2025年以降の世界の紛争、国際危機グループ 理事長コンフォート・エロ氏
世界が直面しているグローバルな危機とは何か、そして日本にどのような影響を及ぼすのか。国際危機グループ理事長のコンフォート・エロ氏と笹川平和財団の西田一平太上席研究員がこのテーマについて掘り下げ、ヨーロッパと中東で進行中の紛争、米中対立の激化、そしてトランプ2.0、グローバル・サウスへの影響などについて語り合いました。
インタビュー要約:
―共識メディアグループのウェブサイト『共識網』について教えてください。
共識網」とは、思想・文化に関するウェブサイトです。1999年に設立された、中国の思想・文化関係では比較的上位に位置するウェブサイトです。 私たちは、このウェブサイトで一つのプラットフォームを構築し、中国の様々な思想を発生させることを目指しています。この目的を達成するため、国内のいろいろな立場の学者に連絡を取りました。ですから、ある人は私たちのことを、左にも右にも中立にも通じ、政府と民間をつなぐプラットフォームであると評しています。
―「日中有識者対話」事業の取り組みと今後の方向性について教えてください。
「中国有識者訪日代表団」は、中国の有識者たちが日本を訪問し、日本の各界と交流をおこなうものです。このイベントはすでに年2回のペースですでに5回行っています。毎年一回は割と著名な学者が、もう一回は若い学者が参加します。若い学者がこのイベントに参加するというのは私が提唱したものですが、私は日中交流の将来は若い人にかかっていると考えています。 中国と日本、二つの民族は距離がこんなに近いのですから、我々は必ず未来の世代へ友好的に付き合っていかなくてはいけません。そのためには若者たちが引き継いでいかなくてはならないのです。 そして、様々な日本の人に中国を理解してもらうことが必要だと考えています。各分野の専門家を中国から招き話をしてもらうことで、中国の現状況を含め、より理解を深めてもらいたいのです。また、中国の専門家たちには、この機会に日本をより深く理解して欲しいと思っています。
―日中両国の民間外交の重要性を提唱されています。
日中両国には歴史的な原因によるいくらかの矛盾がまだ残っていると思います。これらの矛盾の解決には、民間交流による強い基礎を作った上で、更に日中友好を推進することが必要です。 鄧小平が70年代末に日本を訪問し、新幹線に乗った時のことです。「日中両国はこんなに近いのに、けんかをする理由など何もない」と言ったのを覚えています。それは第二次大戦後わずか30年余りのことでした。 政府は変わることがあるけれども、人民は変わることがありません。政府が変わることで両国の関係が一時的に友好的でなくなることはあっても、人民の間の関係が良ければ強固な友情を作ることができ、あらゆる困難に打ち勝つことができると思います。