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笹川日中友好基金

中国の大学の日本語教師を対象にした訪日研修を実施

23名が第一期生として参加

コミュニケーション企画部広報課 山田環


2023.09.27
修了式にて笹川平和財団関係者と23名の第一期生
 公益財団法人笹川平和財団(SPF 東京都港区、理事長・角南篤)は、2023年7月31日から8月28日、日本語教師研修(第一期)を実施し、中国から日本語教師23名が参加しました。埼玉県の独立行政法人国際交流基金日本語国際センターで、3週間研修が行われた後、SPFの手配による地方研修が実施されました。

 今回の研修に参加した23名は、湖北省、甘粛省、雲南省などの大学で、長年にわたり日本語を教えてきた経験と実績を兼ね備えた先生たちです。
 
 訪日研修に先立って2023年3月に実施したオンライン研修には、中国国内から約330名もの応募があり、その中から選出された約100名が参加しました。参加者は約1カ月間、終業後と週末の時間を充てて、計50時間の講義を受け、課題を提出しました。研修終了後にはオンラインで面接を行い、その中から特に優秀な23名が訪日研修参加者として選抜されました。

実践形式で日本語教授法を学ぶ

開講式の様子

開講式の様子

 8月1日(火)に行われた開講式には、SPF、国際交流基金日本語国際センター、中国教育国際交流協会、中国駐日本国大使館、北京外国語大学の関係者と日本語教師23名が出席しました。

 SPFの安達一常務理事は挨拶の中で、日本で体験した臨場感を自分の生徒に伝えてほしいと述べ、近い将来、彼らの中から日本と中国のきずなを深める役割を担っていく人が出てくることに大きな期待を示しました。同日の夕刻に行われた懇親会では、研修参加者はオンライン研修を通して、お互いがすでに顔見知りであるため、リラックスした表情で親交を深めていました。

 国際センターでの研修目標は、①日本語教授法に関する知識を整理・拡充し、これまでの教授活動を振り返り、新しい教授法を取り入れる方法を検討する ②異文化を理解するための教育方法を検討するために、日本の社会や文化を実際に観察・体験し理解を深める-ことです。3週間にわたり、計67時間の教授法講義、教授法実践、特別講義など様々なカリキュラムと課題提出を通して、教授法を実践的に学んでいきます。講義のほかに、早稲田大学を訪問し、語学を担当する教師らと語学の教授法について議論を交わしました。また、他国から日本に研修にきている日本語教師や、一般の大学生、大学院生らとの異文化交流に参加しました。
 

発音とスピーチに特化した特別講義を体験

 研修中、3名の専門家による特別講義が行われました。その中から、8月16日に行われた笈川幸司NPO法人日本語スピーチ協会理事長による発音・スピーチ指導法の授業について紹介します。

 笈川先生は22年にわたり、中国で発音とスピーチに特化した独自のメソッドを用いて日本語を教えてきました。笈川先生の教え子の多くが日本語スピーチ大会で入賞しています。中国をはじめ世界33カ国で講演活動を行い、現在も主にリモートで日本語教師研修を行っています。

 本講義では、教師らに日本語学習者が話す力を伸ばす過程を体験してもらい、その効果を実感する良い機会になりました。笈川先生は語学学習をサッカーにたとえて次のように説明しました。
 「サッカーの規則をどれだけ教えても、実際にドリブルやシュートの練習をしなければ、生徒が本当に理解したことにはならない」
 授業では、緊張を和らげるため定型文を使ってプレゼンテーションする方法、反復練習やアウトプットの重要性、生徒を均一に褒める効果について実際に体験しながら学んでいきます。真剣な中にも終始笑いが絶えず、笈川先生の話には、人生にも通じるようなヒントが散りばめられていました。

 安徽省合肥学院の鮑徳裕(ほう とくゆう)先生は、北京大学のサマーキャンプで行われた笈川先生の特訓クラスを見学した際、その教授法や学習法にとても興味を持ち、笈川先生から学んだ経験があります。実際にこのメソッドを自分の授業に取り入れているそうですが、中でも生徒を褒めることの効果は絶大だと話しました。
 「普通は悪いところに目が行きがちになりますが、良いところを見つけて褒めると生徒は自信を持ちます。その結果、生徒のモチベーションが上がり、クラスの雰囲気も良くなることを目の当たりにしました。また、生徒同士で教え学びあうことで記憶が定着され、自発的な学習に繋がることを実感しています」
笈川先生による特別講義の様子

笈川先生による特別講義の様子

定型文を使ってプレゼンテーションする鮑先生

定型文を使ってプレゼンテーションする鮑先生

活発な意見交換が行われた成果発表会

 全体研修の最終日8月18日に、成果発表会が行われました。教師らは日本語教授法や日本文化の中から最も関心のあるテーマを選び、この日のために準備をしてきました。それぞれ30分の時間を使ってプレゼンテーションを行った後、日本語講師や他の教師たちからのフィードバックや質問に答えていきます。お互いの発表から感じたことを吸収し、より高めていこうとする姿勢が見られ、いつしか会場には人の輪がいくつもできていました。ここでは、2名の先生の発表テーマについて紹介します。
成果発表に熱心に耳を傾ける先生たち

成果発表に熱心に耳を傾ける先生たち

 80年代のドラマがきっかけで日本語に興味を持った張麗霞(ちょう れいか)先生は、重慶市の四川外国語大学で20年間、日本語を教えています。スピーチサークルの指導教員を6年間担当してきましたが、来年から日本語スピーチの授業を担当するため、発表のテーマを「日本語スピーチの評価法の試み」にしました。張先生は「スピーチ能力の向上には、学生自身、同僚、先生からの評価を効果的に使うことが重要です。点数だけではなく、評価基準を一覧表に示すことによって、学生自身が自分はどこができて、どこを改善するべきかが分かるようになります」と述べました。さらに、言葉だけではなく日本の文化的要素にも関心を持ち、言葉の奥にある意味を考えることが理解する上で重要であると強調しました。

 雲南省の雲南師範大学の陳斌(ちん ひん)先生の発表テーマは、「『相互理解』に基づく中国雲南省における日本語教育の実践について」です。陳先生は、もともと内科医の先生でしたが、富山県に県費研修生として訪れた際、日本の文化や民族に興味をもち、日本語教師になるために一念発起して大学に入り直しました。陳先生は、今後の中国における日本語教育について、AI技術の進歩が脅威になる中、危機感を持つことが重要であるとして、中国の日本語教育の発展には、技術面と精神面の両方が必要だと強調しました。
  「AI技術を日本語科全体にどう活用できるか検討するとともに、精神面においても、なぜ日本語教師になったのか初心を忘れずに、学生に対する熱意や向き合う姿勢が大切になると思っています。自分の教え子には、日本語教育だけにとどまらず、自分の専門分野を持ち、将来歩みたい道を見つけていってほしい」
張先生による発表の様子

張先生による発表の様子

陳先生による発表の様子

陳先生による発表の様子

 その後に行われた修了式では、23名の教員一人一人に修了証書が授与され、記念撮影が行われました。笹川日中友好基金の于展特任グループ長は挨拶の中で、ここでの経験を一つでも多く日本語教育の仲間に共有してほしいと述べ、そのことが事業の発展、ひいては世界の日本語教育の振興につながることに期待を示しました。

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人と人とをつなぐ「人材育成型事業」の魅力

于展特任グループ長

于展特任グループ長

 ――3月のオンライン研修では、中国各地からたくさんの応募があったと聞きました。
 
 于グループ長 コロナ禍において日中間の交流が途絶える中、中国の日本語教師の学習環境を改善する目的でこの事業はスタートしました。当初は特に情報が得にくい西部地域の先生たちに絞って考えていましたが、中国の専門家の意見を参考に、中国の各大学から推薦してもらった結果、3月のオンライン研修では、厳選した優秀な100名の方に参加してもらうことができました。

 ――今回の訪日研修を通して、先生たちの印象はいかがでしたか。
 
 于グループ長 オンライン研修後、訪日研修前の面接に参加しましたが、優秀でリーダーシップを発揮できそうな方が集まったなと思いました。今回の訪日研修には、その中から選び抜かれた特に優秀な23名の先生が参加してくれました。日本語能力はもちろんのこと意欲も高く、非常に情熱的な方が多かったです。十年以上の教授歴を持っていますが、皆さん献身的に協力してくれましたし、熱心に取り組んでくれたことに非常に感謝しています。
 地方研修では、大型バスを一台貸切り、一週間かけて長野県、岐阜県、愛知県をまわってきましたが、お互いに仲間意識を強く持ち、研修を通してその一体感が強くなっていることを感じました。「みんなの力を合わせればいろんなことができる。グループ全員の力で、中国の日本語教育を良くしていこう」と話す彼らの表情は自信に満ちていました。今後、強く結ばれたグループとして彼らが活躍してくれることを期待しています。
早乙女尚研究員

早乙女尚研究員

 早乙女研究員 3月のオンライン研修では、短期間での応募だったにもかかわらず、たくさんの人に申し込んでいただけたことが嬉しい驚きでした。訪日研修の選抜面接にも参加しましたが、日本語能力については非常に優秀で、日本でさらにブラッシュアップしたいという意欲的な方が多かったです。皆さん全力で各プログラムに取り組まれていたので、今回の研修はとても意義のあるものだったと思いますし、日本語教育の基幹になっていく方々のサポートができたことを嬉しく思っています。地方研修では、一体感が生まれ、最後には離れるのを惜しむばかりに感極まって涙する先生もいましたが、日本留学当時に流行った歌を皆で歌うなどして、最後のひと時まで交流を楽しまれていました。
 ――第二期生の研修内容について教えてください。
 
 于グループ長 9月中旬から二期生の募集を開始しましたので、10月中旬にはオンライン研修を開始する予定です。今年度はオンライン研修のほかに、中国の地方都市に講師を派遣し、現地の日本語教師を集めてワークショップをやろうと計画しています。特に情報が届きにくい北西・南西部を中心に進めていますが、その計画を聞いた第一期生の先生たちが、ぜひ自分の大学でワークショップをやろうと強い意欲を示してくれました。
 
 ――この事業の醍醐味を教えてください。
 
 于グループ長 この事業は中国にいる105万人もの日本語学習者を担っていく先生たちを対象にしていますが、全員に平均的に実施するわけにはいきませんので、やはりどこにキーを置くかということが重要になると思っています。今回、中国の専門家の意見を十分に組み入れて、そのキーパーソンをきっちり捉えることができました。我々が提供する授業内容、教育内容の質の高さは誇れるものですし、今回の研修では日中両国の日本語教育のトップクラスが集まりました。オンライン研修の内容だけを取り上げても、第一期生の先生たちが非常に興味を示していて、ぜひまた参加したいと話していましたので、テーマを毎年変えて提供することで、過去の参加者にとっても魅力のある内容にできるのではと考えています。
 
 早乙女研究員 この事業は中国のカウンターパートや国際交流基金日本語国際センターの協力があってこそ成り立つわけですが、これ以上ないくらいの最高のチームができたと思っています。条件的にも質的にも最高の内容を提供できるような体制になっていますし、各機関とも日本語教育のさらなる向上に向けて全力で取り組んでいますので、このムードを逃さないようにますます良い方向へ持っていきたいと考えています。
 この事業の醍醐味は、笹川日中友好基金が従来から目指している人的交流の最も根幹な部分、すなわち密接な関係を結び、人と人との交流をつなぐことだと思っています。その関係性がコロナ禍で一旦途絶えてしまったように見えても、また新しくつながっていけるところに大きな魅力を感じています。

笹川日中友好基金
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