その他にも、マーシャルについては、クワジェリン基地の借地料問題、177条項といわれる核実験に関する賠償問題があり、今回もこの2点はマーシャル側にとって重要な交渉カードとなっています。ケネス・ケリー議長は核実験が行われていたロンゲラップ出身であり、まだ議員になる以前から、補償の対象となる国民を上記の4環礁から10に増やすべきと主張し続けています。クワジェリン基地の借地料についても、故イマタ・カブア大酋長・元大統領を中心に米国政府に強く対応していたことがあり、その兄弟であるマイク・カブア大酋長・議員の孫であるキトラン・カブア氏がこのタイミングで外務大臣に就任し、コンパクト改定交渉に直接関わっていることは興味深い動きといえます。クワジェリン基地に関してはコンパクトの付属協定の1つとしてMUORA(the Military Use and Operating Rights Agreement)が結ばれており、米国は2066年まで同基地を使用できることとなっています(20年の延長オプション付)。