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太平洋島嶼地域ブレーキングニュース 研究員の解説付きPACNEWS厳選記事

核廃棄物計画を科学を使って分析せよ

(2023年7月11日、アピア、SAMOA OBSERVER/PACNEWS)


9分

抄訳

サモアで最も権威のある環境機関の代表は、日本の原子力発電所からの廃水処理水(treated wastewater)を太平洋に放出(discharge)する計画について、「科学に基づいた判断(science-based judgement)」を求めた。
 
国際メディアの報道では、国連の国際原子力機関(IAEA)の承認を得て、日本政府は来月、福島原子力発電所からの廃水を太平洋に放出する計画だという。
 
サモア自然保護協会(Samoa Conservation Society, SCS)のジェームズ・アサートン会長は、サモア・オブザーバー紙からコメントを求められた際、提案されている廃水放出の影響に関する独立科学者からの助言を注意深く検討し、一般市民が反応し始める前に廃水放出の代替案を検討することが重要であるとし、「この問題がいかに感情的であるか、また非常に強い感情を生み出していることを考えると、感情ではなく科学に基づいて判断するよう注意しなければならない」「また、日本が自ら指摘しているように、提案されている放射性物質の排出は、他国が何年も前から行っていることと比べても何ら悪いことではない。」 と述べた。
 
さらに、「したがって、この計画について日本を非難する(condemn)のであれば、他のすべての核保有国(nuclear powers)や原子力エネルギー(nuclear energy)を使用している国々についても、同じようなこと、あるいはもっと悪いことをしているにもかかわらず、それを公表していないことを非難すべきだ。」  「結局のところ、急速に脱炭素化を進めようとしている世界における原子力の役割、特に核廃棄物の安全な処理方法に関するこの問題は、現在の日本の計画よりもはるかに大きな問題であり、私たちはそれを考慮する必要がある。」 と述べた。
 
アルジャジーラ・テレビ・ネットワークは先週、日本政府がIAEAの許可を得て、損傷した福島第一原子力発電所からの放射能処理水(the treated radioactive water)の太平洋への放出(releasing)を来月から開始する可能性があると報じた。
 
しかし、中国など日本の近隣諸国は懸念を表明しており、東京の決定をめぐって論争が激化し続けている。中国原子力庁は最近、福島原発の核汚染水(nuclear-contaminated water)の70%以上が「ろ過システムを通った後、排出制限を満たせず、さらなる処理が必要である」と発表した。
 
太平洋諸島フォーラムのヘンリー・プナ事務局長は、ここ数カ月、太平洋を核のない状態(nuclear-free)に保つ責任をフォーラム加盟国に喚起する一方、日本の首相が、プナ氏と太平洋島嶼国首脳に対し、安全が確認されるまで放射能を排出しないことを確約したことを強調している。

 

コメント

前回掲載したPACNEWSのALPS処理水関連記事リスト以降(6/26~)も、多くの関連記事が掲載されています。PACNEWSとしていろいろなところからALPS処理水の放出反対記事を探し掲載する一方、以前よりも理解を示す記事の掲載が増えている印象があります。
 
本記事では、特に” 「したがって、この計画について日本を非難する(condemn)のであれば、他のすべての核保有国(nuclear powers)や原子力エネルギー(nuclear energy)を使用している国々についても、同じようなこと、あるいはもっと悪いことをしているにもかかわらず、それを公表していないことを非難すべきだ。」  「結局のところ、急速に脱炭素化を進めようとしている世界における原子力の役割、特に核廃棄物の安全な処理方法に関するこの問題は、現在の日本の計画よりもはるかに大きな問題であり、私たちはそれを考慮する必要がある。」”が掲載された点に意味があると思います。
 
さて、私はこれを書いている時点でマーシャル諸島のマジュロに出張中なのですが、昨日政府関係者ではないもののマーシャル諸島在住歴が長く詳しい方(日本人ではない)とさまざまな話をする中で、ALPS処理水に対するマーシャル諸島の一般市民の空気感について尋ねたところ、次のような話がありました。

1. 一般市民の動向について確信をもっていえるわけではないが、目の前の自分たちが今すぐに直接影響を受ける出来事ではないことから、気にしていないか知らないように見える。
2. 他方、政府のリーダーレベルになると、米国核実験の歴史があること、その後の米国や国際機関による科学データを用いた「安全」という説明に騙された経験があることから、日本やIAEAが何を言おうと聞く耳を持たない。
3. 政治的にマーシャル諸島のリーダーが核関連問題に対して容認するような発言はできないだろう。
 
PIF専門家パネルについてはPIF事務局が人選し設置したものであり、国際社会においてIAEAを超える権威があるとするような太平洋島嶼国やPIF事務局の姿勢には疑問がありますが、そのパネルの一人であるリッチモンド博士はマーシャル諸島における核実験の生物への影響を数十年にわたり調査してきた科学者であり、昨年4月の話では見逃されていた生物への影響を発見したと話していました。上記の2つ目の点ついて繋がりがあるかもしれません。
 
現在、マーシャル諸島は米国とのコンパクト改定交渉において核実験賠償関連で議論が続いており、来年3月1日には1946年から58年まで67回にわたり行われた米国核実験において15メガトンの最大出力となったブラボー実験から70年を迎えます。また、数年前から米国がエネウェタック環礁のルニット島に建造した「Runit Dome」という核汚染物質をおさめたコンクリート製のドームに亀裂が入っている疑いがあり海洋汚染が心配されています。
 
マーシャル諸島において、米国による核実験とALPS処理水の話を混ぜてしまっていること自体には強い違和感があり、現地メディアや識者はその違いを明確にしてほしいと思いますが、一方で当地で核実験に関する資料を目の当たりにすると、核実験の影響が過去とはなっていないマーシャル諸島には他の太平洋島嶼国とは異なる背景があると再認識させられました。上記の識者の話が正しい場合、このような背景を持つマーシャル諸島に対して公式に理解を示させるのは酷かもしれず、「日本の責任で」遂行すると伝え、マーシャル諸島に判断の責任を負わせない必要があるかもしれません。希望的観測かもしれませんが、日本とマーシャル諸島の間で長年にわたり構築されてきた関係を信じれば、一時的には強い反発があるかもしれませんが、次第に安全性が理解され収束していくのではないか。
 
地域全体としてはPIF事務局を中心に根強い反発がありマーシャル諸島の姿勢を利用し勢いづくかもしれませんが、地域メディアにおいて本記事にあるように科学的見地で判断すべきという論調の記事が掲載されるようになってきているのは確かだと思います。
(塩澤英之主任研究員)

海洋政策研究所(島嶼国・地域部)
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