2025年以降の世界の紛争、国際危機グループ 理事長コンフォート・エロ氏
世界が直面しているグローバルな危機とは何か、そして日本にどのような影響を及ぼすのか。国際危機グループ理事長のコンフォート・エロ氏と笹川平和財団の西田一平太上席研究員がこのテーマについて掘り下げ、ヨーロッパと中東で進行中の紛争、米中対立の激化、そしてトランプ2.0、グローバル・サウスへの影響などについて語り合いました。
2015年5月23日、福島県いわき市のスパリゾートハワイアンズ玄関前に敷かれたレッドカーペットの上に5人の誇らしげな笑顔が並びました。
笹川太平洋島嶼国基金が、太平洋島嶼国との協力関係を促進する活動の一環として、第7回太平洋・島サミット開催のタイミングに合わせ、日本に招へいした経験豊かなジャーナリスト達です。
被災地視察(いわき薄磯地区)
彼らは、ミクロネシア地域(パラオ)、メラネシア地域(フィジー、パプアニューギニア)、ポリネシア地域(トンガ、サモア)からやってきました。
太平洋・島サミット(PALM: Pacific Island Leaders Meeting)は、日本と太平洋島嶼国の協力関係を強化するために1997年から3年ごとに日本で開かれている首脳会議で、今回(PALM7)は福島県いわき市で開催されました。
2日間の会議では、東日本大震災、東京電力福島第一原発事故からの復興にむけて歩み続ける福島の経験を参加国が共有し、防災、気候変動対策、人的交流などについて連携を緊密化することで合意。具体的には、太平洋島嶼国の自立的発展を促すため、日本政府は今後3年間で550億円以上の支援を提供するとともに、4,000人規模の人的交流方針が盛り込まれました。
プレスワーキングルームで執筆
安倍総理とメレンゲサウ大統領による共同記者発表
5月24日、安倍首相と共同議長であったパラオ共和国のメレンゲサウ大統領が記者発表を行い、「福島いわき宣言」が採択されてPALM7は閉幕しました。会場となったスパリゾートハワイアンズで、安倍首相と参加国の首脳達の記念撮影を取材した後、片づけられる前のカーペットに記者達が走り寄って肩を組み合いました。すべてが終わり、安堵感と充実感に満ちた笑顔が輝きました。
Mr. Pesi Fonua/ トンガ王国(Editor- in- Chief of "Matangi Tonga")
3・11の被害が甚大といういわき市の薄磯地区の視察は興味深いものでした。2009年にトンガとサモアを襲った地震と津波を思い出しました。取材のため、翌日飛行機で上空からトンガを見降ろしたら一面緑色に見えました。自分の無力さをつくづく感じました、その時の経験を思い出しました。
ジャーナリズムの仕事は人々に正しい情報をタイムリーに伝えること、そして正しく判断できるような機会を与えることだと思っています。とてもチャレンジングな仕事です。今回のSPFのプログラムに参加して、参加国の記者たちと話ができたことは非常に刺激になり、さらに視野が広がりました。日本と島嶼諸国の相互関係をより一層深めるために、ジャーナリストとして貢献したいと思っています。
Ms. Gorethy Kenneth/ パプアニューギニア(Senior Reporter, Chief of Staff "Post Courier")
Gorethy Kenneth氏は、島嶼国地域では最大の発行部数を誇り影響力も大きい日刊紙、"Post Courier"に15年間勤務し、主に政治面や社会面をカバーしています。今回の招へい者の中で、ただ一人の女性ジャーナリスト。
パプアニューギニアでは、市町村のレベルにおいても国のレベルでも女性の活躍の場は多く、女性政治家も輩出しています。母系的な部族や地域もあり、そこでは女性が土地などの所有権を握っています。女性が優れたリーダーシップを発揮する場面は数多くあります。
PALM7開会式
Mr. Pita Ligaiula/ フィジー共和国(Senior Journalist "PACNEWS")
PALM7開会式
Mr. Peter Magbanua/ パラオ共和国(Reporter "Island Times")
Peter Magbanua氏は、フィリピン出身のジャーナリストで、スポーツライターをしていた7年間は、オリンピックの取材をするのが夢でした。その後、パラオ主要紙に就職し、ジャーナリストとしては16年目の初来日です。
映画やニュースで日本のことを知っていたので、実際訪れてみてギャップは無かった。交通網が発達していて見事にオンタイムで運ばれる人やモノに感銘を受けました。
PALM7開会式
Mr. Mataeliga Pio Sioa/サモア独立国(Chief Editor "Newsline Samoa")
被災地の住民にインタビュー
島サミット終了 スパリゾートハワイアンズ玄関前にて
好奇心旺盛なジャーナリスト達は精力的に取材をしました。早朝からの取材も、長い待機時間も、すでにいろいろな場所で何度も経験済みのベテラン記者達です。それぞれの国を代表して太平洋・島サミットを取材し、真剣な表情で何時間もPCに向かいました。原稿を送信し終わると笑顔でジョークをぶつけあいました。
今回のプログラムの目的は、PALM7の成果と今後の課題を太平洋島嶼国に発信することにより日本との連携を強めることでした。招へいしたジャーナリスト達にとっても、その記事を読んだ太平洋島嶼国の人々にとっても、日本がより身近な国として理解されたなら、それが一つの大きな成果と言えます。このプログラムに参加しなければ得ることのできなかった経験とネットワークを活かし、日本と島嶼国の関係を強くしなやかに成長させるため、積極的に発信を続けていって欲しいと思います。
了