笹川平和財団が『戦史叢書:インパール作戦』抜粋版の英文書籍を発行しました。
2025.03.10
5分
笹川平和財団(SPF)は、英文書籍『The Battles of Imphal and Kohima: Japanese Operations in Northeast India』(戦史叢書)を発刊しました。
SPFの第1グループ(戦略対話・交流促進担当)による「インパール平和資料館支援」事業の一環で制作された本書は、1968年に防衛庁防衛研修所戦史研究室(当時)から出版された、インパール作戦に関する日本側の公式記録である『戦史叢書:インパール作戦』の抜粋版を英訳したものです。第二次世界大戦のインパール作戦に関する既存の英語資料の大半はイギリスと連合国の視点や経験が中心となっており、世界のインパール作戦にかかる資料において、日本の視点が十分に反映されていないのが現状です。こうした背景から、SPFは防衛大学校国際関係学科の等松春夫教授をはじめとする日本の学者や専門家と協力し、インパール及びコヒマの戦いにおけるインド北東部の日本の軍事行動に焦点を当てた本書を制作しました。
「インパール平和資料館」は、第二次世界大戦の激戦地だったインド北東部マニプール州インパールで2019年6月に設立されました。同資料館は、日本財団が建物などのハード面を、笹川平和財団が展示コンセプトの技術指導や現地関係者の人材育成を中心とするソフト面を支援し、「平和と和解」を主要テーマに、歴史を後世に伝えるものとして現地の民間団体「マニプール観光協会」が運営しています。同資料館では、インパールの戦いにおける地元コミュニティの経験を記録するとともに、1940年代から現代までのマニプール州の豊かな文化の多様性を称えるために、丁寧にキュレーションされた展示物を備えています。今回の戦史叢書英訳プロジェクトは、このインパール平和資料館事業から展開されたものです。
SPFの第1グループ(戦略対話・交流促進担当)による「インパール平和資料館支援」事業の一環で制作された本書は、1968年に防衛庁防衛研修所戦史研究室(当時)から出版された、インパール作戦に関する日本側の公式記録である『戦史叢書:インパール作戦』の抜粋版を英訳したものです。第二次世界大戦のインパール作戦に関する既存の英語資料の大半はイギリスと連合国の視点や経験が中心となっており、世界のインパール作戦にかかる資料において、日本の視点が十分に反映されていないのが現状です。こうした背景から、SPFは防衛大学校国際関係学科の等松春夫教授をはじめとする日本の学者や専門家と協力し、インパール及びコヒマの戦いにおけるインド北東部の日本の軍事行動に焦点を当てた本書を制作しました。
「インパール平和資料館」は、第二次世界大戦の激戦地だったインド北東部マニプール州インパールで2019年6月に設立されました。同資料館は、日本財団が建物などのハード面を、笹川平和財団が展示コンセプトの技術指導や現地関係者の人材育成を中心とするソフト面を支援し、「平和と和解」を主要テーマに、歴史を後世に伝えるものとして現地の民間団体「マニプール観光協会」が運営しています。同資料館では、インパールの戦いにおける地元コミュニティの経験を記録するとともに、1940年代から現代までのマニプール州の豊かな文化の多様性を称えるために、丁寧にキュレーションされた展示物を備えています。今回の戦史叢書英訳プロジェクトは、このインパール平和資料館事業から展開されたものです。
防衛大学校の等松春夫教授に聞く、本書の出版の意義
本書の監修・編集は、防衛大学校の等松春夫教授に務めていただきました。等松教授はその意義について、「インパールとコヒマの戦いについての英語書籍は、基本的には連合国側、主にイギリス側から書かれたものであり、日本側の史料や日本人の証言に言及しているものは少ない」現状があると指摘します。
また同教授はこの翻訳プロジェクトを進めるなかで、「重要な資料へのアクセスという点では、大きな格差があることが分かった。世界中の多くの人々が英語の資料にアクセスできる一方、日本語を読むことができ、日本のメディアや学術界においてインパールとコヒマの戦いについてどのような情報があるかを把握できる人はごくわずか」だということに気づかされ、「そのため、このような重要な日本語の資料に日本人以外の読者や研究者がアクセスできるようにする努力をしなければならない」と指摘します。
更に、インパールとコヒマの戦いに焦点を当てた原書は、出版が古い(1968年)こともあり、その後半世紀の研究の進展を英語圏の読者に理解してもらう必要性があるため、本英訳版では、日本の研究者たちによる論文を含む充実した序論を設け、単なる原典の翻訳を超えて、戦史叢書の叙述に対する批判的な視点も提供したと明かしました。
また同教授はこの翻訳プロジェクトを進めるなかで、「重要な資料へのアクセスという点では、大きな格差があることが分かった。世界中の多くの人々が英語の資料にアクセスできる一方、日本語を読むことができ、日本のメディアや学術界においてインパールとコヒマの戦いについてどのような情報があるかを把握できる人はごくわずか」だということに気づかされ、「そのため、このような重要な日本語の資料に日本人以外の読者や研究者がアクセスできるようにする努力をしなければならない」と指摘します。
更に、インパールとコヒマの戦いに焦点を当てた原書は、出版が古い(1968年)こともあり、その後半世紀の研究の進展を英語圏の読者に理解してもらう必要性があるため、本英訳版では、日本の研究者たちによる論文を含む充実した序論を設け、単なる原典の翻訳を超えて、戦史叢書の叙述に対する批判的な視点も提供したと明かしました。
本書に興味を持たれた方のために
本書の一般販売はしておりませんが、本書の公益性に鑑み、下記のとおりPDF版を無料公開いたします。紙媒体での閲覧を希望される方は、国立国会図書館をご利用ください。
PDF版はこちら:The Battles of Imphal and Kohima: Japanese Operations in Northeast India
PDF版はこちら:The Battles of Imphal and Kohima: Japanese Operations in Northeast India