笹川日中友好基金 セミナー
中国研究所 × 笹川平和財団共催シンポジウム「2025年の世界と日中米関係」

第2回 戦後80年と歴史言説/歴史戦

共催:中国研究所/笹川平和財団
中国研究所・笹川平和財団では,歴史を踏まえながら,2025年の日米中関係を多様な側面から考察するシンポジウムを,2025年1月,2月に2度開催することにいたしました。2024年11月にアメリカ大統領選があり,日米中関係は予測可能性の低い新たな局面を迎えております。この秩序変動期とも言われる時代に,さらに大きな変数が加わったことになるのでしょうか。無論,この問いを単純に解きほぐすことはできません。この問いについて考える際に大切なのは,アメリカと中国との間で,共有している時代観やあるべき関係像について共通認識もあるものの,両者の秩序観,自己認識などが大きく異なるということです。よって,アメリカの世界観,対中認識・政策とともに,中国側の世界観,対米認識・政策についても合わせて理解することが必要になります。そのように双方の姿勢を理解してこそ,アメリカとの同盟関係を有しながら東アジアに位置する日本も,歴史的経緯を踏まえた現在位置と今後を見据えることができるのだと考えます。

他方,2025年は戦後80年にあたります。秩序変動期の中で歴史をめぐる問題が,相貌を変えながら,いっそう大きな課題となりつつあります。中国とロシアはそれぞれの「正しい」歴史を唱えつつ,第二次世界大戦をめぐる歴史戦での共闘を約しています。また,新たな歴史ナラティブを創出して,それを多様な手段で世界に広め,「工作」対象に受け入れさせようとしています。これは中国,ロシアだけでなく北朝鮮も同様です。かつて中国や周辺地域を侵略した日本は,加害国としてこうした歴史をめぐる状況をいかに捉え,対処していくべきなのでしょう。この問題を考える時,やはり単純に「歴史戦」などとして括るのではなく,それらの国々がそもそも国内でどのような歴史政策を実施しているのかということを踏まえた上で,それが対外的な歴史戦とされる事象とどのような関わりをもつのか,ということを理解することが必要だと考えます。

これらのことを踏まえ,本シンポジウムでは,第1回で2025年の日米中関係について歴史を踏まえつつ議論するとともに,第2回で戦後80年にあたる2025年の歴史をめぐる問題の有りようについても併せて取り上げていきます。

お申込みについて

本シンポジウムでは「会場参加」と「オンライン参加」からお選びいただけます。ご希望の参加方法に基づき、2月18日(火)00:00までに本ページよりお申込みください。

「会場参加」でお申込みいただいた方は当日会場にお越しください。「オンライン参加」でお申込みいただいた皆様には、2月18日午前中に視聴用URLをご案内いたします。

・お申込みの際、メールアドレスが正しく入力されているかをご確認ください。お申込み後、仮登録確認メールが届きますので、メールにある登録完了用URLを24時間以内にクリックし登録を完了してください。

・最後まで登録されておらず、イベント当日にお申込みの問合せが大変多くなっております。お手数をおかけして申し訳ありませんが、ご登録手続きを最後まで進めていただきますようお願い申し上げます。

・仮登録確認メールが届かない場合は、spfpr@spf.or.jp からのメールが迷惑メールに設定されている場合がございます。あらかじめ迷惑メールの設定を解除いただくか、迷惑メールボックスをご確認いただきますようお願いいたします。また、ご入力いただいたメールアドレスが間違っている場合もございますので、再度お申込み手続きを行っていただきますようお願いいたします。

・お申込みの際に皆様からいただく個人情報は、当財団の主催または後援によるセミナー・講演会等へご案内する際に使用させていただきます。
事務局
中国研究所
Email:c-soumu@tcn-catv.ne.jp
Tel:03-3947-8029
 
笹川平和財団 笹川日中友好基金
Email:nicchu5157@spf.or.jp
Tel:03-5157-5190

※取材についてのお問い合わせはコミュニケーション企画部広報課へお願いいたします。
Email:spfpr@spf.or.jp
Tel:03-5157-5389

プログラム

18:00 開会 趣旨説明
川島真氏
18:10 講演
江藤名保子氏
講演
宮本悟氏
講演
河西陽平氏
19:10 パネルディスカッション
江藤名保子氏/宮本悟氏/河西陽平氏
19:40 質疑応答
20:00 閉会
※講演者、演題については予告なく変更することがありますので、予めご了承下さい。

講演者

江藤 名保子
パネリスト

江藤 名保子

学習院大学法学部教授

プロフィール

研究分野は、中国政治、日中関係、東アジア国際政治。
スタンフォード大学国際政治研究科修了(M.A.)。慶応義塾大学法学研究科博士課程卒、法学博士。慶応義塾大学東アジア研究所・現代中国研究センター研究員などを経て現職。主な著述は、『中国ナショナリズムの中の日本:「愛国主義」の変容と歴史認識問題』(勁草書房、2014年)、「日中関係の再考:競合を前提とした協調戦略の展開」(『ファイナンシャルレビュー』令和元年第3号、財務省財政総合政策研究所、2019年9月)、『東アジア最新リスク分析 :「新冷戦」下の経済安全保障』(日経BP日本経済新聞出版、2022年、共著)、『日中関係2001-2022』(東京大学出版会、2023年、共著)など。

宮本 悟
パネリスト

宮本 悟

聖学院大学政治経済学部教授

プロフィール

専攻は,比較政治学,国際政治学,政軍関係論,安全保障論,朝鮮半島研究。
同志社大学法学部卒。ソウル大学政治学科修士課程修了〔政治学修士号〕。神戸大学法学研究科博士後期課程修了〔博士号(政治学)〕。日本国際問題研究所研究員,聖学院大学総合研究所准教授などを経て,現職。
近年の主な著作に、『在外邦人の保護・救出 : 朝鮮半島と台湾海峡有事への対応』(東信堂、2021年、共著)、『国家間和解の揺らぎと深化 : 講和体制から深い和解へ (和解学叢書 ; 3 政治・外交)』(明石書店、2022年、共著)、『パンデミック対応の国際比較』(東信堂、2022年、共著)、『朝鮮半島の地経学:「新冷戦」下の模索』(文眞堂、2022念)『ユーラシアの自画像 : 「米中対立/新冷戦」論の死角』(PHP研究所、2023年、共著)『独裁主義の国際比較』(ミネルヴァ書房、2024年、共著)など

河西 陽平
パネリスト

河西 陽平

中曽根平和研究所研究員

プロフィール

専門分野は、ソ連・ロシアの外交、安全保障、インテリジェンス。
慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程修了。博士(法学)。 外務省国際情報統括官組織専門分析員などを経て、現職。
主な著作に、『スターリンの極東戦略 1941-1950 インテリジェンスと安全保障認識』(慶應義塾大学出版会、2023年)、「「特別軍事作戦」初期におけるロシアの対ウクライナ・インテリジェンス」(『NPI Quarterly』13 (4))、2022年10月「ロシアの対ウクライナ「特別軍事作戦」開戦経緯の再検討」(『NPI Quarterly』14 (3))、2023年7月「朝鮮戦争初期における共産圏諸国のインテリジェンスと問題点」(『紀要国際情勢』第94号、2024年3月)、「ロシアの対日歴史認識問題:情報戦の一手段として」(『NPI Quarterly』15 (3)、2024年7月)など。

川島 真
司会

川島 真

東京大学大学院総合文化研究科教授、中国研究所常務理事

プロフィール

研究分野は、アジア政治外交史、中国外交史。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了,博士(文学,東京大学)。北海道大学法学部助教授,東京大学大学院総合文化研究科准教授を経て,2015年4月より現職。現在,中曽根康弘世界平和研究所研究本部長,日本国際フォーラム上席研究員,日本学術会議連携会員などを兼任。
『中国近代外交の形成』(名古屋大学出版会,2004年)でサントリー学芸賞受賞。その他の著書に『近代国家への模索 1894─1925』(岩波書店,2010年),『21世紀の「中華」─ 習近平中国と東アジア』(中央公論新社,2016年),『中国のフロンティア─ 揺れ動く境界から考える』(岩波書店,2017年),『ようこそ中華世界へ』(編著,昭和堂,2022年),『習近平の中国』(編著,東京大学出版会,2022年),『習近平政権の国内統治と世界戦略:コロナ禍で立ち現れた中国を見る』(編著,勁草書房,2022年),『領海・漁業・外交 :19~20世紀の海洋への新視点』(編著,晃洋書房,2023年),『ユーラシアの自画像:「米中対立/新冷戦」論の死角』(編著,PHP出版,2023年)、『日中関係2001-2022』(編著,東京大学出版会,2023年)など。

 

開催一覧

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