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第1グループ(戦略対話・交流促進担当)

【報告】オックスフォード大学グローバル・地域研究学院(OSGA)での現代中東研究

谷 憲一 オックスフォード・SPF・早稲田国際フェロー第4期生

第1グループ(戦略対話・交流促進担当)


2025.04.09
10分
 笹川平和財団 第1グループ(戦略対話・交流促進担当)では、2014年より3期にわたって実施した「国際社会との中東協働研究促進」事業として、社会科学分野(政治、経済、外交、社会等)の中東研究者を国際的かつ学際的に育成することを目的に、オックスフォード大学、早稲田大学との共同でフェローシッププログラムを実施してきました。

 本プログラムでは、当財団およびオックスフォード大学でそれぞれ選抜されたフェローシップ受給者計2名が約2年間、オックスフォード大学グローバル・地域研究学院(OSGA)教員の指導下で研究活動および中東地域における現地調査を行いました。

 本記事では、2025年1月に2年間のフェローシップを終了した4期生である谷憲一氏の報告を掲載します。

イラン研究を深めるとともに国際学術交流も果たす

セントアントニーズ・カレッジの中庭

 私は、オックスフォード・SPF・早稲田国際フェローシップの日本側フェローとして、2023年2月から2025年1月まで、オックスフォード大学グローバル・地域研究学院(OSGA)の客員研究員として研究活動に従事して参りました。オックスフォードでは、英国側フェローのアチナプラ氏とともに、セントアントニーズ・カレッジの敷地内にある中東センター長のユージーン・ローガン教授の下で、それぞれの研究を発展させるとともに、共同で国際研究ワークショップを開催しました。2023/24年度にはカレッジ・アドバイザーの仕事も務めました。
 

素晴らしい研究環境

OSGA一階の共同オフィス

 個人研究としては主に、博士後期課程時代から続けてきた現代イランにおける、シーア派のホセイン追悼儀礼をめぐる研究を発展させました。日本での書籍の出版の他、英国の他トルコやルーマニアで研究発表をする機会もありました。

 本プログラムの主要な特徴でもある海外フィールドワークについて、オックスフォード大学の渡航安全基準の観点からイランへの調査滞在はかなわなかったのですが、その代わり、アゼルバイジャン共和国に滞在する機会を得ました。また幸運にも、大学で開講されていたアゼルバジャン語の授業も受講することもできました。アゼルバイジャンは、イランと同じくシーア派が多数を占め、チュルク語系の言語が国語ですが、これはイラン北東部で話されている言語と極めて近いです。そのため文化的に共通する部分も多いですが、ソ連時代にロシアの影響も大きく受けています。今回の滞在では、バクーを拠点としながら地方都市にも足を延ばし、歴史施設や宗教施設のみならず庶民の生活を垣間見ようと心掛けました。今後、進めていくイランとアゼルバイジャンの比較研究のための準備期間にもなりました。

晴れた日のポート・メドウ

 オックスフォードに話を戻すと、フィールドワーク以外の研究を進めていく中で、オフィスや図書館といった研究に必要なインフラには大きく助けられました。OSGAの建物内にある共用オフィスをはじめ、豊富な蔵書のみならず、オンラインでも多くの資料が利用可能な図書館を利用できたのは貴重でした。

 オックスフォードは昔ながらの石造りの建物が並ぶ、小さな美しい都市で、10分も歩けば牧草地があります。研究に疲れたときは、街歩きをしたり自然の中を歩いたりすることでよい気分転換をすることができました。

知的刺激に満ちた日常

会場に入りきらないほどの聴衆が来た、インゴルドのセミナー

 個人研究以外でも、オックスフォード大学の知的環境は研究生活において大きな刺激になりました。オックスフォード大学はそれぞれ2ヵ月のセメスターからなる三学期制なのですが、各学期には、各学科やセンターでセミナーが毎週開催されています。そこでは大学内外の研究者や著名人が講演を行い、質疑応答の時間が設けられています。私は、中東センターの他、ニザーミー・ギャンジャヴィーセンター、日産日本問題研究所、人類学科のセミナーに参加しました。そこで研究者のみならず、多くの学生が参加し活発に質問している姿は、理想の学びの共同体を体現しているように思いました。

クライストチャーチ・カレッジのハイテーブル

 また、オックスフォード大学の各カレッジでは、時折ドレスコードのあるフォーマル・ディナーが開かれます。中でも所属教員とその招待者から組織されるハイテーブル・ディナーは、社交の場でもあります。まずシニア・コモンルームで、供される飲み物を手にして歓談します。その後ドラムの音がなると、他よりも高いところにある長テーブル(これが「ハイ」テーブルと呼ばれる理由ですが、セントアントニーズ・カレッジでは他と同じ高さです)の席に着きます。そして食前には座長がラテン語で祈りを唱え、食事と歓談が始まります。

 この時、知り合いだけではなく、席が近くなった分野の異なる研究者やその家族・友人らと交流することもありました。このような社交の場でうまく会話を続けるためには、まさに教養が必要だと痛感させられる体験でした。ハイテーブルのような一見古めかしくもある制度を伝統的に維持しているところに、研究者が視野搾取にならないようにするための英国の知恵があるように思います。

共同研究プログラムの成果として国際研究ワークショップを開催

ワークショップで閉会の辞を述べる谷氏

 2024年11月には、英国側のフェローであるアチナプラ氏と共に、笹川平和財団ならびにOSGA、セントアントニーズ・カレッジの中東センター共催で国際研究ワークショップ「Aesthetics, rituals, and narratives in Islamic mobilization」を企画・運営しました。

 まず、開催の一年ほど前から、パレスチナ地域を専門とするアチナプラ氏とイランを専門とする私とで相談の上、重なりあうテーマとして「イスラーム的動員」を選びました。そして参加者の公募から、会場・宿泊先の手配、研究会の進行、懇親会の実施までを協力して進めました。このワークショップでは英国やヨーロッパの他、アメリカや日本も含む計14名の研究者・大学院生が集まり、研究発表・意見交換を行いました。
 

イランでのつながりがオックスフォードでも活きた

 渡航前には、イラン研究や人類学を続けるのに英国に行く意味があるのかと考えたこともありましたが、結果として極めて有意義な滞在になり、今となっては大変満足しています。それには上で述べてきた研究活動以外に中東研究者や人類学者の他、日本人の研究者や学生、イラン人の学生など、さまざまな人と知り合えたことがあります。

 また、オックスフォードに来て新たに知り合ったのももちろんなのですが、この2年間で以前イランに滞在していた時に知り合った多くの友人と再会することができたのは予期していなかったことでした。テヘランの語学学校時代やテヘラン大学時代の友人が英国やヨーロッパに住んでいて彼らのところを訪れたり、あるいは彼らがたまたまオックスフォードを訪れたりすることで再会を果たせました。中にはオックスフォードに住んでいる人もおり、彼らには大きく助けられもしました。

 今後は、オックスフォード滞在で築いてきた人間関係も大事にしながら、自身の研究にまい進していきたいと考えています。
                                                                                                    以上
谷 憲一(たに・けんいち)
国立民族学博物館/日本学術振興会特別研究員(PD)
2021年、一橋大学大学院社会学研究科単位取得退学。博士(社会学)。専門は文化人類学およびイラン地域研究。オックスフォード大学グローバル・地域研究学院(OSGA)客員研究員を経て現職。主著に『服従と反抗のアーシューラー』(法政大学出版局、2023年)、編著に『嗜好品から見える社会』(共編著、春風社、2022年)。
 当財団は、今後も日本人中東研究者の育成や国際的な知的プラットフォームの発展に貢献していきます。

第1グループ(戦略対話・交流促進担当) 中東地域
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