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ナオエロ、南オセチアおよびアブハジアの承認を撤回
(2026年7月31日、ヤレン、PACNEWS)
9分
抄訳
ナオエロ共和国政府は、南オセチアおよびアブハジアを独立国家として承認していた立場を撤回し、両地域との外交関係を即時終了した。
政府は声明で、「これに伴い、ナオエロ共和国は南オセチアおよびアブハジアとの外交関係を即時をもって終了した」と述べている。また政府は、関係当局に対して適切な外交ルートを通じて正式に通知する予定であるとした。
一方、ジョージア外務省は、ナオエロがアブハジアおよび南オセチアの承認を撤回したと発表し、この決定は7月21日に行われたと明らかにした。
ジョージア外務省は、「この決定は、国際法の規範を尊重し保護することが健全な国際関係の基盤であることを、改めて示すものである」と述べた。
同省はさらに、ジョージアがナオエロとの外交関係樹立に向けて準備が整っていることも表明した。
ナオエロ(当時の国名はナウル)は2009年にアブハジアおよび南オセチアを承認しており、ロシア、ニカラグア、ベネズエラ、シリアとともに、これらの地域を承認した5つの国連加盟国のうちの一国だった。
今回の決定により、ナオエロは、2011年にアブハジアおよび南オセチアへの承認を撤回し、外交関係を断絶したバヌアツおよびツバルに続くこととなった。
追記:関連記事
ナウル、正式国名を「ナオエロ共和国(Republic of Naoero)」に変更(2026年7月30日、ヤレン、PACNEWS)
ナウルは、正式な国名としてナオエロ共和国(Republic of Naoero)を採用した。政府は、この変更について、国民としての誇りを新たにし、伝統的な国家アイデンティティへ回帰する第一歩であると説明している。
今回の変更により、国名の略称はナオエロ(Naoero)となり、国コードはNROに変更される。また、国民はdei-Naoeroと呼ばれるようになる。
デービッド・アデアン大統領は、7月20日の議会開会演説において、この決定は伝統的な国名の復活に向けた幅広い議論を経て下されたものだと述べた。
政府は、国民投票を実施しなかった理由について、ナオエロは新たに創設された名称ではなく、国民の承認を得る必要のある新名称ではなかったためだと説明した。
また、ナオエロという名称はすでに国家のアイデンティティの一部となっており、国章にも記載され、地域社会で広く使用されているほか、憲法上も認められているとしている。
政府はさらに、国民投票は本来国民の意思を確認するためのものだが、ナオエロという名称は「失われたことはなく、ただ完全に受け入れられる時を待っていただけである」と述べた。
アデアン大統領は、この決定は政治的な問題ではなく、国家としてのアイデンティティに関わるものであると強調した。
同大統領は、この瞬間は「祖先たちの遺産を守り、子どもたちの未来をより強固なものにするためのものだ」と語った。
政府は、ナオエロという名称の採用は、国民としての誇りの再生と、団結、責任感、愛国心、より良い保健・教育、そして持続可能な開発を基盤とする新たな時代の始まりを示すものだとしている。
また、過去の過ちから学び、その教訓を将来世代のためのより良い意思決定に活かすことで、国の未来が築かれていくと述べた。
憲法改正手続きは、2026年1月29日に憲法改正法案が議会に提出されたことにより開始された。
90日間の所定期間を経た後、議員らは全会一致で改正案を承認した。その後、2026年5月13日にマーカス・スティーブン議長が認証を行い、国名変更が正式に発効した。
政府によると、国際機関および各国には正式な通知が行われており、新しい国名への移行作業がすでに開始されている。
コメント
まず、追記された国名変更に関する記事についてです。
ナウルの国名は、2025年1月の憲法改正案の議会上程、その後の90日間の検討期間、議員全会一致による改正案承認、そして5月の国会議長による認証を経て、「ナオエロ(Naoero)」へと変更されました。
ナウル(現ナオエロ)の憲法改正手続きの詳細については承知していませんが、記事からは、議会による改正案の承認をもって国名変更が実現したと読み取れます。また、国民投票が実施されなかった理由については、「Naoeroという名称は既に国家アイデンティティの一部となっており、国章にも記載され、地域社会で広く使用されていること」、そして「新たに創設された名称ではなく、改めて国民の承認を必要とする新名称ではなかったこと」が挙げられています。
ナウルという国の近代史は、まさにローラーコースターのような激しい浮き沈みを経験してきました。リン鉱石輸出による一時的な繁栄の後、1990年代後半から2000年代にかけて深刻な経済危機に直面しました。当時は国家歳入が20億円程度まで落ち込み、政府職員への給与支払いさえ困難となる時期もありました。
一方、2010年代に入ると、ナウル協定締約国(PNA)によるVDS(Vessel Day Scheme)の導入を背景とした入漁料収入の増加に加え、主として難民希求者(Asylum seekers)を対象とする高額なビザ制度による収入拡大によって財政状況は改善しました。2014年頃には国家歳入が100億円を超える水準に達し、経済的な安定を取り戻しています。
豪州政府が運営する難民希求者センターは、直接的・間接的にナウル経済を支える重要な存在でした。しかし2023年には同センター閉鎖に向けた動きが進展し、その一方でナウルは2024年1月に台湾との外交関係を断絶し、中国との国交を樹立しました。
こうした経緯を踏まえると、10年以上にわたり一定の経済的安定を維持してきた現在のナオエロが、自国の歴史やアイデンティティに改めて目を向ける段階に入ったのか、あるいは国家の新たな方向性を内外に示す象徴的な取り組みなのか、興味深いところです。
なお、国名コードは既に「NRU」から「NRO」へ変更されており、PACNEWSでも表記が「NAURU」から「NAOERO」へと改められています。
次に、本記事のテーマである南オセチアおよびアブハジアの国家承認取り消しについてです。
ナオエロに限らず、人口規模の小さな島嶼国では、外交上の重要案件であっても、外部から見ると外部の影響により比較的短期間で方針転換が行われることがあります。
例えば、かつてマーシャル諸島では、ある有力者がある国から約1億円規模の資金提供を受けた結果、国際会議の場で台湾の国旗を隠す対応が行われたという話を、当時の高位政府関係者から直接聞いたことがあります。
南オセチアおよびアブハジアについては、2012年から2013年頃、当時のナウル政府の意思決定に関与する人物と話をする機会がありました。その際には、日本円で約1億円規模の資金協力と引き換えに両地域を国家承認したとの説明がなされていました。
もちろん、こうした証言だけをもって外交判断の全体像を語ることはできません。しかし、小規模国家においては経済的・財政的要因が外交政策に大きな影響を与える場合があることを示す一例として興味深いものです。
今回、国名変更に続いて外交関係の整理・修正が行われたことは、注目すべき流れと言えるでしょう。これは、ナオエロが外部からの影響に左右されることなく、自らの国家アイデンティティと国益に基づいて外交政策を再構築し、独立国家としての立場をより明確にしようとする動きの表れなのかもしれません。
(2026年8月4日 塩澤英之 海洋政策研究所島嶼国・地域部部長)
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