らずマイノリティや障害者の包摂性といった、ジェンダー投資と広範な社会課題との交差性が取り上げられました。こういった環境・社会課題の解決に女性の力を使い、それを通じて女性のエンパワメントを促進していく、一石二鳥、三鳥の社会的リターンを狙う投資が紹介されました。

―― 卒業式 - Graduation Ceremony

 プログラムの全日程を終了したフェローたちは、3月7日、卒業式を迎えました。プログラム前後のアンケート比較では、ジェンダー投資に関して知識レベルと知識に対する自信が、各段に向上したことが示されました。フェローたちの多くが、今後の行動として「ジェンダー視点のあるファンドに投資する」、「投資プロセスにジェンダー視点を含める」、「自社内で女性や女性のファンドマネージャーを採用する」、「人事制度にジェンダー視点を取り入れるよう見直す」などを挙げ、実行に移していくと回答しました。今後のフェローたちの活躍に大いに期待しています。

 笹川平和財団 ジェンダーイノベーション事業グループは、女性の経済的エンパワメントに資する活動を今後も推進していきます。


インパクト投資 第3グループ(社会イノベーション推進担当) 第3グループ(社会イノベーション推進担当) ジェンダー投資(お知らせ)
Share

関連記事

Latest News

第3グループ(社会イノベーション推進担当)

【開催報告】ジェンダー投資研修 From “Why” to “How”

笹川平和財団は、アセットオーナー投資家(LP)に向けたジェンダー投資実践のための研修プログラムを開催し、インパクト測定・管理(IMM)の枠組みを発表しました。

2023.10.17
第3グループ(社会イノベーション推進担当)

Measuring Impact ー導入編ー

「アジア女性インパクト基金(AWIF)」は、その意図を明確に他者に伝えるために、「変革の理論」と、投資活動で生み出すインパクトを測定&管理し報告していくため、インパクトの測定・管理の枠組みを設定しました。インパクトの測定と管理への我々のコミットメントと背後にある考え方を共有するために、導入編として本報告書を作成しました。インパクトに配慮した真の投資家になるための私たちの試みが、他の同じような志を持つ人々にもインスピレーションを与え、私たちの経験から何か少しでも学べる事があればと願っています。

2023.09.13
第3グループ(社会イノベーション推進担当)

【イベント参加報告】社会課題解決に向けた資金の流れ最前線 - AVPN 国際会議2023

2023年6月20日-22日。マレーシア、クアラルンプールで開催されたAVPN(アジアン・ベンチャー・フィランソロピー・ネットワーク)の年次総会に笹川平和財団ジェンダーイノベーション事業グループが参加。フィランソロピーのあり方、社会課題解決の資金の流れの動向についてレポート。

2023.08.29
もっと見る

pagetop

Video Title

Footer

笹川平和財団

  • 財団について
  • ニュース
  • 研究員
  • イベント
  • 事業
  • アクセス
  • リポート
  • お問い合わせ

最新情報

SPF(笹川平和財団)の最新情報をメールでお届けするサービスです(購読無料)。 講演会やシンポジウム等のイベント情報、サイト更新情報、報道発表資料などをご案内いたします。

メールマガジンの登録

サテライトサイト

  • 海洋情報FROM THE OCEANS
  • WMU友の会ジャパン
  • アジア女性インパクトファンド
  • SPF日米関係インサイト
  • 国際情報ネットワークIINA
  • 海洋教育パイオニアスクールプログラム
  • 島嶼資料センター
  • SPFチャイナオブザーバー
  • アジア平和構築イニシアティブAPBI
  • 碩果累々 継往開来 —笹川日中友好基金の軌跡—
  • サイバー安全保障研究
  • ロシアと世界
  • 日中関係データグラフ
  • プライバシーポリシー
  • サイトポリシー
  • SNSポリシー
  • サイトマップ
  • ウェブアクセシビリティ

Copyright © 2022 The Sasakawa Peace Foundation All Rights Reserved.