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ジェンダーイノベーション事業グループ エコシステム強化(お知らせ)

起業家支援組織により広まるジェンダー視点の輪

起業家支援組織のコミュニティ作り

一般社団法人Earth Company共同代表/濱川 知宏


2022.05.03
13分

東南アジアの持続可能な発展に重要な役割を果たす、女性の社会進出。なかでも起業は、特に農村部において女性が経済力を得るためのほぼ唯一の手段となる。起業を支援する組織の数々が、出資者など多様なステークホルダーと協働し女性の可能性を広げている。
 
起業エコシステムに影響力を持つ起業家支援組織がジェンダー視点を実装していることが、東南アジア諸国の働く女性たちを取り巻く、さまざまな課題を解決するには必要不可欠なのではないか。そんな想いから、笹川平和財団はオーストラリア外務省やNGOと協力し、起業家支援組織向けにジェンダー視点導入の指南書「ジェンダー・レンズ・インキュベーション&アクセラレーション(GLIA)ツールキット」を開発し、2020年に発表した。

【インタビューの様子】

今回は、GLIAツールキットに基づくトレーニングを受ける起業家支援組織のコミュニティ「GLIA Community of Practice(COP)」のメンバーであるMakesense(フィリピン)、Impact Hub(マレーシア)、Change Fusion(タイ)に、社会起業家達へどのような支援を行っているのか、COPに参加して支援プログラムや組織運営のジェンダー視点強化へどのような影響があったのか、一般社団法人Earth Company共同代表/濱川 知宏が話を聞いてみた。

- それぞれの組織の活動について教えてください。

Makesense in Asia 共同エクゼクティブ・ディレクターの Angeli Recella さん(Angeli)

Makesenseは8カ国を拠点に、社会起業家の支援だけでなく社会人や市民の方々を巻き込んだ活動を行っています。ある程度成熟したアーリーステージからレイターステージの起業家を支援する起業家支援機関がアジアでは多い中で、新しいプロジェクトが常に市場進出できるよう、シードステージの起業家への支援を積極的に行っているのが特徴的だと思います。
Impact Hubクアラルンプール パートナーシップ担当のRalph Mpofuさん(Ralph)

Impact Hubは、ステークホルダー同士を繋げることで社会起業家を支援する役割を60カ国の拠点で担っています。Impact Hubクアラルンプールでは、全ての人が変化を生み出せるという信念のもと、個人、社会起業家、コミュニティの三本柱で人と地球を大切に支援を行っています。
Change Fusion ビジネスディベロプメント担当のHaidy Leungさん(Haidy)

Change FusionはバンコクのNPOで、社会起業家・イノベーション支援プログラムを運営しています。社会起業家と営利企業やNGO、起業家支援組織、出資者を繋げエコシステムの成長を促すことで、インパクトの創出を目指しています。

- これまで支援をしてきた中で印象に残っている女性起業家について教えてください。

【Sinaya Cupとmakesense】

Angeli:最も印象的なのは、makesenseのインキュベーションプログラムから生まれた「Sinaya Cup」という月経カップ普及に取り組むフィリピンの女性起業家です。創設者にはmakesenseの女性メンターによる1対1コーチングを毎週提供しました。生理のタブーを乗り越えるために、最初に取り組み始めたSinaya Tribeという生理について学び合う女性3,000人のコミュニティ形成をベースに、女性のエンパワーメントに貢献する組織へ成長したのです。6ヶ月間のプログラム後も金銭的な支援を行い、取り組みについてのフォローアップなどコミュニケーションが継続しています。
Ralph:バンク・オブ・アメリカと共同開催した「Generation Impact Fellowship」という持続可能なベンチャーになる可能性を持つ未来のリーダーをサポートするための起業家支援プログラムで、マレーシアの優勝者となった女性起業家が最も印象的です。彼女は教師で、生徒たちが言語の違いから感じる壁をなくしたいという想いからバーチャルリアリティ英会話アプリ「VR Talk」を開発するという構想を持っていました。支援プログラムではアイディアを形にし、Impact Hubのツールや女性起業家のコミュニティに相談しながら、3ヶ月後にはソーシャルビジネスを始動させることができました。情熱があれば誰でも社会起業家になれると感じた瞬間でした。
 
Haidy:Change Fusionが伴走支援や資金調達を通しサポートしている Fisherfolkというタイ南部の持続可能な漁業に取り組むソーシャルビジネスです。創設者も女性ですがスタッフも女性が多く、漁業という男性社会への女性参画に大きく貢献しています。冷凍海鮮食品を加工し都市部スーパーマーケットに直接販売することにより、漁村に暮らす女性の雇用機会を生み出し、魚の卸売りと比べ5倍の収益を得られるようになりました。加工工場では作業台の高さ等に女性視点の工夫を数多く施しただけでなく、「女性は家庭を守るもの」という伝統が残るタイ南部のイスラム系家庭との信頼関係の構築も大切にしています。これまで働きに出ていなかった女性が働きやすい環境づくりなど、地元コミュニティにもポジティブな影響を与えています。

- 女性起業家の可能性を最大限活かすために、どんな工夫をしていますか?

【Impact Hub クアラルンプール チーム写真】

Ralph:コネクション・インスピレーション・可能性を兼ね備えたエコシステムを提供することを心がけています。女性起業家同士が繋がり安心して相談できる環境で学び合える環境、コーチングと並行した資金の援助、そして出資者・市場・ビジネスパートナーと出会い起業に必要なコミュニティを築き上げるためのサポートが大切だと考えています。女性起業家は特に資金調達やネットワーキングの機会が限られてしまいがちなため、起業家コミュニティの形成がより重要となります。

【Change Fusion チーム写真】

Haidy:ジェンダーに関係ない共通の問題は多いものの、女性起業家特有の悩みも確かにあります。ビジネスの知識や経験が足りないのではと感じ、競合する男性起業家に比べ自信に欠けてしまう女性起業家が多いので、マーケティング、ファイナンス、オンラインツールの知識を強化する支援を提供しています。

Angeli:支援組織の90%が女性起業家もしくは創設メンバーに女性がいる組織なので、子育てしながらでも参加できる時間帯にミーティングを実施したり、数日に凝縮したトレーニングプログラムを企画するよう配慮しています。また、出資者も女性中心であることが大切です。女性起業家が男性ばかりのオーディエンスに向けてピッチする場合、月経カップなど背景課題について理解してもらうまでに時間がかかります。女性起業家が女性出資者に向けてプレゼンを行う方が遥かに効率的なのです。
 

- Community of Practice (COP)* に参加したきっかけとどのようなインパクトを感じているか教えてください。

*GLIAツールキットに基づくトレーニングを受ける起業家支援組織のコミュニティ

【インパクト指標が加わった「GLIAツールキット2.0」】

Angeli:makesenseは支援組織だけでなくスタッフもほとんどが女性という組織ですが、GLIAツールキットを使ってみるとジェンダーについての課題に気がつきました。プログラムと組織運営にすぐに活用できる多くの知見があり、ジェンダーについての取り組みを公表できるようになっただけでなく、組織として常に改善し続け、見落としがちなジェンダーに関する「無意識バイアス」をチェックするための指標が得られたことが大きいです。
 
Haidy:これまで女性起業家の支援は行ってきたものの、ジェンダーについて言語化できていませんでした。GLIAツールキットでは女性起業家のニーズについて新しい視点が得られたり、インパクト評価のために実際にデータを見直すことで取り組むべき課題が可視化されるなど発見が多く、ジェンダー視点を取り入れるためのスタートラインに立てたのではと思っています。
 
Ralph:女性主体のプログラムを増やしていきたいと考えているのですが、Impact Hubとしてもジェンダーに関する知識を向上する必要があると感じていたので、GLIAツールキットが起業家支援組織のガバナンスからジェンダー視点を取り入れるためのガイドラインを提供していることが素晴らしいと感じました。すでに多くの場面で活用していますが、特にインパクト評価では、組織が持つ課題を数値を用いることで可視化できるので、とても実践的です。
 

- 他のCOPメンバーから刺激を受けたこと、またCOPメンバーとしての自分たちの役割について教えてください。

【COPミーティングの様子】

Haidy:COPには様々な規模の組織が参画していて、自分たちと異なる課題や別のステージで活用できるツール等について多くを学びました。
Change Fusion プログラムコーディネーターのTheethuch Klomsuwanさん:これから国全体でタイのジェンダー視点を強化していく中で、Change Fusionも大きなムーブメントを動かす原動力のひとつとなれると嬉しいです。
 
Ralph:志を共にする他のCOPメンバーと出会えたことに勇気づけられました。Impact Hubの役割はカタリスト、つまり「インパクトを創り出す触媒」だと思っているので、今後もGLIAを活用し自分たちの組織運営をアップデートし続けていくことでジェンダー視点実装者の輪を支援組織へも広げることができるのではと考えています。
 
Angeli:COPを通じてジェンダー視点の強化にともに取り組んだフィリピンの二つの組織Villgroとxchangeは、新しく「Impact Pioneer Network」というジェンダー視点を重視した出資者ネットワーク組織を創設し、既に2人の女性起業家へ支援を繋げたのには感激しました。makesenseとしても起業エコシステムのジェンダー視点強化を実現できるよう、GLIAから学んだノウハウを支援組織にも広めていきたいです。

編集後記

包摂的な組織運営には、実践的な指標と共に良い事例から学びインスピレーションを与え合うコミュニティが重要だ。Makesense、Impact Hub、Change Fusionのような女性起業家を支援する組織がGLIAツールキットを活用することで、支援を受ける起業家にとってのジェンダー視点実装への道しるべとなっていく様子が伺えた。起業家支援組織をお手本に、起業家自身が組織運営や事業にジェンダー視点を取り入れる日も近いのではないだろうか。
 
※GLIAツールキットは下記オンラインサイトにて英語、ミャンマー語、タガログ語(フィリピン)、クメール語(カンボジア)に対応し公開されている。https://gliatoolkit.com/
(一般社団法人Earth Company共同代表/濱川 知宏)
一般社団法人Earth Companyは「次の世代に残せる未来」を創出すべく、インドネシアのバリ島を拠点に、社会変革を起こす「人」と「団体」を支援・育成しています。社会と自然が共鳴しながら発展する「リジェネラティブなあり方*」を追求するために、事業を展開しています。

*社会の発展が相乗効果をもって地球上全ての命のウェルビーイングを向上するあり方
・詳しくはウェブサイト: https://www.earthcompany.info/ja/

ジェンダーイノベーション事業グループ エコシステム強化(お知らせ)
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