2017年、公益財団法人 笹川平和財団は、自らの資産の一部をインパクト投資という手法を用いて、特にアジアの女性と女児へのポジティブな社会的インパクトを創出したいという明確な意図を持って「アジア女性インパクト基金(AWIF)」を設立しました。
AWIFは、その意図を明確に他者に伝えるために、「セオリー・オブ・チェンジ(変革の理論)」と、投資活動で生み出すインパクトを測定&管理し報告していくため、インパクトの測定・管理(Impact Measurement & Management (IMM))の枠組みを設定しました。基金の意図からそれることなく、インパクト創出を効果的に追求し、私たちの貢献に対して忠実であり続けるため、案件の発掘から投資、そしてモニタリングに至るまで、インパクトの成果を測定し管理することはAWIFにとって不可欠です。適切なIMMの実施により、実施有効性、説明責任、透明性を高めることができると考えています。
AWIFの投資はまだ日が浅く、社会的インパクトを測定するには時期尚早といえますが、インパクトの測定と管理への我々のコミットメントと背後にある考え方を共有するために、導入編としてこの報告書を作成しました。インパクトに配慮した真の投資家になるための私たちの試みが、他の同じような志を持つ人々にもインスピレーションを与え、私たちの経験から何か少しでも学べる事があればと願っています。