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第1グループ(戦略対話・交流促進担当)

作品展と対話イベント「Echoed Tranquility~芸術を通じた平和の希求と静かな共鳴~」をバンコクで共催
戦争の悲劇を伝え平和な社会を目指す

気鋭のアーティストと広島被爆者の作品をジム・トンプソン・アート・センターに展示

コミュニケーション企画部広報課 髙橋恵美奈(ソフィア)


2024.08.22
笹川平和財団(SPF)アジア・イスラム事業グループは、タイで活動しているスリン・ピッスワン財団と共同で「Echoed Tranquility~芸術を通じた平和の希求と静かな共鳴~」をバンコクで開催。広島の被爆者をはじめとするアーティストたちが、過去の紛争をモチーフに、戦争が及ぼす影響と戦後の復興に対する思いを表現した作品が一堂に会しました。
 
2023年12月6日~20日にバンコクのジム・トンプソン・アート・センターで開催された作品展では、広島の被爆者であり七宝壁画作家の田中稔子氏による絵画、タイ人の造形作家であるプラチャヤ・ピントン氏の新シリーズ、そしてベトナム系アメリカ人でメディア作家のディン・Q・レ氏による3Dアニメーション・ビデオが展示されました。また、広島平和記念資料館からお借りしたドローイングや絵画も展示されました。同館も、在タイ日本大使館と共にこのイベントを支援しました。
広島の被爆者であり七宝壁画作家の田中稔子氏

広島の被爆者であり七宝壁画作家の田中稔子氏

会期中にはアーティストと一般市民との対話イベントも行われ、戦争が人々の暮らしに与える影響について関心を高め、武力や暴力によらない平和な社会の希求への共感を醸成する一助となりました。
 
このイベントは、SPFアジア・イスラム事業グループが主体となって、日本とアジア諸国が共通の課題に取り組むための調査、連携を支援する「対話と共振」事業の一環として開催されたものです。田中稔子氏を招き、自らの被爆体験や平和論者としての思いを反映したユニークな七宝作品をご紹介いただきました。同氏は著名なアーティストであり、世界各地で平和活動や平和教育に精力的に取り組んでいます。ピースボートに乗船して海外の学校で被爆体験の証言活動を行うなど、地球規模の問題に対する人々の認識を高め、「核兵器のない世界」を提唱してきました。
被爆者による絵画

被爆者による絵画

被爆者の体験談を聞いた日本の高校生によるイラスト

被爆者の体験談を聞いた日本の高校生によるイラスト

展示された田中稔子の作品                                                                                写真左から「ミレニアムギフト」「いのちの木」「ヒロシマの樹」

展示された田中稔子の作品                                                                                写真左から「ミレニアムギフト」「いのちの木」「ヒロシマの樹」

田中氏はバンコク滞在中のインタビューで、国際社会に自らの被爆体験を伝えようと思ったきっかけを振り返り、自身の作品は被爆体験や核兵器廃絶への願いを表現しているだけではなく、命の尊さも強調していると述べました。「私の作品の多くは、原爆を経験したことからきていますが、同時に、地球温暖化や二酸化炭素の上昇など人類の終末のことも考えて、それが無意識のうちに私の作品に出てきます。生命を絶滅させかねない災害を考えると、なんとかして関心を高めたいと思わずにはいられません。だからこそ、自分の体験を世界中で語っているのです」
 
作品展の来場者に、自身の作品から直接的なメッセージを受け取ってほしいと、田中氏は願っています。「被爆者である私は、人類がこの地球上で核兵器とともに生きていくことは不可能だと考えています。展示した作品は30~40年前に作ったものですが、今も思いが変わっていないことを伝えたい。戦争の生々しい現場を、もう振り向きたくない」

世界的なアーティスト2人が表現する紛争への思い

ディン・Q・レ氏による3Dアニメーション・ビデオ「南シナ海ピシュクン」

ディン・Q・レ氏による3Dアニメーション・ビデオ「南シナ海ピシュクン」

田中氏と共に、アーティストのプラチャヤ・ピントン氏とディン・Q・レ氏も、紛争後の平和を希求するメッセージを中核にした作品を出展しました。ディン・Q・レ氏は、南シナ海へ次々に墜落する軍用ヘリコプターのアニメーションを実際の海の波の映像とミックスした、ビジュアルイメージを展示。「南シナ海ピシュクン」と題したこの映像は、ベトナム戦争中に米軍機が南ベトナムから人々を避難させたサイゴン陥落を描いた作品です。この作品に映る海は穏やかで平和に見えますが、落ちるヘリコプターが混乱を生み出します。これにより、作品展のタイトル「Echoed Tranquility(響く平穏)」に込められた二重の意味が浮かび上がります。エントランスの真正面に設置されたスクリーンに投影されているため、展示会場に入った観客が最初に目にする作品となります。
 
「運命の器官」と題したプラチャヤ・ピントン氏の新シリーズでは、ラオスで見つかった軍需品から鉛と錫(すず)を再鋳造し、手足の切断者が経験する幻肢(げんし)症候群の治療法(ミラーセラピー)に使われる鏡を模しています。ピントン氏は展示作品の最終調整のために来場した際、土壇場でインスタレーションに修正を加え、田中氏の絵画を入れて日本からタイに運んだ木箱に鏡を立てかけることにしました。木箱に書かれた「FRAGILE(壊れ物)」という言葉を通じて、紛争後の痛みや静けさに向き合いながら、前に進もうともがき続ける人々の様子を表現しています。
「運命の器官」(プラチャヤ・ピントン氏)

「運命の器官」(プラチャヤ・ピントン氏)

ピントン氏は田中氏の絵画を入れて運んだ木箱に自らの作品を立てかけた。

ピントン氏は田中氏の絵画を入れて運んだ木箱に自らの作品を立てかけた

田中稔子氏とプラチャヤ・ピントン氏が対話イベントで平和について意見交換

12月7日には田中氏とピントン氏による対話イベントが開催され、2人のアーティストがそれぞれの体験や作品に込めた思いを語りました。田中氏は自らの広島での被爆体験を紹介し、ロシアのウクライナ侵攻やハマスとイスラエルの戦闘といった最近の紛争を例に挙げながら、大量破壊兵器が存在する限り、平和な社会は実現できないと力説しました。

また田中氏は、世界各地での平和活動や戦争体験者との交流を通して、アートには紛争を経験した人々にポジティブな影響を与える力があることを観察し、平和教育の優れたツールになることを肌で感じた経験から、「アートには人々の心を癒し、勇気を与える力がある」と語りました。アジアで交流を深め、友情を育んだことがきっかけとなり、語り部として恒久的な平和を目指す活動を続けるようになったとも述べました。
 
ピントン氏は、カナダの活動家ステファン・サムナー氏から着想を得たと語りました。サムナー氏は東南アジアで手足を失った人たちに鏡を配り、自らの幻肢痛を和らげたミラーセラピーを教えています。今回のプロジェクトのために、ピントン氏はラオスのナピア村に協力を仰ぎました。ナピア村は、ベトナム戦争で残された不発弾の素材を再利用して家を建てたり、生活用品として使ったりしている多くの村の一つです。
対話イベントで会場からの質問に答えるタイ人造形作家のプラチャヤ・ピントン氏と田中氏(写真左から)

対話イベントで会場からの質問に答えるタイ人造形作家のプラチャヤ・ピントン氏と田中氏(写真左から)

ピントン氏は、自らの作品と、作品と紛争との関係についても言及しました。「現場にいるとイメージが広がり、どうすればすべてのピースをつなげられるだろうかと考えます」と語り、世界中で多くの人々が直面している紛争について声を上げる場を設けることが重要だと続けました。また、各アーティストのユニークな視点から生まれた作品を紹介する今回の作品展に満足しているとも述べました。
 
2人のアーティストの言葉は観客の心に残り、トラウマを克服して精緻なアート作品に昇華させた田中氏の能力に感銘を受けたという声も挙がりました。「田中氏の作品を鑑賞した後に対話イベントでご本人の話を聞いて、アーティストには世代を超えたメッセージを発信するすごい力があると感じました。明るい姿勢も他の人にはないものです」と、イベントに参加した学生の一人が語りました。さまざまなアート作品が共鳴する様子を目の当たりにしたタイの女性は、アーティスト同士の相乗効果に触れて今後もコラボレーションが必要だとコメントしました。

広島の進化の振り返りと未来の世代への希望

「Echoed Tranquility~芸術を通じた平和の希求と静かな共鳴~」展の一環として、田中氏とSPFアジア・イスラム事業グループの伊藤幸代研究員が12月8日にシラパコーン大学を訪問。「Bombed and Reborn - Personal Stories on Hiroshima's Transformation(原爆と再生―ヒロシマの進化を語る)」と題したセミナーを開催しました。
笹川平和財団の伊藤幸代研究員

笹川平和財団の伊藤幸代研究員

広島出身の伊藤研究員は、広島の復興の歴史や社会インフラの再生についてプレゼンテーションを行いました。原爆投下後に平和への祈りを込めて建てられた広島の象徴的な建築物を例に挙げながら、被爆者や市民が声を上げなければ復興は実現できなかったと説明しました。「私は原爆投下の38年後に広島で生まれました。しかし、今回広島の復興の歴史を振り返る機会をいただき、このような建物の設計に携わったアーティストと広島市民が一丸となって街の再建に取り組んだことを、あらためて実感しました」と述べて、プレゼンテーションを締めくくりました。
 
田中氏は、広島での被爆体験を語った後、平和な社会を実現し、紛争を未然に防ぐためには、相互の信頼関係を築くことが重要だと強調し、会場に集まった学生たちに「これからも世界中で友人をつくってください」と呼びかけました。また、セミナーに先立ち、より良い未来への期待を込めて若者たちにこう訴えかけました。
「紛争は続いているし、私たち人類は進歩していないですが、私はまだ希望をもっています。まだ何とかなるかもしれない。核兵器廃絶に向けて、若い人たちが支援し、参加している様子を見ると、涙が出るほど本当に嬉しい。若者には、変化を呼び起こすエネルギーがあります」
「今後も新しい作品を作り続けて、次世代が一丸となって平和で持続可能な社会を目指してもらいたい」と述べる田中氏

「今後も新しい作品を作り続けて、次世代が一丸となって平和で持続可能な社会を目指してもらいたい」と述べる田中氏


関連資料
  • 本記事の英語版はこちら
  • 田中稔子氏のインタビュー記事はこちら
第1グループ(戦略対話・交流促進担当)
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