太平洋諸島フォーラム(PIF)は、青い太平洋、そこに暮らす人々、そして将来の展望の健康と安全に対する核汚染の潜在的脅威の重大性に対する強い懸念に、引き続き全力で取り組んでいく、とヘンリー・プナ事務局長は語る。
日本が2021年4月に決定を発表する前から、2020年12月に南太平洋非核地帯条約(ラロトンガ条約)の締約国として初めて会合を行った太平洋諸国は、「2011年の福島第一原子力発電所事故による環境への影響への懸念を想起(recalled)し、太平洋へのいかなる潜在的な被害に対処するために必要なあらゆる措置を講じるよう日本に求めた」。
また、「国際法上要求されるように、他国の領土・領海(territory)に対する重大な越境的被害を防止するため、自国の領土・領海(territory)、管轄権、管理権の範囲内であらゆる適切な措置をとるよう各国に求めた」。
これらの重要な声明は、ラロトンガ条約が太平洋諸国に課している、太平洋における核実験の負の遺産(legacy)と太平洋の人々の健康、環境、人権に対する永久的な影響を考慮した、「投棄の防止」(第7条)という独自の義務を含む、主要な国際法上の規則と原則に由来するものである。
したがって、太平洋諸国(Pacific states)は、「何人によるものであれ、放射性廃棄物(radioactive wastes)その他の放射性物質(radioactive matter)の投棄(dumping)を防止」し、「南太平洋非核地帯(the South Pacific Nuclear Free Zone)内のいかなる場所においても、何人によるものであれ、放射性廃棄物その他の放射性物質の海洋(at sea)での投棄を援助または奨励するいかなる行動も取らない」法的義務を負っている。
プナ事務局長によれば、核汚染問題に対するPIFによる具体的な懸念は今に始まったことではなく、長年にわたり、他国による太平洋への核廃棄物投棄(dump nuclear waste)の試みに対処してきた。首脳たちは、日本や他の海運国に対し、「核廃棄物を太平洋に保管したり投棄したりするのではなく、自国で保管したり投棄したりするよう」求めてきた。
1985年、フォーラムは、「日本は、この地域のコミュニティが表明した懸念を無視して、放射性廃棄物(radioactive waste)を太平洋に投棄する(dumping)意図はない(Japan had no intention of dumping radioactive waste in the Pacific Ocean in disregard of the concern expressed by the communities of the region)」という日本の首相(中曽根首相、当時)の声明を歓迎した。
「このような地域的背景に反して、今回の前例のない問題に対するフォーラムの関与は、私たちの青い太平洋にとって、これは単なる核の安全の問題ではないということを意味する。これは核の負の遺産(legacy)、私たちの子供たちや将来の世代の未来に関わる、海洋、漁業、環境、生物多様性、気候変動、健康の問題なのである。私たちの太平洋の人々は、日本の計画から得るものは何もないが、何世代にもわたって多くのリスクを抱えることになる(Our people do not have anything to gain from Japan's plan but have much at risk for generations to come)。」
「この目的のために、科学的議論は、現代の科学的発展に留意し、すべての太平洋諸国を含むこれらの基準の法的拘束力のない性質にも留意しながら、福島のケースに対する現在の国際核安全基準の適切な応用と妥当性を検討することに繋がった。」
「重要なことは、これは国境を越え、世代を超えて重大な影響を及ぼす問題(an issue of significant transboundary and transgenerational impacts)であり、意図的(deliberate)で一方的な大量の核廃棄物の海洋投棄(unilateral dumping of high volumes of nuclear waste into our ocean)の前例となる可能性があるということだ。このこと自体、あらたな「核実験」活動の負担を負うべきでない太平洋島嶼国にとって、大きな影響と長期的な憂慮をもたらす。海洋投棄(ocean dumping)の代替案を含む新たなアプローチが必要であり、責任ある前進の道である。」
「実際、前進するためには、特に影響を受ける国々との包括的な国際協議が必要であり、IAEAのプラットフォームだけでなく、1982年のUNCLOSや、廃棄物等の投棄による海洋汚染の防止に関するロンドン条約および議定書など、海洋および海洋環境保護に関する権限を有する他の関連プラットフォームを通じて行われるべきである。」
「ちょうど今週、我々はBBNJ(国家管轄権外区域における生物多様性)の導入を祝うとともに、経済的、生態学的、文化的価値のある生物資源のために太平洋の健全性を守る1982年UNCLOS(国連海洋法条約)の成功を振り返った。」
「我々は、この問題に関して、科学的、政治的、そして世論的にも、見解の相違を耳にし続けており、これはこの問題に対する世界的な関心の高さの表れである。PIFの独立した科学専門家パネルは、日本やIAEAの専門家だけでなく、原子力(nuclear power)、放射線、高エネルギー物理学、海洋環境科学、海洋学、海洋放射化学を含む様々な関連分野の世界的な専門家たちとも集中的に対話を続けている。私もまた、日本、PIF加盟国首脳、広範なステークホルダーと対話を続けている。この問題について共通の理解を得るためには、より多くの作業と対話が必要であることは明らかだ」とプナは声明で強調した。
「したがって、より多くの時間と十分な注意-予防原則-が、2021年7月の日本とのPALM9会議(第9回太平洋・島サミット)以来、太平洋の首脳たちが強調してきたように、国際協議、国際法、独立した検証可能な科学的評価を通じて継続的に関与するために非常に重要である。」
「私は、日本の岸田文雄首相がフォーラム議長と首脳に対し、すべての当事者が安全であることを確認し、信頼と友好の精神に基づく関係に合意するまで、日本はALPSの核廃水処理水を排出しない。(Japan will not discharge the ALPS treated nuclear wastewater until such time that all parties agree that it is verifiably safe to do so and based on a relationship built of trust and in the spirit of friendship)という確約を表明したことに、引き続き心を打たれている」とプナ事務局長は述べた。