安全保障研究グループ セミナー

第5回IINA公開フォーラム「混迷する中東情勢とアメリカ」

主催:公益財団法人 笹川平和財団
笹川平和財団では、サテライトサイト「国際情報ネットワーク分析(IINA)」を通して、日本を取り巻く国際安全保障の情報を発信しております。同時に、理解を深めていただくために、これまで4回にわたり公開フォーラムを開催し、発信情報の解説をしてまいりました。第5回となる今回は、「混迷する中東情勢とアメリカ」をテーマに開催いたします。

昨年10月に起きたパレスチナの武装組織ハマスによるイスラエルの民間人へのテロは、イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区での大規模な軍事作戦を招き、現在3万7000人以上の民間人の死者が報告される人道問題にもなっています。バイデン政権は、イスラエルのネタニヤフ政権に、度重なる人道上の配慮の要請をしていますが、イスラエルの作戦は続き、民間人の犠牲者は増え続けています。

しかしバイデン政権のイスラエル支持は継続しており、それが人道を重視する欧州諸国との乖離を生んでいます。また米国内に目を向けると、大学での抗議デモの頻発や、民主党内のリベラル派や若年層のバイデン政権からの離反を呼び、11月の大統領選挙にも影響を与えかねない状況です。

アメリカの中東への影響力低下は、国際秩序を不安定化させ、ウクライナ情勢や台湾情勢などの地政学にも影響を及ぼします。日本が大部分のエネルギーを依存する中東地域の混迷は、日本経済への直接のリスク要因にもなります。

本フォーラムでは、ガザでの停戦交渉および、イスラエルとイランの対立の行方、アメリカの求心力低下による地政学的影響、日本のエネルギー確保への影響をテーマに中東、米国の地域専門家による現状分析を行います。

多くの皆様のご参加をお待ちしております。

お申込みについて

ご参加希望の方は、7月3日(水)13:00(JST)までに、本ページから事前にお申込みください。

・お申込みの際、メールアドレスが正しく入力されているかをご確認ください。お申込み後、仮登録確認メールが届きますので、メールにある登録完了用URLを24時間以内にクリックし登録を完了してください。

・最後まで登録されておらず、イベント当日にお申込みの問合せが大変多くなっております。お手数をおかけして申し訳ありませんが、ご登録手続きを最後まで進めていただきますようお願い申し上げます。

・仮登録確認メールが届かない場合は、spfpr@spf.or.jp からのメールが迷惑メールに設定されている場合がございます。あらかじめ迷惑メールの設定を解除いただくか、迷惑メールボックスをご確認いただきますようお願いいたします。また、ご入力いただいたメールアドレスが間違っている場合もございますので、再度お申込み手続きを行っていただきますようお願いいたします。

・お申込みの際に皆様からいただく個人情報は、当財団の主催または後援によるセミナー・講演会等へご案内する際に使用させていただきます。

・当イベントは、オンライン配信はおこないません。
事務局
安全保障研究グループ
E-mail: anpo-event@spf.or.jp
Tel: 03-5157-5209

※取材についてのお問い合わせはコミュニケーション企画部広報課へお願いいたします。
E-mail: spfpr@spf.or.jp
Tel: 03-5157-5389

プログラム

17:00 開会挨拶、事業説明
17:05 「イスラエル・イラン対立と中東のダイナミズム」
発表者:田中 浩一郎氏
17:20 「アメリカの影響力の低下と大統領選挙への影響」
発表者:中林 美恵子氏
17:35 「混迷する中東情勢の地政学への影響」
発表者:小林 周氏
17:45 「混迷する中東情勢のエネルギー供給への影響」
発表者:高橋 雅英氏
17:55 パネルディスカッション
18:20 質疑応答
18:30 閉会
注)プログラムの内容は予告なく変更されることがありますので、予めご了承下さい。

講演者

田中 浩一郎
講演者

田中 浩一郎

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 教授

プロフィール

中東地域研究者。1961年生まれ。東京外国語大学外国語学部ペルシア語学科卒業、東京外国語大学大学院アジア第2言語修了。在イラン日本国大使館専門調査員、外務省国際情報局専門分析員などを務め、1999年から2001年まで国際連合アフガニスタン特別ミッション政務官としてタリバン旧政権末期の和平交渉にあたった。その後、日本エネルギー経済研究所常務理事兼中東研究センター長を経て、現在は慶應義塾大学政策・メディア研究科教授として、中東地域の国際関係やエネルギー安全保障について研究を行う。

中林 美恵子
講演者

中林 美恵子

笹川平和財団 上席フェロー、早稲田大学 教授

プロフィール

早稲田大学教授。大阪大学博士(国際公共政策)、米ワシントン州立大学修士(政治学)。1992年米国永住権取得後、連邦議会上院予算委員会に正規採用され、在米14年を経て2002年に帰国。大学の教職や政府審議員、衆院議員(2009年~2012年)などを経て、現職。米マンスフィールド財団名誉フェロー。グローバルビジネス学会・会長。Waseda USA理事。著書に『挑戦を受ける民主主義と資本主義』東京書籍(2022)、『沈みゆくアメリカ覇権』小学館新書(2020)など多数。

小林 周
講演者

小林 周

日本エネルギー経済研究所 主任研究員

プロフィール

専門はリビアを中心とした中東・北アフリカ地域の現代政治、国際関係論、エネルギー地政学。
慶應義塾大学大学院にて修士号・博士号(政策・メディア)取得。米国・戦略国際問題研究所(CSIS)エネルギー・国家安全保障部、日本国際問題研究所などを経て、日本エネルギー経済研究所中東研究センター入所。2021年4月から2023年4月まで在リビア日本大使館にて書記官として勤務。
編著に『アジアからみるコロナと世界』(毎日新聞出版、2022年)、主な共著に『紛争が変える国家』(岩波書店、2020年)、『アフリカ安全保障論入門』(晃洋書房、2019年)など。

高橋 雅英
講演者

高橋 雅英

中東調査会 主任研究員

プロフィール

京都産業大学外国語学部卒業。上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科地域研究専攻博士前期課程修了。青山学院大学国際政治経済学研究科国際経済学専攻修士課程修了。外務省国際情報統括官組織専門分析員,国際協力機構安全管理部専門嘱託を経て、2020年より中東調査会で勤務。主な著作に、「アルジェリアの対ロシア・対フランス関係――ウクライナ危機でのエネルギー供給国の役割」(『中東研究』第544号、2022年)など。

渡部 恒雄
講演者

渡部 恒雄

笹川平和財団 上席フェロー

プロフィール

東北大学歯学部卒業後、米ニュースクール大学で政治学修士課程修了。1995年ニューヨークのニュースクール大学で政治学修士課程修了。同年、ワシントンDCのCSIS(戦略国際問題研究所)に入所。客員研究員、研究員、主任研究員を経て2003年3月より上級研究員として、日本の政党政治、外交安保政策、日米関係およびアジアの安全保障を研究。2005年4月に日本に帰国。以来CSISでは非常勤研究員を務める。三井物産戦略研究所主任研究員を経て、2009年4月から2016年8月まで東京財団政策研究ディレクター兼上席研究員。10月に笹川平和財団に特任研究員として移籍。2017年10月より上席研究員となり、2024年4月より現職。外交・安全保障政策、日米関係、米国の政策分析に携わる。
主な著書に「国際安全保障がわかるブックガイド」(共著、2024年、慶應義塾大学出版会)など。

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