アジア・イスラム事業グループ セミナー
公開シンポジウム

「ウクライナ避難民受入の今 ― 共生社会のあり方と教育の未来について」

主催:笹川平和財団 アジア・イスラム事業グループ、NPO法人なんみんフォーラム、NPO法人国際活動市民中心
協力:日本財団
 2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻を受け、日本には2000人を越えるウクライナ避難民の方々が暮らしています。これら日本に避難しているウクライナ市民を支援すべく、笹川平和財団、NPO法人国際活動市民中心(CINGA)、NPO法人なんみんフォーラム(FRJ)はウクライナ避難民の電話相談窓口である避難民相談センター (Support Center for Refugees Japan、Support-R)を2022年5月19日に開設しました。

 以降、Support-Rでは、入国間もない当事者のためのガイドや、その後の生活の長期化を視野にいれたFAQなどを作成し、発信してきました。また、ウクライナ周辺国から日本に渡航を希望する方や、全国に暮らすウクライナ避難民の方、またその支援者からの相談を受け付けてきました。心理面の相談のみならず、ビザの発給や渡航プロセス、日本での滞在資格や住まい、家族と離別したことによる問題、日本語学習等について様々な困難を抱えている現状がわかってきました。

 また、ウクライナ避難民の子どもたちについて、日本国内において各地方自治体・国際交流協会等の支援の下、小・中学校に相当する学年の避難民の就学は各学校等で受け入れ努力がなされている一方で、特に義務教育ではない高校に相当する学年の生徒における学習継続や日本語の習得が困難であると懸念されています。そのため笹川平和財団では、在日本ウクライナ大使館及び日本財団の協力の下、2022年10月~11月に、ウクライナ避難民の教育分野に関する状況・支援調査(日本国内調査)を実施しました。

 上記Support-Rの電話相談の実施に携わる各団体の調査および教育状況調査の結果に基づき、笹川平和財団とNPO法人なんみんフォーラム、NPO法人国際活動市民中心では、関係機関とともに、ウクライナ避難民の現状と調査結果を共有するシンポジウムを開催いたします。これまでの学びに加え、難民・避難民の方たちおよび外国ルーツの子どもたちへの十分な教育機会の提供に向けたより良い方策を議論できればと考えています。多くの方のご参加をお待ち申し上げます。
事務局
笹川平和財団 アジア・イスラム事業グループ(岩品、ロックマン)
Email:asia-middleeast@spf.or.jp
Tel:03-5157-5160

※取材についてのお問い合わせはコミュニケーション企画部広報課へお願いいたします。
E-mail:spfpr@spf.or.jp
Tel:03-5157-5389

プログラム

14:00-14:05 開会挨拶
角南篤(笹川平和財団 理事長)
14:05-14:20 基調講演(ビデオメッセージ)
セルギー・コルスンスキー氏(駐日ウクライナ特命全権大使)
14:20-14:27 講演1
伊藤礼樹氏(国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表)
14:27-14:34 第1部 ウクライナ避難民の受入政策と現状
講演 2 ウクライナ避難民の受入政策と支援について
山形正洋氏(出入国在留管理庁出入国管理課補佐官)
14:34-14:41 講演 3 文化庁による日本語教育支援について
相田恭輔氏(文化庁国語課 日本語教育評価専門官)
14:41-14:51 質疑応答
15:00-15:10 第2部 実践報告:民間セクターによる取組
報告1 日本財団の実施しているウクライナ支援について

神谷圭市氏(日本財団 経営企画広報部 ソーシャルイノベーション推進チーム ウクライナ避難民支援室 リーダー)
15:10-15:28 報告2 NPO法人国際活動市民中心(CINGA)報告
「避難民生活相談センター(Support-R)の活動から見える支援者支援の在り方」
 青柳りつ子氏(Support-R相談コーディネーター/行政書士/社会福祉士)

ウクライナ語の『心のよりそい電話』の活動報告」
 Zhuravel Olha氏(ウクライナ避難民 心理士)

「ウクライナ避難民への日本語教育支援の問題と新たな挑戦」
 中川美保氏(Support-R相談コーディネーター/日本語教師)
15:28-15:43 報告3 NPO法人なんみんフォーラム(FRJ)の報告
「ウクライナの人々の受け入れから見えてきたこと」
赤阪むつみ氏(なんみんフォーラム理事)
15:43-15:53 質疑応答
16:00-16:15 第3部 実践報告・パネルディスカッション:難民/避難民の教育支援
報告4 ウクライナ避難民の教育分野に関する状況・支援調査
安達一(笹川平和財団常務理事)
岩品雅子(笹川平和財団 アジア・イスラム事業グループ 研究員)
16:15-17:00 パネルディスカッション
パネリスト:
明石純一氏(筑波大学人文社会系教授)
田中宝紀氏(NPO法人青少年自立援助センター定住外国人支援事業部責任者)

モデレーター:
石川美絵子氏(社会福祉法人日本国際社会事業団(ISSJ)常務理事・社会福祉士)


質疑応答
17:00 閉会
山口薫氏(なんみんフォーラム理事)

講演者

伊藤礼樹氏
講演者

伊藤礼樹氏

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表

プロフィール

国際関係学修士(国際人権法)。UNHCR入職後、ボスニア、ミャンマー、スーダン、アルメニア、レバノン、ソマリアなどで難民保護の業務に従事。また、UNHCR本部では、国際保護総局 保護官、アジア太平洋地域局次長を務め、国連世界食糧計画(WFP)日本事務所への出向経験(渉外担当)もあり。UNHCRシリア代表、UNHCRレバノン代表を経て、2023年1月から現職。

神谷圭市氏
講演者

神谷圭市氏

日本財団 経営企画広報部 ソーシャルイノベーション推進チーム ウクライナ避難民支援室 リーダー

青柳りつ子氏
講演者

青柳りつ子氏

Support-R相談コーディネーター/行政書士/社会福祉士

Zhuravel Olha氏
講演者

Zhuravel Olha氏

ウクライナ避難民 心理士

中川美保氏
講演者

中川美保氏

Support-R相談コーディネーター/日本語教師

赤阪むつみ氏
講演者

赤阪むつみ氏

なんみんフォーラム理事

安達一
講演者

安達一

笹川平和財団常務理事

岩品雅子
講演者

岩品雅子

笹川平和財団 アジア・イスラム事業グループ 研究員

明石純一氏
パネリスト

明石純一氏

筑波大学人文社会系教授

プロフィール

博士(国際政治経済学)。法務省難民審査参与員、出入国管理政策懇談会委員、
収容・送還に関する専門部会委員、内閣官房第三国定住による難民の受入れ事業
の対象拡大等に係る検討会構成員、教育未来創成会議有識者構成員などを歴任。
著書に『入国管理政策:「1990年体制」の成立と展開』(ナカニシヤ出版、2010
年)、『人の国際移動は管理されうるのか』(ミネルヴァ書房、2020年)など。
勤務先では、外国にルーツがある児童への職業教育支援やウクライナ避難民の留
学生としての受入れ実務にも携わる。

田中宝紀氏
パネリスト

田中宝紀氏

特定非営利活動法人青少年自立援助センター 定住外国人支援事業部 責任者

プロフィール

16才で単身フィリピンのハイスクールに留学。フィリピンの子ども支援NGOを経て2010年より現職。海外にルーツを持つ子どもたちのための専門家による教育支援事業『YSCグローバル・スクール』を運営する他、日本語を母語としない若者の自立就労支援に取り組む。
文科省「中央教育審議会」臨時委員(初等中等教育分科会)、日本ユネスコ国内委員会委員他。著書『『海外ルーツの子ども支援 言葉・文化・制度を超えて共生へ』(2021年、青弓社)

石川美絵子氏
モデレーター

石川美絵子氏

日本国際社会事業団 [ISSJ] 常務理事、社会福祉

プロフィール

アムネスティ・インターナショナル日本、レフュジー・カウンシル・ジャパン(現在の「なんみんフォーラム」)を経てISSJ入職し、難民支援に携わる。笹川平和財団発行『難民の地域定住支援ガイドブック』監修。

開催一覧

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