アジア・イスラム事業グループ セミナー

「インド太平洋国際会議」第3回ウェビナー  
日米豪印(クアッド)とASEANの今後

共催:笹川平和財団、シンガポール国立大学南アジア研究所(NUS-ISAS)
笹川平和財団安全保障研究グループでは、インド太平洋の地域情勢についての理解を深めるためシンガポール国立大学南アジア研究所(NUS-ISAS)との共催で3回にわたるウェビナーシリーズを開催しています。このたびご案内する第3回ウェビナーにおきましては、「日米豪印(クアッド)とASEANの今後」をテーマにすえ、同地域の現状と課題、そして展望について専門家の知見をうかがい、参加者の皆さまとの議論をおこないます。

インド洋と太平洋の間において、東南アジア諸国連合(ASEAN)は地域の政治経済協力の中心、そして外交的な結節点として存在感を増してきました。しかし近年、経済的躍進に伴う政治的優位性を主張する中国と、相対的な影響力が低下しつつも既存の秩序維持を望むアメリカの大国間競争の間において、ASEAN躍進の前提が崩れつつあります。中国の拡張主義的な姿勢はまた、日本やインドなどアメリカと基本的価値観や利害を共にする国々にも不安をもたらしています。この文脈において、新たな地域枠組みとしての日米豪印(クアッド)の出現は、ASEANの地政学的な役割に少なからず影響を及ぼすと考えられます。

クアッド諸国は、米中間の競争を取り持つ上でのASEANの役割をどのように認識および評価をすべきでしょうか。 また、一方では中国経済に深く組み込まれ、他方でアメリカの提供する地域安全保障に依存するASEANは、米中対立の激化という懸念すべき状況を回避し、どのようにして自らの一体性と中心性を確保し安定したインド太平洋を実現できるでしょうか。ASEANにとってのクアッドの意義、補完性や解消し得ない課題はどのような局面で顕著でしょうか。

本パネルディスカッションにおきましては、インド太平洋の既存の地域枠組みであるASEANと新たに創出されつつあるクアッドの相互作用について意見交換すると同時に、経済的相互依存の問題や海洋の安全保障および法の支配の担保のためにこの関係性を将来どのように有意義に活用していけるか等について議論を深めたいと思います。皆さまのご参加をお待ちしております。
〔指定の登録サイトにて事前登録制、言語は英語のみとなります〕

過去のSPF-ISASウェビナー:
第1回「大統領選後の米インド太平洋政策 ー 期待と懸念」(2020年11月)はこちら

第2回「日米豪印(クアッド)協力の今後 - 制度化は成功するのか」(2021年1月)はこちら
事務局
笹川平和財団 安全保障研究グループ
Email:anpo-event@spf.or.jp

※取材についてのお問い合わせは経営企画部メディアリレーション課へお願いいたします。
Tel:03-5157-5398 Email:spfpr@spf.or.jp

プログラム

15:00 各パネリストスピーチ
15:45 ディスカッション
16:30 セッション終了

講演者

Dr 木場 紗綾
パネリスト

Dr 木場 紗綾

公立小松大学国際文化交流学部 准教授

プロフィール

神戸大学大学院国際協力研究科博士課程修了(政治学博士)。フィリピン大学第三世界研究センター客員研究員、在フィリピン日本国大使館専門調査員、在タイ日本国大使館専門調査員、衆議院議員秘書、(特非)紛争予防センターのプログラムオフィサーなどを経て現職。専門は東南アジア政治研究、国際協力論で、特にアジアの政軍関係やセキュリティ・ガバナンスに関する国際共同研究を実施している。
最近の業績は下記の通り:
・“Opposition in Power and their Foreign Policies 2009–2012: Legacy of DPJ through Policy Comparison, in Lam Peng Er and Purnendra Jain. eds. Japan’s Foreign Policy in the Twenty-First Century: Continuity and Change, Lexington Books. 2020.
・「治安部門のグッド・ガバナンス:どうすれば軍を監視できるのか」、見市建、茅根由佳編著『ソーシャルメディア時代の東南アジア政治』明石書店、2020.
・木場紗綾「軍」、川中豪・川村晃一 編著『教養の東南アジア現代史』ミネルヴァ書房、2020.
・「米中の間で揺れる東南アジアの外交と日本の関与」『社会科学』第48巻第4号、2019.

※パネリスト他2名および座長のプロフィールは英語版のページにて掲載しております。

開催一覧

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