2025年以降の世界の紛争、国際危機グループ 理事長コンフォート・エロ氏
世界が直面しているグローバルな危機とは何か、そして日本にどのような影響を及ぼすのか。国際危機グループ理事長のコンフォート・エロ氏と笹川平和財団の西田一平太上席研究員がこのテーマについて掘り下げ、ヨーロッパと中東で進行中の紛争、米中対立の激化、そしてトランプ2.0、グローバル・サウスへの影響などについて語り合いました。
貿易の自由という恩恵によって、各国間の経済関係の深化は世界でさまざまな形で進み、金融システムの高度化から途上国の市場化(BOP)まで、それら成長に伴う利益がもたらされています。しかしその一方で、個人や企業が市場・金融システムに取り込まれる中、国や国際機関が対応しきれない、さまざまな問題が生じていることも事実です。
そういった状況下にあって、日本と米国は、世界で有数の規模を誇る経済大国であるにも関わらず、両国間において民間レベルでの経済政策に関する、戦略的な対話の取り組みは行われていませんでした。
そこで、SPF は経済学および日米の経済政策に精通した専門家の間で、問題解決をさぐる機会を提供することは大変意義深いと考え、2014 年度に「日米経済フォーラム」を新たに主宰することを決定しました。
講演内容はSPF のサイト上に公開されていますが、アメリカ人から見たアベノミクスを語ってもらうという機会に恵まれ、日本メディアによるバイアスをかけられた形以外での、海外からの評価を得る場となりました。
概要としては、アベノミクスの目標は我が国が経済的に強固な基盤を構築し、そこから日本が強力な役割を演じて、今後のアジアの秩序の構築に積極的に貢献することだと指摘しています。女性の社会進出や、農業改革、労働市場の改革や規制緩和など、取り組むべき問題はまだまだあるものの、3本の矢による政策は正しく、自信をもって進めればいいとのポジティブなメッセージとなっています。記念すべき第1回目のイベントにおいて、日本として大きな成果を実感する喜ばしいスタートとなりました。