セミナー 第1グループ(戦略対話・交流促進担当)

東南アジア諸国と日本の政治におけるSNSの普及と民主主義の変化

主催:公益財団法人 笹川平和財団
近年、世界中で社会におけるソーシャルメディア(SNS)の役割が増大し、政治の領域においても例外ではありません。SNSの普及が急速に進んできた東南アジア諸国においても、2024年のインドネシア大統領選、2023年のタイ総選挙結果にみられるように、SNSを通じた選挙活動が投票行動に大きく影響しました。こうした動きは、長年行われて来た一部政治エリートによる政治への国民の不信感や不満の受け皿となり、政治の透明性を高める圧力となりうる一方、政治本来の根幹である政党や政治家個人の主張や政策を覆い隠し、社会の分断や大衆的で付和雷同的な政治が台頭しやすくなる土壌を醸成しているといった側面もあり、その影響は多岐にわたっています。
本セミナーは、国際秩序の安定や価値の共創という観点からも日本のパートナーとしてますます重要となっている東南アジアより、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、さらに日本を取り上げ、各国政治の専門家に政治におけるSNS普及の影響と政治、社会の変容を活写いただきます。
今後の日本の政治、東南アジア諸国とのパートナーシップのあり方などについて考えていく一助となれば幸いです。皆様のご参加をお待ちしています。

※本セミナーの講演内容は各登壇者個人の見解であり、当財団の見解を示すものではありません。

お申込みについて

今回のセミナーはオンラインのみでの開催とさせていただきます。参加ご希望の方は、3月3日(月)17:00(JST)までに本ページの「お申込み」ボタンよりお申し込みください。お申込み後、仮登録確認メールが届きますので、メールにある登録完了用URLを24時間以内にクリックし登録を完了してください。お申込みいただいた方には、イベント開催前に視聴用URLをE-メールにてご案内いたします。ご案内のE-メールが届かない場合、お手数をおかけしますが「迷惑メール」フォルダもあわせてご確認ください。 

※お申込み時のメールアドレスの誤入力や登録完了用URLのクリック漏れなどにより、登録が完了しておらず、イベント当日に参加方法などに関する問合せが大変多くなっております。お手数をおかけして申し訳ありませんが、ご登録手続きを最後まで進めていただきますようお願い申し上げます。 

※仮登録確認メールが届かない場合は、spfpr@spf.or.jp からのメールが迷惑メールに分類されている場合がございます。あらかじめ迷惑メールの設定を解除いただくか、迷惑メールボックスをご確認いただきますようお願いいたします。また、ご入力いただいたメールアドレスが間違っている場合もございますので、その際は、再度お申込み手続きを行っていただきますようお願いいたします。 

お申込みの際に皆様からいただく個人情報は、当財団の主催または後援によるセミナー・講演会等へご案内する際に使用させていただきます。 

事務局
笹川平和財団 第1グループ(戦略対話・交流促進)
E-mail: asia-middleeast@spf.or.jp
Tel: 03-5157-5160

※取材についてのお問い合わせはコミュニケーション企画部広報課へお願いいたします。
E-mail: spfpr@spf.or.jp
Tel: 03-5157-5389

プログラム

15:00-15:05 開会挨拶
小西 伸幸(笹川平和財団 第1グループ(戦略対話・交流促進)グループ長)
15:05-15:25 【タイ】 タイにおけるSNS普及と政治・行政の変化—2022年バンコク都知事選、2023年総選挙、Z世代の政治意識
永井 史男 氏(大阪公立大学 大学院法学研究科 教授)

※国別概況説明:奥村 真帆(笹川平和財団 第1グループ(戦略対話・交流促進)職員)
15:25-15:45 【インドネシア】 ティックトックによる政治のエンタメ化・軽薄化?ーインドネシアの2024年大統領・地方首長選挙からの展望
岡本 正明 氏(京都大学 東南アジア地域研究研究所 地域研究第一研究部門 教授)
※国別概況説明:伊藤 幸代(笹川平和財団 第1グループ 主任研究員)
15:45-15:55 休憩
15:55-16:15 【マレーシア】 民主化の触媒か統治不安定化の元凶か―SNSとマレーシア政治の四半世紀
伊賀 司 氏(名古屋大学 アジアサテライトキャンパス学院 特任准教授)
※国別概況説明:伊藤 幸代(笹川平和財団 第1グループ 主任研究員)
16:15-16:35 【フィリピン】フィリピン─「新生」の希望と苦しみ
日下 渉 氏(東京外国語大学 大学院総合国際学研究院 教授)
※国別概況説明:梶ヶ山 薫(笹川平和財団 第1グループ 研究員)
16:35-16:55 【日本】SNSはオールド・メディアを超えたのか:2024年の選挙から見えた日本の事情
河村 和徳 氏(東北大学 大学院情報科学研究科 准教授)
16:55-17:00 閉会挨拶
安達 一(笹川平和財団 常務理事)
※講演者、演題については予告なく変更することがありますので、予めご了承下さい。

講演者

永井 史男
講演者

永井 史男

大阪公立大学 大学院法学研究科 教授

プロフィール

京都大学で学士号を取得後、京都大学大学院法学研究科にてタイ政治史を研究。京都大学東南アジア研究センター助手を経て、現職。専門はタイ政治、東南アジアの地方自治、アジア太平洋および東南アジアの国際関係。主な著書に『変わりゆく東南アジアの地方自治とガバナンス』(共編著、日本貿易振興機構アジア経済研究所、2012年)、『タイの地方自治』(共編著、日本貿易振興機構アジア経済研究所、2008年)、『東南アジアの地方自治の計量分析:タイ・フィリピン・インドネシアにおけるエリート調査』(共編著、晃洋書房、2019年)などがある。

岡本 正明
講演者

岡本 正明

京都大学 東南アジア地域研究研究所 地域研究第一研究部門 教授

プロフィール

主に東南アジア、特にインドネシアにおける地域・都市政治、デジタル政治の台頭などを研究。近著に『インドネシアにおけるガバナンス・ネットワークと受賞の関係』(共編著、ジェトロ・アジア経済研究所、2024年)、Local Governance of Peatland Restoration in Riau, Indonesia: A Transdisciplinary Analysis. (Springer: New York). 335p (edited with Takamasa Osawa, Wahyu Prasetyawan and Akhwan Binawan)(2023), Indonesia at the Crossroads: Transformation and Challenges. (Yogyakarta and Kyoto: UGM Press, Kyoto University Press and Pacific Press), 420p (edited with Jafar Suryomenggolo) (2023)などがある。

伊賀 司
講演者

伊賀 司

名古屋大学 アジアサテライトキャンパス学院 特任准教授

プロフィール

神戸大学大学院国際協力研究科博士課程修了、政治学博士。専門は政治社会学およびマレーシア地域研究。主な業績は「2018年マレーシア総選挙における希望連盟(PH)のメディア・コミュニケーション戦略」(『社会科学』(同志社大学人文科学研究所)第49巻第2号、2019年、29-55頁)、および「ナジブ・ラザクとマレーシアのソーシャルメディアの10年(2008-2018年)」(見市建・茅根由佳編著『ソーシャルメディア時代の東南アジア政治』明石書店、2020年、99-122頁)など。

日下 渉
講演者

日下 渉

東京外国語大学 大学院総合国際学研究院 教授

プロフィール

九州大学大学院比較社会文化学府博士後期課程 単位満期取得退学。専門は政治学とフィリピン地域研究。著書は、『反市民の政治学──フィリピンの民主主義と道徳』(法政大学出版会、2013年)、『21世紀東南アジアの強権政治──「ストロングマン」時代の到来』(明石書店、2021年)、『現代フィリピンの地殻変動──新自由主義の深化・政治制度の近代化・親密性の歪み』(花伝社、2023年)、『フィリピン──「生まれ変わり」の希望と苦悩』(仮)(岩波書店、2025年9月刊行予定)ほか。

河村 和徳
講演者

河村 和徳

東北大学 大学院情報科学研究科 准教授

プロフィール

1998年に慶應義塾大学法学部専任講師となり、1999年金沢大学法学部助教授を経て、東北大学に着任。東北大学にて博士(情報科学)を取得。専門は政治学、日本政治。東日本大震災発生以降は、被災地における政治過程、危機における選挙ガバナンスにも関心を持つ。著書「電子投票と日本の選挙ガバナンス(慶應義塾大学出版会)」で、第37回電気通信普及財団賞を受賞した。

安達 一
閉会挨拶

安達 一

笹川平和財団 常務理事

プロフィール

上智大学文学部を卒業後、(独)国際協力機構(JICA)で35年間、開発途上国の国際協力事業に従事。特に東南アジア、中でもカンボジアの和平後の復興・開発支援に深く関わる。また、開発事業における科学技術イノベーション・DXの活用など分野横断的取組を牽引。2020年6月より笹川平和財団にて、アジア地域の平和構築支援、労働移動問題、多民族共生社会の実現、日中交流、中東・イスラム理解促進、ジェンダー平等、インパクト投資や起業家支援のためのエコシステム構築を通じた女性の経済的エンパワメントに関する事業などを統括。

小西 伸幸
開会挨拶・司会

小西 伸幸

笹川平和財団 アジア・イスラム事業ユニット 第1グループ グループ長

プロフィール

東京大学教育学部教育心理学科を卒業後、日本電気株式会社に入社。同社人事勤労部に勤務の後、(独)国際協力機構(JICA)で27年間、開発途上国における国際協力業務に従事。東南アジアにおける高等教育・職業訓練分野の開発協力プロジェクトの立案・実施、途上国における社会的事業を対象とした民間セクター金融・投資プロジェクトなどに従事。2022年4月より、笹川平和財団にて、南・東南アジア、中東を中心とするアジア地域との国際協力・対話・交流事業の運営に従事している。

伊藤 幸代
国別概況説明(インドネシア、マレーシア)

伊藤 幸代

笹川平和財団 アジア・イスラム事業ユニット 第1グループ 主任研究員

プロフィール

東京外国語大学ペルシア語学科(トルコ語)卒業、お茶の水女子大学大学院修了。アジア経済研究所開発スクール(IDEAS)を経て、英国ウェールズ大学大学院に留学。海外コンサルティング企業協会(ECFA)、(独)国際協力機構(JICA)などを経て、2022年 8月より笹川平和財団にて東南アジア、南アジア諸国との国際交流、対話事業に従事する。

梶ヶ山 薫
国別概況説明(フィリピン)

梶ヶ山 薫

笹川平和財団 アジア・イスラム事業ユニット 第1グループ 研究員

プロフィール

2020年9月神戸大学国際文化学研究科博士前期課程修了。在ジャマイカ日本国大使館広報・文化班にて専門調査員として従事。その後、NGO勤務を得て、2023年7月より笹川平和財団にて東南アジア、南アジア諸国との国際交流、対話事業に従事する。

奥村 真帆
国別概況説明(タイ)

奥村 真帆

笹川平和財団 アジア・イスラム事業ユニット 第1グループ 職員

プロフィール

2021年7月タイ国立タマサート大学社会行政学部卒業。同年9月より笹川平和財団に新卒入職後、総務部人事課での勤務を経て、2024年に第1グループ(戦略対話・交流促進担当)にて東南アジア諸国と日本の政治対話事業に携わるほか、中東地域との有識者および若手人材交流事業補佐に従事している。

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