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海洋政策研究所(海洋政策実現部)

海洋の問題を解決するために、次世代を担う若者たちを育てていく
ノルウェー大型帆船で航海、海洋観測などを体験
海洋政策研究所が乗船支援

コミュニケーション企画部広報課 山田環


2022.10.13
11分
スターツロード・レムクル号

横浜ハンマーヘッドに寄港したノルウェーの大型帆船スターツロード・レムクル号

 国連は2021-2030年を持続可能な開発のための「国連海洋科学の10年」と定めています。世界の気候変動や海洋汚染の影響を調査するため、ノルウェーの大型帆船スターツロード・レムクル号は、2021年8月にノルウェーを出発し、19ヵ月かけて世界一周する航海「One Ocean Expedition」を実施中です。9月12日、スターツロード・レムクル号はアジア初の寄港となる横浜ハンマーヘッドに入港しました。
 横浜への航海には、12ヵ国から75名が乗船し、25名のクルー(科学者、気象学者、ジャーナリストなど)と50名の航海訓練生で構成されています。航海中は、海洋酸性化、マイクロプラスチック、海洋生物や気象に関する情報を観測しています。観測結果で得た海に関する新しい知識を世界各国の科学者や若者たちと共有し、問題意識を共有しています。
 この取り組みに賛同した笹川平和財団海洋政策研究所(OPRI)は、2022年4月にパラオで開かれた「私たちの海洋会議」、そして6月にポルトガルで開催された「国連海洋会議」で、阪口秀OPRI所長(財団常務理事)がOne Ocean Expeditionにユースを数名招待し、パラオのコロールから横浜までの乗船を支援することを表明しました。
 100名以上の応募の中から6名を選抜し、OPRI海洋事業企画部・企画調整チームの橋本菜那さんを含めた計7名が、16日間にわたる航海を経験しました。ユースの出身国はパラオ(2名)、フィジー、インドネシア、ポルトガル、ニュージーランドと様々で、男女比もできるだけ50%ずつになるようにしました。18歳から30歳までの、様々なバックグラウンドの学生や社会人が参加しました。
イベント「オープンシップ」

イベント「オープンシップ」にて、阪口所長(左から4人目)、橋本さん(右端)とユースメンバー6名

帆船のロープに掲げられた世界各国の国旗を見上げる来場者

帆船のロープに掲げられた世界各国の国旗を見上げる来場者

 スターツロード・レムクル号は、1914年にドイツで建造され、第一次世界大戦中は航海練習船として使用されました。1920年に戦争賠償の一環としてイギリスに移され、1923年よりノルウェー籍の帆船として稼働しています。帆船の全長は98メートル、総重量は1516トンで、22の帆の総面積はおよそ2000平方メートルに及びます。

 この帆船のデッキ上で13日に行われたノルウェー大使館主催のイベント「オープンシップ」に、OPRI職員やユースメンバーたちが参加しました。当日は日差しが強く、まだ蒸し暑さが残る中、おそろいのスカイブルーのTシャツを着た彼らは、一般の来場者たちに航海中の調査・研究の様子を熱心に説明していました。
航海中の調査・研究について説明するユースメンバーたち

航海中の調査・研究について説明するユースメンバーたち

Tシャツにはユースメンバーの名前がひらがなで書かれている

Tシャツにはユースメンバーの名前がひらがなで書かれている

 ユースのまとめ役として参加した橋本さんは、今回の体験を次のように振り返りました。
 「普段乗船する機会がほとんどない船で、世界中の多国籍な参加者たちとマストに登り、帆を畳んだり、一緒にロープを引くことは、今後もおそらく経験できないことなので、非常に良い経験をさせていただいたと思います。私自身は財団を代表し、仕事として参加していたのに加えて、船にいる3人しかいない日本人のうちの1人でしたので、日本人プラス財団の代表という責任感をもって取り組みました。世界中から参加したユースメンバーをまとめる役割を与えていただけたことはとても貴重な経験であり、その機会をいただけたことは本当に光栄に思っています」
  航海中は、ノルウェーの学生が、海洋観測装置の一つである電気伝導度(塩分)・水温・水深計(CTD)を用いて海洋環境調査を行ったり、国立開発研究法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究者がアルゴフロート(海洋の表層と水深2000メートルまでの水温・塩分を測定する観測機器)を、3か所の地点で投入したり観測を行いました。橋本さんは「どのように海洋観測が行われているかを間近で見ることができて、とても貴重な経験でした。他には、各チームに分かれて、持続可能な開発目標(SDGs)についてレクチャーを行い、各国の参加者が普段気を付けていることや、海洋環境にどうしたら貢献できるかについて意見交換しました。国際会議などで聞くような内容とは異なる視点で、皆さんが熱く語っていたことが、とても印象的でした」と述べました。
 ユースメンバーは、航海による海洋観測などの体験をどのように受け止めているのでしょうか。
 インドネシアのバンドン工科大学で水路学を専攻しているアディー・ プラボウォさんは、日ごろから海に関するドキュメンタリーを見たり、シュノーケリングをして海洋生物を観察したりすることが好きです。自然保護に関する学生研究グループのリーダーをしていたこともありますが、プラスチック汚染や、地球温暖化など海洋問題について何もできないことをもどかしく思っていました。アディーさんは、「今回のOne Ocean Expeditionを通して、海洋に関する新しい知識を得ることができました。2週間ここで学んだことを自分だけのものにしておくのではなく、インドネシアの人たちにも共有したいです。今、海で何が起こっているのか、みんなに知ってもらいたいと思っています」と楽しそうに話してくれました。
 フィジーの海洋生物学者、ガブリエル マラさんによると、フィジーの人にとって海は単なる資源ではなくて、彼らのアイデンティティそのものだそうです。ガブリエルさんは参加した理由について「私はフィジーで海洋保全の仕事をしていますが、常に海とともに何ができるかを意識してきました。この企画が発表された時、世界中の同じ考えをもった人たちとつながり、協力できる素晴らしい機会だと思いました」と話しました。航海中は、専門家の人たちやユースの仲間たちと一緒に調査や研究を行い、意見交換する中で、お互いにとって海がどのような意味をもつのかを共有することができたそうです。「この航海が終わった後も、彼らと協力し合えることを嬉しく思っています。海は、一つです。海が私たちを繋いでいると実感しました」と述べました。
 
 OPRIの阪口所長と渡邉敦上席研究員に、乗船支援の目的や今後の取り組みについて聞きました。
 ――ユースの乗船を支援した理由を教えてください
 阪口氏 日本も含めて世界中の人たちが2050年までにカーボンニュートラルにすると宣言していますが、そのころには私を含め、宣言した多くの人が現役を引退しているため、無責任だと感じていました。今の20代、30代の人たちが実行するためには、若い人たちに海洋の問題を理解してもらい、その次に解決策を考え、実行してもらうことが必要です。海の問題を解決するためには、次の世代を担う若い人たちに投資し、宝石の原石である彼らを磨いていかなければいけないですし、このことを一つの世界的なムーブメントにしていけたらと願っています。
在日ノルウェー商工会議所の人たちと話す渡邉上席研究員(左から2人目)

在日ノルウェー商工会議所の人たちと話す渡邉上席研究員(左から2人目)

――海洋の問題を解決するために何が必要でしょうか
 渡邉氏 国連海洋科学の10年というプログラムの中で、2021年から10年間、いかに海が危機に瀕しているかについて、みんなで考えて解決していかなくてはいけません。食料危機や気候変動の問題については、海が解決策になる可能性があるため、そのことも含めて考えていく必要があります。2030年に、世の中を変革していく中心になるような今の20代、30代の人たちにそのことを理解してもらい、育てていくことが大切です。今回のように、様々な国の若者が、パラオから横浜まで国籍を超えて協力して海洋観測を実施し、海の状況や海洋科学を理解しながら、航海を体験できたことは非常に良い機会だと思いました。
――今後の取り組みについて教えてください
 阪口氏 今後、いろいろな形で年間100名ぐらいの若者を招待したいと考えています。10年ほどかけて1000人ぐらい育てていきたいですね。彼らに海洋の問題について知ってもらい、一緒に解決策を考えてもらうという取り組みを強い信念をもってやっていきたいと考えています。ユースメンバーはこの航海が終わっても、この経験は一生忘れないと思います。世界中に家族や仲間をつくるということはとても大事なことだと思っています。
 渡邉氏 今回の乗船を通してできた若者のネットワークを生かして、OPRIを今回のような活動を支援している団体と認識してもらい、違う機会でもこのような場を提供していきたいと考えています。例えば、深海に潜るような先進国しかできない取り組みに、途上国の若者が参加する枠をつくるなど、民間財団ならではの取り組みを続けていきたいと思っています。

海洋政策研究所(海洋政策実現部)
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