日本の新型コロナ対応:政府の対策の前提にあるもの

本多倫彬

  1. 2021/08/30
はじめに
 思い返せば、日本で初めて新型コロナが脅威として受け止められたのは2020年2月、ダイヤモンド・プリンセス号での新型コロナの蔓延と、その受け入れを巡る騒動だろう。1年半が経過する2021年8月時点で、第4回目の緊急事態宣言が発出された。宣言下、新規陽性者の数、亡くなった方の情報やエピソード、そしてひっ迫する現場(医療機関や保健所など)の姿が日々、報道され続けることとなった。
 これらを受けて政府は一体なにをしてきたのかという声が市井には溢れている。実際のところ日本政府は何をしてきたのだろうか。つまり日本政府の新型コロナ対応とはどういうものだったのだろうか。日本政府の新型コロナ対策について、内閣官房に置かれた新型インフルエンザ等対策有識者会議の下に設置された基本的対処方針等諮問委員会が、(令和2)年3月27日に開催された第一回会合で、以下のとおり示している。
 
「新型コロナウイルス感染症の対処に関する全般的な方針」1
  • ・情報提供・共有及びまん延防止策により、各地域においてクラスター等の封じ込め及び接触機会の低減を図り、感染拡大の速度を抑制する。
  • ・サーベイランス・情報収集及び適切な医療の提供により、高齢者等を守り、重症者及び死亡者の発生を最小限に食い止めるべく万全を尽くす。
  • ・的確なまん延防止策及び経済・雇用対策により、社会・経済機能への影響を最小限にとどめる。
  • ・なお、対策は、感染者の増加に伴い不可逆的に進むものではなく、例えば、地域で感染者が確認された早期の段階で、クラスター等の封じ込め及び接触機会の低減が奏功し、当該地域での感染者の発生が抑制された場合には、強化した対策を適宜適切に元に戻す。
 
 以下、この対処方針がどういう形の対策となるのかをみていく。結論を先取りして述べておきたい。タイトルに記した日本の新型コロナ対策の前提には、一定数の犠牲者、端的には死者の発生を、パンデミックの続くと想定される数年間にわたり許容し続けるというものがある。そのこと自体をどう評価するかはともかく、政府がなぜそのようなアプローチを妥当と判断したのか、また実際にその結果をどう考えてきたのか、その一端を検討してみたい。最初に、よく知られる「日本モデル」から検討を始める。
 

日本の新型コロナ対応を「日本モデル」から振り返る
 2020年5月、第1回目の緊急事態宣言(4月27日-5月27日)解除に当たり、安倍晋三総理(当時)は記者会見を開いた2。会見では、他国と比して短期間に、また強制措置を採らずに解除基準に至ったと述べたうえで、新型コロナ対策の「『日本モデル』の力を示した」と総括して、解除後の次のステージに向けた取り組みに言及した。
 安倍首相の誇ったこの「日本モデル」とは厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策専門家会議によって、同年4月1日に発表された「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言3」が示した「市民の行動変容とクラスターの早期発見・早期対応に力点を置いた日本の取組(「日本モデル」)」を指すと考えられる。同分析・提言では、2020年4月に実施された最初の緊急事態宣言発令以前から採用している日本の戦略を、以下のとおり示している。「日本では、社会・経済機能への影響を最小限としながら、感染拡大防止の効果を最大限にするため、『①クラスター(患者集団)の早期発見・早期対応』、『②患者の早期診断・重症者への集中治療の充実と医療提供体制の確保』、『③市民の行動変容』という3本柱の基本戦略に取り組んできた。(同提言、9ページ)」
 さらに、とくに政府中枢で指揮をとった人々を含む関係者に対して膨大なインタビューを経て10月25日に公刊された「新型コロナ対応民間臨時調査会」による報告書(以後、API報告書と記載)4は、この「日本モデル」の検証それ自体を中核に据えて包括的な検討を行ったことで知られる。同報告は結論として、「日本モデル」による取り組みが一定の成果を出したことを言及しつつ、それが偶然の結果によるものに過ぎないと断じ、感染再流行が確実ななかで「論理と戦略を欠き、モデルとさえ言えない日本モデル」と、強い表現で批判した。API報告書は「日本モデル」を、「法的な強制力を伴う行動制限措置を採らず、クラスター対策による個別奨励追跡と罰則を伴わない自粛要請と休業要請を中心とした行動変容策の組み合わせにより、感染拡大の抑止と経済ダメージ限定の両立を目指した日本政府のアプローチ」と定義している。この定義にたってAPI報告書では、「それがどのような疫学的所見をもって行われたのか(26ページ)」、また「それがどのような結果をもたらしたのか(26ページ)」を問うたのである。
 だがAPI報告書の示した定義では、「日本モデル」の採用した手段が「クラスター対策による個別奨励追跡」と、「罰則を伴わない自粛要請と休業要請を中心とした行動変容策」に限定されている。この定義では、前述注3の分析・提言の第2の点、すなわち「患者の早期診断・重症者への集中治療の充実と医療提供体制の確保」が欠落していることが理解されよう。また、「感染拡大防止の効果を最大限にするため」という前提が抜け落ちていることも指摘できる。それは冒頭に言及した「新型コロナウイルス感染症の対処に関する全般的な方針」でも2,3番目に掲げられている。この二つに着目して日本の対策を再検討する作業は、日本の新型コロナ対応の実相と、その後の国民の(または世論の)政府に対する批判や失望とを考えるうえで一つのカギを提供する。以下、順番に見ていきたい。

(1)患者の早期診断・重症者への集中治療の充実と医療提供体制の確保
 第一に患者の早期診断・重症者への集中治療の充実と医療提供体制差の確保である。これについて、内閣官房に2020年7月に設置された新型コロナウイルス感染症対策分科会が、同年8月に「社会経済と感染対策の両立のための目標と基本戦略:政府への提案(以下、分科会基本戦略)」として提出した文書をみていきたい。分科会基本戦略の目標には、「十分に制御可能なレベルに感染を抑制し、死亡者・重症者数を最少化する、感染レベルをなるべく早期に減少に転じさせる」が示された。この時に示されたのが以下の感染対策の4つのステージ区分である。なお、同提案は同時に、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室長名で、対策にさいして活かすことを都道府県知事に対して求めている5
 
ステージⅠ:感染者の散発的発生及び医療提供体制に特段の支障がない段階
ステージⅡ:感染者の漸増及び医療提供体制への負荷が蓄積する段階
ステージⅢ:感染者の急増及び医療提供体制における大きな支障の発生を避けるための対応が必要な段階
ステージⅣ:爆発的な感染拡大及び深刻な医療提供体制の機能不全を避けるための対応が必要な段階
 
 いずれのステージにおいても、感染者の発生状況に言及している。他方、国民の行動変容の状況(接触率の程度や外出状況)はもとより、感染に伴う死者数や、のちに一部で話題となる後遺症の状況なども指標に含まれていない。分科会も、またそれを踏まえた日本政府も、各ステージを見極める焦点は、感染の拡がり状況とそれに伴って負荷の増す医療提供体制の状況である。この事実は、より一般的な表現でいえば、医療崩壊を避けることに日本政府の対応基準の主眼が置かれていることを読み取ることができよう。
 また分科会基本戦略は、「医療・公衆衛生・経済が両立しうる範囲で、①十分に制御可能なレベルに感染を抑制し、死亡者・重症者数を最少化。②迅速に対応し、感染レベルをなるべく早期に減少へと転じさせる」ことを目標とした。ここに改めて明確にされた日本の新型コロナ対応の目標には、一定の範囲内での流行の継続を前提が置かれている。新型コロナであれ何であれ感染症はときに死をもたらすことは指摘するまでもない。この目標は必然的に、犠牲(死者)の発生を許容するものとなる。「最小化」されるべき死者数の目安は、公的なものではない。しかし政府新型インフルエンザ等対策有識者会議のメンバー等を務める押谷仁は、当初は100名、最初の緊急事態宣言下では全体で1,000名を目標とするものだったことに言及している6
 日本の新型コロナ対応の根幹にあったのは、犠牲者の最小化を図りつつも一定の犠牲が生じることを許容した上で、医療体制と社会経済活動とをともに機能させ続けるという政府の選択であった。日本政府は新型コロナの完全な収束(新規感染者数が一定期間以上ゼロになる状況)を当初から目指していない7。日本政府の方針は、医療崩壊を避けて新型コロナ起因の死者の発生を「十分に」抑制できているのかどうかに焦点がある。そのためには、第一に医療機関の受け入れ体制を強化し、第二に入院者数を抑制し、そのうえで第三に感染者は治療可能な段階で入院することができることが必要となる。それができているかどうか、つまり医療崩壊が起こらず、十分な治療が提供できているかどうかが政府の主眼にある。
 医療崩壊が迫るとき、緊急事態宣言などの措置により感染拡大を抑えようと試みる。宣言が効果を失えばより強力な措置、たとえばロックダウンなどによる強制的に感染を抑える措置が視野に入ることにもなる。ただし2021年8月20日、全国知事会がロックダウンを政府に求める提言8を出したが、政府は否定的である。いずれにしてもここで最も重要な点は、政府の方針には、治療の甲斐なく感染によって亡くなるなど、新型コロナによる一定の犠牲者が数年間にわたり発生し続けることが織り込まれてきたということだ。

(2)感染拡大・防止効果を最大限にする
 つぎに第二の点、感染拡大・防止効果を最大限にするとはどういうことかを考えたい。これを考える大前提として、少なくともインド由来変異ウイルス(通称デルタ株)が発生する以前に流行した2020年中の新型コロナ、とくに2020年前半時点では、感染者の多くが無症状(不顕性感染)であり、また感染者の8割は誰にもうつさず、逆に1割の人間が8人から12人にうつすクラスターを発生させることが、2月末までに把握されていたことがある910。このため、多くの他者に感染を拡げる1割の人間の特性と、さらにそうしたクラスターの発生条件はいかなるものかが探られた。
 ここで明らかにされたのが、クラスターの環境条件、「換気が悪く」、「人が密に集まって過ごすような空間」、「不特定多数の人が接触するおそれが高い場所」という共通点、のちによく知られることになる「三密(密閉・密集・密接)」だった。常識的に考えれば、ひとたび三密条件下にあった人は、再び三密環境下にある蓋然性は高い。職場などが三密環境であれば当然であるし、第一の感染場所とは異なる別の場所で、同じような三密環境下に入る行動をとることが予想される。のちにやり玉に挙げられることになる居酒屋や接待を伴う飲食店の常連客などがわかりやすい例だろう。すなわち集団感染の場にいた濃厚接触者は、別の三密条件下に滞在する可能性が高いことが想定される。このため、クラスターの場所を特定し、濃厚接触者を割り出していくことで、感染の拡大を防ぐことで、医療崩壊も避けられると考えられた。前出の押谷は、この対策を「森を見る11」アプローチと名付けた。
 最初の緊急事態宣言のさいに「人との接触8割削減」が謳われた。その直接の目的は、もちろん感染拡大の抑制にある。だがより重要なのは、その具体的な水準にある。それは、クラスター対策が可能な範囲まで感染を抑えることだった。すなわち誰がどこで感染したのかをクラスター対策によって追えなくなるレベルの市中の蔓延状況を無くすことにあった。この方策について押谷は、2020年3月27日に開催された第1回「基本的対処方針等諮問委員会」12において、以下の通り述べている。
 夜の街を中心とするクラスターは全く見えていません。場所を特定するかなり有力な情報も我々はつかんでいますけれども、高級クラブ、さらにホストクラブがいっぱいあるようなところ、クラブと言われるようなものがいっぱいあるようなところ、そういうところで起きているクラスターは、我々は全く見つけられていません。これは継続して増えてくるだろうと思います。
 そういう状況の中で医療が破綻していく。もうそうなると、首都圏でこれ以上、クリティカル、重篤な人たちを救えなくなります。このことが、恐らく2~3週間以内に起きてきます。
~中略~
 入国者はきちんと14日間自宅待機にすることができれば、我々の制御下に置けます。家庭内での感染は最大限防いでいく必要がありますが、家庭内感染が起きてもそれが流行につながる可能性は低いです。それはクルーズ船の下船者、チャーター便の帰国者のデータが如実に示しています。あそこから何も起きていません。あそこからつながった流行は一つもありません。
 
 ここからクラスター対策についての専門家の考えが理解されよう。クラスター対策は、一人ひとりの感染有無にではなく、大規模化しそうな感染源、言い換えれば他者に感染を拡げている1割の特定に焦点を当てて潰していくことで、感染拡大を抑えて、それによって医療崩壊を抑えるアプローチでる。押谷が夜の街に言及するようにクラスター対策は、クラスターの環境条件やそこに集う人の特性もあぶりだすものとなる。
 後段でみるように、より分かりやすく効率のよい発信を目指すのであれば、集団感染の発生する3密環境に加えて、集団感染を発生させている人の属性をより明確に発信することも有効だっただろう。実際に対策委員会では、接待を伴う飲食店やコールセンターなど、クラスターが発生した業種・業態に加えて、そこで感染した人々の属性なども議論にはなっている。しかし、差別や感染者への攻撃を助長する懸念から、そうした発信については、政府はその後も一貫して抑制的である。実際にダイヤモンド・プリンセス号乗船客や医療従事者らに対する偏見、差別や排除が発生して問題視されたことは記憶に新しい。そもそも人類にとって感染症対策の歴史は差別との戦いの歴史でもある。こうしたなか、新型コロナウイルス感染症対策分科会の下には2020年9月より、「偏見・差別とプライバシーに関するワーキンググループ」が設置され、議論をまとめた文書も公開している13

(3)浸透しない日本モデルの考え方
 ここまで整理したように、実際の日本モデルとは、一定の犠牲者の発生を許容する前提で、医療崩壊を避けつつ社会経済へのダメージを最小限に抑えようとする戦略だった。しかし人びとの感情面では、2020年5月の第1回緊急事態宣言が明けて以降現在まで、いつまでも収束の見えない感染に対する苛立ち、飽き、あるいは恐れなどが蔓延し、「収束の見えない新型コロナ」に対する政府の対応に、強い非難が寄せられる結果となった。しかし完全な収束、ゼロ・コロナは想定されてこなかった。尾身茂・新型コロナ感染症対策分科会会長は当初から、この感染症は数年かかるということを指摘してきた14。日本モデルの下で国民一人ひとりには、感染が数年間継続する中で、死者も発生し続けることを前提にしつつ感染を拡大する行動を避け続けること、押谷の言を借りればスマートな生活に移行することが求められてきた15
 しかし実際のところ、そもそもこの戦略自体が国民一般に広く理解されているとはいいがたい。一例をあげれば2020年時点から、PCR検査の拡充を呼びかける主張が様々な場で繰り返し行われきた。個人レベルでいえば自身の感染有無を確認したいという欲求が検査の拡充要求に対する背景にあると思われるものの、社会政策として主張されたときに、その目標はどのように想定されているのだろうか。そうした主張の代表的なものとして、2020年6月18日に有識者らによってまとめられた「積極的感染防止戦略による経済社会活動の正常化に向けた緊急提言16」をみてみたい。のちに政府分科会に経済の専門家として入ることになる小林慶一郎が中心となって取りまとめたこの「積極的感染防止戦略提言」の根幹には、感染者を早期に発見、隔離することによって人々に安心感を与え、経済活動を可能とする狙いが記されている。このために求められたのが、「感染者の早期発見・隔離」であり、その前提として必要になるのがPCR検査の拡充だった。具体的にこの提言では一日当たり20万件の検査実施を求め、従来の政府の対応については「全体的に少なすぎ、遅すぎる」17ことを指摘した。
 小林はのちに、検査拡充の社会経済的な意味での公共性として、「情報の不完全性」を是正する機能を指摘している18。市中に新型コロナがない状態を、検査の徹底によって示すことには、新型コロナを恐れて経済活動を満足に行えなくなっている人々にとって安心材料となろう。言い換えればそれは、検査と隔離の徹底によって人々が安心できるようにすることの意味を強調するものだった。検査によって安心な状況を提供することができれば社会経済活動を平常時に近づけることができる、同提言には、その認識が強く込められているといってよい19。感染者を特定して隔離することで、いったん社会経済活動から切り離したうえでそれ以外の人々が通常の社会経済活動に戻ることができるようにするというアプローチは、経済学的には妥当なものといえよう。
 他方で感染症対策の専門家が主張し続けたのは、新型コロナの完全な抑え込みや隔離は不可能というものだった。しかしその前提は、PCR検査拡大を主張する人々には共有されることはなかった。こうしたなか、世論の強い批判を受けて政府は、本来の日本モデルからすれば必要ではないPCR検査の大幅な拡大に舵を切ることとなる。

(4)経済の専門家と感染症の専門家のすれ違い
 「感染を制御しようと必死に次の対策を打ち出してきました。経済が心配になるのはわかっていましたが、経済的被害のシミュレーションをするんだったら、別の人がやってくれないといけないわけです。20
 これは、「8割おじさん」の名で知られる西浦博がその著書で述べた言葉である。周知のとおり西浦は、新型コロナ・パンデミックに当たり日本国内での疫学調査を担い、また日本政府や東京都に予測を提供して新型コロナ対策の舵取りの一端を担ってきた。その西浦が、新型コロナ分科会に参加した経済の専門家に対して抱く感想は興味深いものとなっている。
 感染症および対策の専門家は、クラスターの発生した場所をはじめ、要所要所に様々な規制をかけることによる感染の拡大防止を目指した。それは感染の連鎖を断ち切ることで拡大を防ぎ、医療崩壊を抑えるために必要な作業だった。しかしその中で、感染拡大防止に必要と考える措置がどれほどの経済的ダメージを与えることになるかについての疑問や懸念が生じる。こうして経済の専門家の参加が求められることになった21
 ここで彼ら感染症専門家が期待した経済の専門家とは、単純化していえば感染症の専門家らが検討している感染症対策のための措置に対し、経済面での影響を計算し、必要な保障を考える専門性だっただろう。感染症対策とその経済への影響とのすり合わせで、実施すべき合理的対策を計算していくことが期待されたのだった。しかし実際に分科会に参加した経済の専門家は、新型コロナ対策全体をどのようにすることが日本経済全体からみて良いのかを考える視点をもって、マクロ経済を扱う専門家として議論に加わった。そこで提出されたのは「陽性者を社会経済活動からいったん切り離す」施策であり、その前提として必要となるPCR検査の拡充要請だった。おそらくは経済学的には合理的と思われるが、本来の日本モデルとは目指すものが全く異なる対策を提言するメンバーが分科会に加わったことは、日本の取り組みについての人々の理解の混乱に拍車をかける結果となったといえよう。のちに西浦は「国が専門家をうまく使い切れていない可能性22」に言及し、流行対策による経済活動へのインパクトを定量化できる専門家を期待していたことを率直に述べる。実際のところ分科会メンバーの経済の専門家は、本来の日本モデルを前提にした時、相応しい専門性を持ち合わせていなかったのである。


「一定の犠牲を許容する」日本政府の対応の結果を検討する(足立区の事例から)
 ここまで日本モデルについて整理をしてきた。繰り返しになるがそれは、一定の感染とそれに伴う犠牲、端的には死者の発生を許容し続けることを前提に、医療崩壊を防ぎながら社会経済活動を継続しようとする取り組みだった。この日本政府の対応について、それに対する個人的感情はともかくとして、まずそういう取り組みだったことを認識したうえで、それではなぜそれが可能かつ妥当なものと判断されてきたのかを考えてみたい。
 なお、そもそもそうしたアプローチを政府が採ったことの妥当性や効率性、さらには国民とのコミュニケーションや、倫理的側面も含めた政策決定のあり方など、多岐にわたる検証が必要となることは指摘しておきたい。それは膨大な側面からの検証の必要性を意味している。しかし著者自身は、このアプローチがどの程度、感染症対策として妥当であったのかを考える専門性をもたず、紙幅も限られている。したがってここでは、このアプローチが前提に置く「犠牲」に焦点をあてつつ、それがどういうものだったのかを検討してみたい。

(1)東京都足立区のデータから見るコロナ対応の結果
 以下、東京都足立区の公開データをもとに、その一端を考える23。本来であれば、日本全体を対象にすべきだが、作業量の膨大さに加えて、陽性者の属性や発生後の経緯など、情報の制約が存在する。そこで、そうした情報をある程度まとめて提供している自治体として、本稿では足立区を選定した。足立区は感染者の情報等がある程度活用可能な形で揃えられて公表されていることに加えて、何よりも一人ひとりの検査陽性者について、年齢層、症状、経過(回復か死亡か)、さらにクラスター事例か否かまでも含めて一貫した情報公開を行っている。これら技術的側面に加えて、同区の地域特性も指摘しておきたい。指摘するまでもなく足立区の所在する東京都は、単純な感染者数でみたとき、日本国内で最大の新型コロナ感染スポットである。足立区に限ってみても、2020年12月までに2,000人、翌年3月までに6,000人を超える陽性者を補足しており、また様々な場でクラスターも複数回発生している。
 足立区が、他の東京都22特別区と比較したときにもつ特性も、検討対象として相応しいと思われる。足立区は東京都の北方、埼玉県と隣接する地域に位置し、足立区自身が区の特性として「(区内居住者が)下町人情に厚い」と評するように、一般に下町として知られるエリアである24。2020年1月公表の住民基本台帳データ25に基づけば、住民の高齢化率では、僅差ではあるが23区トップである。新型コロナのハイリスク層とされる65歳以上の老齢人口数でも、世田谷区に次いで23区中第2位にある。
 また足立区は、生活保護受給世帯数が18,913世帯、同人口は24,685人であり、いずれも23区内でトップである26。パンデミックに対して貧困層が富裕層に比べて脆弱であることは従来から指摘されてきた27。制約された生活により、そもそもの健康状態が悪化していることもあろう。また、リモートワークが不可能な労働状況、パンデミック下でも必要不可欠なサービス業などのいわゆるエッセンシャルワーカーとして働いていて感染の可能性が高いこともあるかもしれない。また、一般に人口密度が高めの地区で生活しており、感染症が蔓延しやすい地域特性もあろう。貧困がパンデミックに対して脆弱性を高めると推定される要因は複数存在しており、一般化は難しい。しかし、いずれにしても貧困状況が、人のパンデミックに対する耐性を弱める要因であることはほぼ確実とされてきた。
 以上を踏まえて新型コロナ禍における足立区の特性を他の22区と比して整理すれば、それは、一般に新型コロナの重症化リスクの高いとされる高齢者が多く、パンデミックに対して脆弱であるとされる貧困層も多いという特性を持っていることが指摘できる。なお足立区は、一般に対策を難しくするとされる外国人比率も多いことを付記しておきたい。すなわち日本における感染の中核地域である東京都において、足立区は他の22区と比べて新型コロナに脆弱と考えられることを指摘できるだろう。実際に新型コロナの発生を受けて全国的に生活保護申請者数が増加したなか、足立区では2020年3月の生活保護申請者が219人となった。前月比で34%増と、全国でもトップレベルの増加を直ちに示すものだった28
 それではその足立区で、新型コロナの感染状況や死者数は、どのような推移を示したのだろうか。ここでは、2021年3月21日の第2回緊急事態宣言解除あたりまでに区切って、整理してみたい。2021年3月末ごろまでに足立区で確認された陽性者の全数は凡そ6,000人だった。このうち無症状者1,321人を含むすべての陽性者に対して、死亡者の総数は115人である29。なお、前年2020年12月4日時点で確認された感染者の総数は2,101人、死亡者は33人だった。感染者に占める死亡者の割合は2021年3月末までで凡そ2%弱である。次に、亡くなったことが公表されている115人の方々を含めて、致死率は年代別属性でどのようになっているのかを整理してみたい。

表1:東京都足立区における新型コロナ陽性の死者数(2021年3月末まで)

100代

90代

80代

70代

60代

50代

40代

30代

20代

10代

総計

死者数

1

23

43

27

15

4

2

0

0

0

115

陽性者数

5

123

375

490

500

912

999

871

1171

406

5852

致死率

0.200

0.187

0.115

0.055

0.030

0.004

0.002

0.000

0.000

0.000

0.020

 115名の死亡者に占める70代以上の高齢者は94名で、約82%である。また年代別の致死率をみてみると、70代で5%、80代では11%をそれぞれ超えており、90代では18%に達している。新型コロナとは無関係だった2018年の日本の死亡者数データ30は以下である。

表2: 日本の死亡者数データ(10万人当たり死亡者数・小数点以下切り捨て)

100代
以上

95-99歳 90-94歳 85-89歳 80-84歳 75-79歳 70-74歳 65-69歳 60-64歳 55-59歳 50-54歳
死者数

41,049

24,877

14,043

7,893

4,223

2,321

1,397

927

576

362

236

死亡率

0.41

0.24

0.14

0.07

0.04

0.02

0.01

0.00.9

0.00.5

0.00.3

0.002

 人口10万人あたり死亡率は、年齢層が上がれば上がるほど上昇する。これは直観的にも理解されよう。50-54歳で亡くなるのは人口10万人当たり236人(0.2%)であり、100歳以上では41,049人(41%)と、実に4割が亡くなっている。もとより限定された範囲のデータの結果であり、統計的処理も行っていないままだが、表1の足立区の新型コロナによる死亡者のデータと照らし合わせると以下が指摘できよう。足立区では60代、70代、80代では、通常時の死亡率を、新型コロナの致死率が上回った。逆に50代以下の年齢層および90代・100代(陽性者128名)では、新型コロナによる致死率は通常時の死亡率を下回った。一般に高齢者であるほどに新型コロナで死亡するリスクが高いと考えている私たちにとり、90代以上の結果は奇妙な結果だろう。この謎を解くには、個々の感染者の状況を詳細に見る必要が生じるものの、そこまでのデータは公開されていない。

(2)東京都足立区の公表情報からみる感染拡大防止効果を最大限にするクラスター対策
 つぎに、足立区で行われたクラスター対策の実相を見てみたい。足立区は、区の保有する施設、教育、保育、福祉施設等で5名以上の感染者が短期間に発生した場合を集団感染(クラスター)とし、判明した個々のクラスター事案については、陽性者の個人情報をとり除いたうえで事業所名等を含めて公表を続けている 。また、ここまでにみてきた陽性者の一覧では「集団感染関連」との記載が行われ、当該陽性者が把握されたクラスターと紐づけられている。以下、それらクラスターのうち、死者が発生した事案について、日付順で概況を列挙する31

表3:足立区で発生した死者の発生を伴うクラスターの概況

区の公表日 場所・業態 感染者数・死者数 当該施設による公開情報等
7月11日付 デイサービス(通所介護)事業所

感染者32名
1名死亡(90代)

運営会社プレスリリース 32

※区の公表する感染者数とは1名のずれがある。
8月23日付 病院病棟

感染者11名
2名死亡(80代以上)

病院プレスリリース 33

8月24日付 介護老人保健施設

感染者22名
3名死亡(80代以上)

病院プレスリリース 34

10月9日付 病院外来病棟/入院病棟(認知症病棟、その他精神科病棟)

感染者45名
1名死亡(90代)

病院プレスリリース 35

外来病棟/入院病棟(認知症病棟、その他精神科病棟)
12月10日付 病院病棟

感染者43名
1名死亡(50代)

病院プレスリリース 36

12月18日付 介護老人保健施設

感染者38名
2名死亡(80代)

病院プレスリリース 37

12月1日付 デイサービスセンター

感染者14名
1名死亡(90代)

12月9日付 病院病棟

感染者41名
8名死亡(80/70代各2名、60代4名)

病院プレスリリース 38

 これら死者の発生を伴ったクラスター発生場所は、そのすべてが高齢者向け施設である。なお、その他施設で発生したクラスターでは、死亡者はゼロである。既に常識ともなっているが、一般に高齢者であるほど新型コロナのリスクは高い。したがって高齢者施設などを守る必要性が指摘しされてきた。他方で足立区における高齢者施設クラスター事案からは、何らかの病気による入院患者や要介護の高齢者などハイリスクなケースでも、その多くは回復していることが指摘できるだろう。
 ところで足立区はなぜ、クラスター情報や陽性者の症状や事後経過などの情報を積極的に公開したのだろうか。足立区は、2020年4月1日に、「新型コロナウイルス感染症の患者発生の公表に関する基本方針39」を公表した。それまで都内の感染情報については、東京都がまとめて公表を行っていた。しかし足立区は、都内全体で新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない状況を鑑みて、区内での発生状況等をより区民にわかりやすい形で伝達する独自の判断を踏まえて、より詳細な情報の公表に踏み切った。同区が指定した公表の目的は以下のとおりだった。
(1)区民に区内の感染症の発生状況を可能な範囲で正確に伝える
(2)正確な情報を共有したうえで、区民一人ひとりの冷静な判断と適切な行動を促す
(3)区と区民が一丸となって感染拡大防止の取り組みを促進する
 
 この基本方針のもとで同年7月には、さらに踏み込んだ対応を足立区は行った。11日に通所介護(デイサービス)事業所でのクラスター発生を事業所の実名で公表したのち同月20日には、クラスター事案として2件の「接待を伴う飲食店」の店名を公表し、同クラスターで発生した陽性者の概要の公表に踏み切ったのである40。フィリピンパブ・クラスター、昼カラ(昼カラオケ)・クラスターとして全国的に知られるようになった事案の情報公開であった。
 この判断について、同区保健所長はパブで陽性者らに接触した客の特定が困難だったことを公表の理由として指摘している41。20日に公表された陽性者情報はほぼすべて従業員に限られ、来店客の追跡が困難となっていることがうかがえる42。関連して、2021年3月までに足立区では陽性判定後の行動追跡が不可能となったと思われる陽性者が全体の5%程度存在している43。足立区の取り組みは、クラスター発生情報を区が発信することで、アプローチできない濃厚接触者に注意喚起を行い、当人が体調不良等を感じる場合に検査を受けるなどの対応を呼びかけるものだった。またこれについては賛否が分かれると言わざるを得ないが、店名および発生した場所や業態を公表することで、再びそうした場へ人が集まることを防止しようとする狙いもあるだろう。同じ事業所/店舗への再訪はもとより、類似する場所への人の移動を抑制するものだったといってよい。
 クラスターの追跡により感染拡大を抑えていくことで「感染拡大・防止効果を最大限にする」日本の取り組みの一端が、足立区の事例から観察できよう。それに則って進められた足立区の事例からは、世代によっては平常時の死亡率より新型コロナ罹患による致死率が高い結果が現れた。感染をゼロにしないことによって亡くなった犠牲者をどう捉えるのかについては、簡単には判断できない困難な問題がある。他方で、分科会専門家らの期待したとおり、一定の犠牲を許容しつつクラスター対策による感染の蔓延を避けるアプローチは、劇的な死者の増加や医療崩壊には至らず、たしかに概ね機能したことを指摘できよう。もとより私たちは公表されたデータからしか情報を得ることはできない。しかし政府には全国のデータが集められており、足立区の公表するデータ以上に全国の状況を把握していたことは、議事録からも断片的にうかがえる44

(3)「日本モデル」の再考
 私たちの多くが、新型コロナに対する恐怖を初めて抱いたであろう第1波(概ね第1回の緊急事態宣言解除まで)のさいには、新型コロナの致死率は、全年齢で6.5-7.9%、70歳未満で約1.3%、70歳以上では25.5%に上った。これは検査を絞っていたことから陽性者が十分に補足されていなかった段階でのデータであることを踏まえる必要はあるが、全体でも20人に1人以上、高齢者に限れば実に4人に1人が亡くなるほどの感染症だった。様々な分野の著名人がこの間、新型コロナによって命を落とすことになったことも、恐怖を助長する結果となった。
 第2波以降の致死率は、全年齢で0.8-1.1%、70歳未満で約0.2%、70歳以上では8.1%まで低下している。もとより第一波からの劇的な致死率低下の要因を断定することは困難ではある。ただしおそらくは一つに治療法の確立があろう。第1波後の2020年5月7日に、日本政府は重症化以前の患者に有効とされる抗ウイルス薬レムデシビルに特例承認を行い、初の新型コロナ治療薬としての使用を認めた45。また、気管挿管が必要な重症患者に有効とされた免疫調整薬・抑制薬のデキサメタゾンは、2020年7月17日に第二の新型コロナ治療薬として認められている。これらに代表される治療薬とその使用を前提にした治療の標準化によって、仮に重症化した場合にも回復する可能性が上昇したことによるものと考えられる。
 こうしたなか、2020年8月28日付で厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組46」を示した。そこでは、「これまで得られた新たな知見等を踏まえれば、ハイリスクの『場』やリスクの態様に応じたメリハリの効いた対策を講じることによって、重症者や死亡者をできる限り抑制しつつ、社会経済活動を継続することが可能」という日本モデルの前提に改めて立ち、「重症化するリスクが高い高齢者や基礎疾患がある者への感染防止を徹底するとともに、医療資源を重症者に重点化。また、季節性インフルエンザの流行期に備え、検査体制、医療提供体制を確保・拡充」するというものだった。
 新型コロナによる致死率は、たとえば高齢層では平常時の死亡率を上回った。日本政府はとくにこうしたハイリスク層の犠牲を一定程度許容しつつ、医療体制が機能するように注視しながら社会経済活動を継続させようとしてきた、ということになる。
ただし後遺症の問題など、そもそも日本モデルがその対象としていないものについては検討していない。さらに重要な点は、日本モデルが掲げてきた医療体制の充実施策がいかなるものだったのかの検討も本稿では行っていない。その後の2021年月以降の経過を踏まえてもこの点が重要であることを言及しておきたい。本稿で指摘できるのは単に、日本モデルが目指した目標それ自体は概ね達成されてきたし、おそらく決定した日本政府関係者もまたそう考えている、ということである。またそれが可能となったのは、足立区のデータでみたように、症状の有無や陽性者の回復・死亡状況、そしてクラスターの発生を把握しつづける地道な努力に基づき得られたデータから、ハイリスク層の一定の犠牲を許容すれば、社会経済を回す道がありうるという証拠が再生産されていたことによるものと思われる。これらの実相については、今後の検証課題としたい。

おわりに
 2021年1月8日の緊急事態宣言の再発令(首都圏1都3県に対し発令)に至るまでの日本の対応は、各国との比較でも概ね上位にランクされてきたことで知られている。たとえばBloombergが公表している「COVIDレジリエンスランキング47」では、日本は、「経済や社会に最も痛手が少ない形でコロナに最も効果的に対応している国」として、初めて発表された2020年11月時点でニュージーランドに続く第2位とされた。
 繰り返しになるが、本来の日本モデルとは、リスクゼロを目指さ(せ)ず、明示しないが「一定数、感染による犠牲が出てしまうことはやむを得ない」という点を前提にした方法である。政府の発表では、それはたとえば「ハイリスクの『場』やリスクの態様に応じたメリハリの効いた対策を講じることによって、重症者や死亡者をできる限り抑制しつつ、社会経済活動を継続することが可能48」といった表現となる。それはある意味では切り捨てられることになるハイリスク層が特定されたことに依っている。日本政府は、足立区の事例でみてきたように感染者の状況を踏まえて、新型コロナにハイリスクな人々の実相を把握したうえで、「ハイリスク層の犠牲を数年にわたり一定数許容し続けることを前提に、クラスター対策と、同対策を可能とするための人と人との接触の低減で新型コロナに対応する」という判断を行ってきたということになる。
 人命第一の観点から、そのことを批判することは可能であるし、それは一面においては正しいものでもある。実際に批判に晒されることを恐れるためか、日本政府は国民に対して日本が取り組んできた方策について、丁寧な説明をしていない。
本稿では深入りは避けたが、政府の説明の欠如が、日本モデルに対する理解が定着しない要因の一つにあることは疑いない。もっとも、「社会全体を鑑みたときゼロ・リスク政策をとることは正しくなく、結果として新型コロナに対してハイリスクな層に一定の犠牲が発生してしまうことはやむを得ない」と、明言することの政治的ハードルの大きさは容易に想像がつくものでもある。人道的な観点からも、また国民の支持を得る必要性を踏まえても、民主国家においては「死者の発生を許容した政策を掲げる」ことの政治的コストは極めて大きい。予想される反発や批判を鑑みても、政治家が明確に説明することは今後も期待できないだろう。
 他方で、そのことをどう評価するはとかもかく、少なくとも日本モデルは、感染が継続し、それに伴う一定の犠牲が発生することも許容したうえで、クラスターを特定し、随時対策を図ることによって新型コロナ・ウイルスパンデミックの続く数年間を乗り切ろうとするアプローチが採用されてきた。この日本モデルの基礎を認識した上で、それではそれを機能させるために必要となるクラスター対策を行うための施策、端的には感染者の拡大を抑え、クラスター追跡を行う能力の拡充などがどのようになされてきたのか、また何よりもその主眼にあった医療崩壊を防ぐ措置とその結果はどうだったのかなど政策評価が、日本の新型コロナ対策を検討し、また数年間は続く新型コロナに向き合う上での課題となろう。


1 内閣官房「基本的対処方針等諮問委員会第一回(資料2) 新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(案)」、5ページ、https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/shimon1.pdf
2 「新型コロナウイルス感染症に関する安倍内閣総理大臣記者会見」首相官邸、2020年5月25日、https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2020/0525kaiken.html

3 厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策専門家会議「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言(2020 年4月1日)」、11ページ、https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000617992.pdf
4 一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ編『新型コロナ対応・民間臨時調査会 調査・検証報告書』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020年10月。
5 内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室長「今後の感染状況の変化に対応した対策の実施に関する指標及び目安について(事務連絡)」(2020年8月7日)
6 押谷仁「感染症対策『森を見る』思考を―何が日本と欧米を分けたのか」『外交』Vol.61、2020年5月、7頁。
7 やや蛇足的なものだが、総理は、地震やテロが発生したとき、「人命第一」という言葉を多用する。一方で、新型コロナ対応について「人命第一」と言及することはない。
8 全国知事会「全国的な爆発的感染拡大を突破するための緊急提言」2021年8月20日http://www.nga.gr.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/2/02%20030820_corona_teigen.pdf
9 西浦博、川端裕人『理論疫学者・西浦博の挑戦―新型コロナから命を守れ!』中央公論新社、2020年、71ページ
10 後に有名となるクラスター対策班が、「新型コロナクラスター対策専門家」名義でSNSをつうじて国民への直接発信を始めたことで知られるようになった。例えば以下を参照。https://twitter.com/ClusterJapan/status/1248884086581514242/photo/1
11 押谷「感染症対策『森を見る』思考を」2020年5月。
12 同委員会議事録、12-13ページ。https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/shimon1_2.pdf
13 内閣官房「偏見・差別とプライバシーに関する ワーキンググループ これまでの議論のとりまとめ」2020年11月、https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/henkensabetsu_houkokusyo.pdf
14 「コロナ終息まで2~3年 対策分科会の尾身氏」JIJI.com、2021年3月5日、https://www.jiji.com/jc/article?k=2021030501039&g=pol
15 「経済産業省産業構造審議会 第3回成長戦略部会 議事録」2020年5月1日、https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/seicho_senryaku/pdf/003_gijiroku.pdf
16 「【知事・有識者による緊急提言】積極的感染防止戦略による経済社会活動の正常化を」東京財団ウェブサイト、2020年6月18日、https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=3456
17 「新型コロナ:『検査と隔離』の安心感が経済回す、Go To『逆効果』-政府分科会の小林慶一郎氏に聞く」nippon.com、2020年8月17日、https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00609/
18 「【新春特別企画:展望2021】コロナ危機 検査政策の展望」東京財団ウェブサイト、2021年1月7日、https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=3648
19 同提言は、「積極的感染防止戦略を緊急事態宣言が解除された今こそ、国民一人一人が暮らしの土台となる「安心感」をもてるようにし、経済・社会活動の回復と両立する「積極的な感染防止戦略」を明確に提示することが求められている。」という認識を示した。
20 西浦『新型コロナから命を守れ!』2020年、218頁。
21 西浦に限らず、前述の押谷らもその必要性に言及している。たとえば以下8頁を参照。経済産業省産業構造審議会「第3回成長戦略部会 議事録」2020年5月1日https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/seicho_senryaku/pdf/003_gijiroku.pdf
22 西浦『新型コロナから命を守れ!』2020年、268-269ページ。
23 足立区は、感染発生状況についての情報を体系的・詳細に公表している自治体の1つである。https://www.city.adachi.tokyo.jp/pickup/stopcovid19.html
24 「足立区に住んでいる方は下町人情に厚く、自分たちの地域のことは自分たちで築いていこう、という気概を持った方が多いです。」https://www.city.adachi.tokyo.jp/jinji/ku/kuse/j-m-donnatokoro.html
25 「住民基本台帳による東京都の世帯と人口(町丁別・年齢別)」東京都ウェブサイト、https://www.toukei.metro.tokyo.lg.jp/juukiy/2020/jy20000001.htm
26 住民に占める生活保護受給者の比率は、約3.6%となっている。
27 Allan Dizioli and Roberto Pinheiro, “Information and Inequality in the Time of a Pandemic”, IMF Working Paper, International Monetary Fund(IMF), June 2020. https://www.imf.org/en/Publications/WP/Issues/2020/09/11/Information-and-Inequality-in-the-Time-of-a-Pandemic-49711
28 「生活保護申請増加、札幌市・足立区3割増 新型コロナで失業、収入激減」毎日新聞、2020年4月22日、https://mainichi.jp/articles/20200422/k00/00m/040/172000c
29 うち77名に発熱があり、29名には何らかの肺炎や呼吸器の異常があり、咳は23名で確認された(複数の症状が認められるケースも多い)。また亡くなった方の27名が無症状であった。なお、同区の提供するデータでは、全体の約5%(329人)は事後の追跡調査が不可能で、陽性後の経過(回復ないし死亡)について不明となっている。
30 「平成30年(2018)人口動態統計月報年計(概数)の概況」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai18/dl/gaikyou30.pdf
31 足立区は、区内で発生したクラスターの情報について、2021年2月以降、以下ウェブサイトで公開している。「区内における集団感染(クラスター)の発生状況(2021年2月4日公開)」足立区ウェブサイト、https://www.city.adachi.tokyo.jp/juyo/covid19_clusterlist.html
32 「新型コロナウイルス感染者に関するお知らせ(最終報)(2020年8月23日)」ユニマットリタイアメントコミュニティウェブサイト、https://corp.unimat-rc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/08/20200823_01.pdf
33 「病院内における新型コロナウイルス感染症患者発生に関するお知らせ(2020年8月23日)」社会医療法人社団慈生会ウェブサイト、http://www.jiseikai-phcc.jp/wp-content/themes/timeless/pdf/tojun/new/covid19_20200823.pdf#zoom=100
34 「新型コロナウイルス感染症「終息」のご報告(第12報)(2020年9月24日)」社会医療法人社団昭愛会水野介護老人保健施設ウェブサイト、https://mizuno.or.jp/roken/news/新型コロナウイルス感染症「終息」のご報告%e3%80%80(/
35「当院での新型コロナウイルス感染症クラスターに係るご報告:通常業務再開のお知らせ(第7報)(2020年11月13日)」、財団法人社団大和会大内病院ウェブサイト、https://oouchihp.net/news/id_3567
36 「新型コロナウィルスに関する終息のご報告(2021年1月12日)」、医療法人財団厚生協会東京足立病院ウェブサイト、http://tokyoadachi-med.jp/information/20210112-240/
37 「当法人施設における新型コロナウィルス感染者発生のご報告(2020年12月17日)」医療法人社団福寿会ウェブサイトhttps://www.fukujukaigr.or.jp/news7622
38 「新型コロナウイルス感染症クラスターの終息宣言(2021年1月27日)」博慈会記念総合病院ウェブサイト、http://www.hakujikai.or.jp/pdf/whatsnew/pdf20210127.pdf
39 足立区新型コロナウイルス対策本部「新型コロナウイルス感染症の患者発生の公表に関する基本方針」、2020年4月1日、https://www.city.adachi.tokyo.jp/documents/48954/0717kaitei_kouhyoukihonhousin.pdf
40「ばらつく店名公表 踏み切った足立区『5人以上感染で』」朝日新聞デジタル、2020年7月22日。https://www.asahi.com/articles/ASN7P6S47N7PUTIL01H.html
41 同上。
42 「【第14報】区内の接待を伴う飲食店(いわゆる「フィリピンパブ」)における新型コロナウイルス感染症による集団感染の発生について(詳細)(2020年7月20日公開、同8月5日更新)」足立区ウェブサイト、https://www.city.adachi.tokyo.jp/hodo/juyo/0720juyo.html
43 詳細は不明だが、情報提供に協力的ではない場合や、区外からの訪問者で追跡困難となっている場合の存在が、先に参照したデータからはうかがえる。また2021年2月4日以降、足立区は公開する陽性者情報を区内居住者(区内に住所を保有する者)に限定した。
44 本稿でも引用した政府委員会の議事録では、各委員らの発言に含まれる個別具体的な事業所や業態、自治体や感染者などの情報が隠されており、各委員が詳細な情報を得ていたことがうかがえる。以下から議事録を参照。https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/yusikisyakaigi.html
45 なお、同月1日に米国FDAが緊急承認を行ったことを受けての対応である。
46 新型コロナウイルス対策本部「新型コロナウイルスに関する今後の取り組み(2020年8月28日)」、https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000664805.pdf
47 Bloomberg, The Covid Resilience Ranking -The Best and Worst Places to Be as Global Vaccinations Take Off-, Published 25 March 2021. https://www.bloomberg.com/graphics/covid-resilience-ranking/
48 新型コロナウイルス対策本部「新型コロナウイルスに関する今後の取り組み(2020年8月28日)」

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