2025年以降の世界の紛争、国際危機グループ 理事長コンフォート・エロ氏
世界が直面しているグローバルな危機とは何か、そして日本にどのような影響を及ぼすのか。国際危機グループ理事長のコンフォート・エロ氏と笹川平和財団の西田一平太上席研究員がこのテーマについて掘り下げ、ヨーロッパと中東で進行中の紛争、米中対立の激化、そしてトランプ2.0、グローバル・サウスへの影響などについて語り合いました。
インタビュー要約:
―マリアさんはフィジーのご出身でマーシャル諸島在住ですが、生活面での違いはありますか?
太平洋の島国に関し、すべて同じように捉えられていますが、それぞれ特徴があります。マーシャル諸島は環礁で平野が多く、フィジーは火山の島で、地形的な違いが沢山あります。マーシャル諸島は植物があまり育たないので多くの食品を輸入していますが、魚はフィジーよりずっと美味しいです。労働環境に関しては、マーシャル諸島は米国式、フィジーは英国式を採用しており、こちらも全然違いますね。
―PNAの取り組みは、資源管理の改善や加盟国の財政改善をもたらしています。
PNAは、2010年に事務局を開設し、マーシャル諸島はそのホスト国です。締約国グループは、VDS(隻日法)と呼ばれる漁業管理法を考え出し、それによる収入は、実際この4〜5年の間に4倍に増えました。その収入は漁業管理システムへの投資や、その他の公的機関へ還元されています。また、マーシャル諸島にある24の環礁地区の保全対策にも貢献しています。漁業収入によって多くのことが実現しているのです。
―マーシャル諸島とフィジー、それぞれの国と日本との二国間関係の印象は?
日本の水産庁とマーシャル諸島政府で二国間合意があり、私達の排他的経済水域のどこで日本の漁船が操業できるか決められています。マーシャル水域内で獲れたメバチマグロのほとんどは直接日本へ来ています。 フィジーへはかつて日本からの直行便がありましたので、多くの日本人観光客が訪れました。フィジーはその関係を取り戻そうと努力しているのと思います。フィジーもマーシャル諸島も日本との外交関係は良好です。
― SPF SPINF は、『カッティングエッジ・シリーズ』として太平洋島嶼国主導の動きをダイレクトに日本側に届ける試みを始めます。
現在漁業を通じて起きている外交関係の変化において、SPFの役割は重要だと思います。この対話を継続することが大切です。そうすれば、どのように関係を発展させるため協力し合えるか、国益を支え合うか、相互理解が生まれます。SPFが始めたことは非常に重要であり、日本と太平洋島嶼国双方にとってタイムリーなものだと思います。