セミナー
笹川・読売グローバルフォーラム

偽情報といかに戦うか

あなたにも忍び寄る「認知戦」
偽・誤情報に、踊らされていませんか?

主催:公益財団法人 笹川平和財団
共催:読売新聞東京本社
【お詫び】
告知開始より多くの皆さまのご参加申込をいただいており、早々に募集定員に達してしまいました。大変申し訳ございませんが、参加申込を締め切らせていただきました。
恐れ入りますが、ご理解下さいますようお願い申し上げます。

また、本フォーラム終了後に、動画として公開する予定でおります

笹川平和財団と読売新聞社は、日本および世界の治安を維持する上で認知戦への対応が極めて重要だと捉えています。そこで今回、認知戦に関連するさまざまな分野の専門家を招いたフォーラムを開催いたします。

海外では激化 日本でも問題視

2024年11月5日、読売新聞は「国内の大手メディアを装った偽のニュースサイトを20件発見された」と報じた。このように、近年では虚偽の情報を流して敵対勢力にダメージを与える「認知戦」が世界中で展開されており、我が国もすでに一般市民がターゲットになっている。そこで、認知戦の脅威や対策方法について大澤淳氏(笹川平和財団上席フェロー、中曽根平和研究所主任研究員)に話を聞いた。

Q1 そもそも認知戦とは?

相手の国や社会における情報を操作して自分たちに有利な環境を作り出す、いわゆる「情報工作」のこと。具体的には、指導者や有権者に偽の情報を信じさせ、国民同士の対立を煽って治安を悪化させたり、世論操作により選挙を自分たちに都合のよい結果に導いたりして、武力を使わずに相手社会を弱体化させる行為を指す。

Q2 現代の認知戦の特徴は?

近年では認知戦の主戦場がインターネットに移り、「費用」と「時間」をかけずに偽情報を流布できるようになっている。例えば、冷戦時代にソ連が流した「エイズは米軍の生物兵器だ」という嘘は広まるのに数年を要したが、コロナ禍において懸念国が中心となって流布した「コロナワクチンは効かない、危険だ」という偽情報はほんの数日で多数の人に信じられるようになった。

Q3 認知戦が行われた具体的な事例は?

2016年に英国で行われたEU離脱の是非を問う国民投票では「英国政府はEUへの支援金を過大に支払っている」という偽情報が懸念国によって拡散され、英国民の67%が耳にし、42%が信じてしまった。近年の日本でも「米国製コロナワクチンによって不妊になる」という偽情報が広まった影響でワクチン接種を拒む人が現れ、厚生労働行政に支障が生じた。

Q4 国の対応は?個人でできることは?

現状の法律では認知戦を規制するのは難しく、ターゲットとなっている私たち一人ひとりが身の回りの情報との向き合い方を改めて考える必要がある。まずは、SNSで見られるような個人の発言や無料の情報を鵜呑みにせず、マスメディアや政府が発信するファクトチェック済みの情報を確認する習慣をつけることが重要。

一人ひとりのリテラシー向上が急務

笹川平和財団が認知戦対策に注力している理由は?

当財団は国際交流および国際協力の推進を目的とした組織で、国際社会の課題解決に向けた幅広い活動を行っています。認知戦への取り組みのきっかけは米・英の公的な調査で「偽情報の流布によって、複数の選挙の結果が歪んだ」と報告されたことでした。これを受けて認知戦が世界の安全保障を揺るがしかねないと認識し、2020年から対策の提言に取り組んでいます。

具体的にどのような活動をしていますか?

2022年2月には、当時行われていた認知戦の手口や諸外国で取られている対策をまとめた政策提言を発表しました。これが政府与党および官庁職員の目に留まり、同年12月に採択された国家安全保障戦略に貢献できました。また「インド太平洋地域の偽情報ポータル」というウェブサイトも運営しています。このサイトでは「どの国で」「どのような内容の偽情報を」「どの勢力が」流布しているのか、地図上で確認できるようになっています。
サイバー安全保障研究ーインド太平洋地域の偽情報ポータル

サイバー安全保障研究ーインド太平洋地域の偽情報ポータル

認知戦に特に注意すべきなのはどんな人ですか?

約5年間にわたって認知戦に関する研究や啓発活動に携わってきた経験から、中高年、特に退職後の60代以上の方は偽情報を深く信じてしまう危険性が高いと感じています。世代的にインターネットの利用経験が比較的乏しいため、SNS上にある真偽が疑わしい情報を素直に受け入れてしまう方が少なくないのです。

身近な人が偽情報を信じてしまうと、どうなるのでしょうか?

一度偽情報を信じ込んでしまうと家族でも会話しづらくなりますし、思い込みを正すのは非常に困難です。また、そのような方が増えれば増えるほど、社会に混乱が広がって日本の国力の低下にもつながります。我が国の未来を守るためにも、ぜひ多くの方に「笹川・読売グローバルフォーラム」に参加して意識を高めていただきたいと思います。

国内外の有識者が最先端の知見を共有する貴重な機会となりますので、ふるってご参加ください。

お申込みについて

参加ご希望の方は、3月7日(金) 17時までに本ページよりお申込みください。
  • 会場の都合上、定員になり次第締め切りとさせていただきますので、お早めにお申し込みください。
  • お申し込みの際、メールアドレスが正しく入力されているかをご確認ください。
  • お申込みの際に皆様からいただく個人情報は、当財団の主催または後援によるセミナー・講演会等へご案内する際に使用させていただきます
  • 本セミナーの録画、録音、スクリーンショット等の撮影、および資料の二次利用、SNS・動画投稿サイトへの投稿は固くお断りいたします。
事務局 コミュニケーション企画部広報課
Email:spfpr@spf.or.jp

プログラム

13:00 主催者あいさつ
角南篤 笹川平和財団理事長
13:07 来賓あいさつ
13:20-13:50 基調講演 「トランプ2.0と世界」
ハーバート・マクマスター氏 元米国家安全保障問題担当大統領補佐官
13:50-14:50 第1部 地政学と認知戦
ハーバート・マクマスター氏
北村滋氏  元国家安全保障局長
兼原信克  笹川平和財団常務理事(モデレーター)
      元内閣官房副長官補
14:50-15:05 休憩
15:05-16:20 第2部 偽情報対策とその課題
川添雄彦氏 日本電信電話株式会社(NTT)代表取締役副社長
黒坂達也氏 慶応義塾大学特任准教授(OP技術研究組合事務局長)
大澤淳   笹川平和財団上席フェロー(モデレーター)
      中曽根平和研究所主任研究員
16:22 閉会あいさつ
山口寿一氏 読売新聞グループ本社 代表取締役社長
※講演者、演題については予告なく変更することがありますので、予めご了承下さい。

講演者

ハーバート・マクマスター
講演者、登壇者

ハーバート・マクマスター

元米国家安全保障問題担当大統領補佐官

北村滋
登壇者

北村滋

元国家安全保障局長

兼原信克
モデレーター

兼原信克

笹川平和財団常務理事、元内閣官房副長官補

川添雄彦
登壇者

川添雄彦

日本電信電話株式会社(NTT)代表取締役副社長

黒坂達也
登壇者

黒坂達也

慶応義塾大学特任准教授、ジョージタウン大学客員研究員、OP技術研究組合事務局長

大澤 淳
モデレーター

大澤 淳

笹川平和財団上席フェロー、中曽根平和研究所主任研究員

プロフィール

1971年生。慶應義塾大学法学部1994年卒、同大学大学院法学研究科修士課程1996年修了(法学修士)。1995年世界平和研究所研究員、2009年同主任研究員、2013年米国ブルッキングス研究所客員研究員、2014年〜2016年内閣官房国家安全保障局参事官補佐(サイバー安全保障担当)、2017年より中曽根康弘世界平和研究所主任研究員。
最近の著作に、『SNS時代の戦略兵器 陰謀論』(共著、Wedge、2025年1月)、『新領域安全保障』(共著、Wedge、2024年1月)、『ウクライナ戦争はなぜ終わらないのか』(共著、文春新書、2023年6月)。

開催一覧

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