2025年以降の世界の紛争、国際危機グループ 理事長コンフォート・エロ氏
世界が直面しているグローバルな危機とは何か、そして日本にどのような影響を及ぼすのか。国際危機グループ理事長のコンフォート・エロ氏と笹川平和財団の西田一平太上席研究員がこのテーマについて掘り下げ、ヨーロッパと中東で進行中の紛争、米中対立の激化、そしてトランプ2.0、グローバル・サウスへの影響などについて語り合いました。
インタビュー要約:
―日本を含むアジアの歴史問題について、どのようにお考えですか?
歴史問題は、アジアにおける政治問題の多くの根幹をなしていて、国際連携の重荷になっています。日中関係や日韓関係だけでなく、中印関係まで歴史によって圧迫されています。今は、皆で未来を見つめ前進する時です。アジア全体で、歴史がより良き繁栄した未来への足かせにはならないと証明していくことが大切だと思います。
―日印関係が 世界で最も急速に成長している二国関係だと仰っていますが。
日本とインドの連携は、地政学上、アジアを変えることが可能な関係性です。 アジアには、日本、中国、インドの3重要国が存在しますが、そのうちの日印の二カ国が協同すれば、アジアの平和と安定に重要な貢献者となりえます。近い将来、日本とインドの戦略分野における協力はもっと進むでしょう。すでに、両国で首脳会談を一年に一度行うという取り決めもなされています。
―日米同盟はインドやアジアの国々にとっても重要だと思われますか?
アメリカにとって日本はアジア戦略の中心で、日米同盟はアジアの平和と安定の要です。この関係は中国の修正主義によって、さらに重要度を増しています。 この日米パートナーシップは、広くアジアの平和と安定にとって非常に重要です。今、アジアでは、似た考え方を持った国々が友好関係を結び、網状の結合関係を作ろうとしています。それが、アジア・太平洋地域における力の均衡と安定をもたらすでしょう。
―日本の国際社会における積極的な役割を期待されていますね?
第二次世界大戦以降、他国に対して一発の弾も撃っていないという、素晴らしい記録を日本は持っています。世界中見渡しても、そんな記録を持っている国は中々ありません。しかし、何十年にも渡って日本は「受け身外交」を行ってきました。ただ、最近日本が積極的な役割を担いたいという兆候はかなり増えています。 積極的な日本というのは、アジアの平和と安定に必要不可欠です。平和的であるとともに、アジアの舞台で積極的な役割を果たすことが、日本にとってとても重要です。