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トンガ総選挙結果、新しい顔ぶれ、女性候補の当選なし
(2021年11月19日、NUKU'ALOFA TIMES/PACNEWS)
9分
抄訳
11月18日夜、同日行われた平民代表17議席をめぐるトンガ総選挙の結果が発表され、国民に驚きを持って迎えられた。
選挙管理官ピタ・ブキ氏がトンガ選挙管理事務所において公式結果を発表、投票率62%、17議席中9議席が新人となり、女性候補は全て落選するという結果となった。
トンガタプ1区では、現職シアオシ・ポヒバ氏がテビタ・プロカ候補に敗れ、ポヒバ時代が終了した。ポヒバ氏は、父サミウエラ・ポヒバ前首相の逝去により実施された2019年の補選で僅差で当選していた。
トンガタプ4区では、ポヒバ政権で副首相を務めた現職セミシ・シカ氏が、新人候補のピンギ・ファシ博士に敗れるという波乱があった。
さらに、同じトンガタプ4区では、民主党支持者で故ポヒバ首相の義理の息子であるマテニ・タプエルエル氏が新人のタタフ・モエアキ候補に敗れた。
エウア選挙区では、タニエラ・フシマロヒ元教育局長が、テビタ・ラベマアウ財務大臣を破った。
選挙結果は以下のとおり。
Tongatapu (トンガタプ)
1- Tevita Puloka
2- Dr. Pingi Fasi
3. Siaosi Sovaleni
4- Tatafu Moeaki
5. Dr. ‘Aisake Eke
6. Poasi Tei
7. Sangster Saulala
8. Semisi Fakahau
9. Sevenitini Toumoua
10. Dr. Pohiva Tu’i’onetoa
‘Eua (エウア)
11. Dr. Taniela Fusimalohi
Ha’apai (ハアパイ)
12. Vili Manuopangai Hingano
13. Veivosa Taka
Vava’u (ババウ)
14. Dr. Saia Piukala
15. Samiu Vaipulu
16. Dr. Viliami Uasike Latu
Niua (ニウア)
17. Vatau Hui
各当選者の獲得票数
TT1 - Tevita Puloka - 1695 votes
TT2 - D. Bing Fasi - 962 votes
TT3 - Huakavameiliku (Siaosi Sovaleni) - 2084 votes
TT4 - Tatafu Moeaki - 1237
TT5 - Dr Aisake Eke - 958 votes
TT6 - Poasi Tei - 1771 votes
TT7 - Sangster Saulala - 810 votes
TT8 - Semisi Fakahau - 1020 votes
TT9 - Seventeen Toumoua - 828 votes
TT10 - Pohiva Tuionetoa - 1303 votes
Eua 11 - Taniela Fusimalohi - 1072 votes
HP12 - Manuopangai Hingoa - 475 votes
HP13 - Veivosa Taka - 731 votes
VV14 - Saia Piukala - 1010 votes
VV15 - Samiu Vaipulu - 747
VV16 - Dr Viliami Latu - 1047
Niua 17 - Vatau Hui - 367 votes
(訳:塩澤英之主任研究員)
コメント
11月18日、トンガで4年ぶりとなる総選挙が実施されました。
故ポヒバ首相(在職期間2014年12月-2019年9月)が首相になる以前に主導していた民主化運動の結果、現在のトンガ議会は全26議席、うち平民代表17議席、貴族代表9議席で構成されており、首相は26議員の投票により指名されます。
ここで、2018年に筆者が内部資料としてまとめていたトンガの民主化運動の経緯を紹介します。
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トンガでは1970年の独立後、国政は王室と貴族が担ってきたが、国内外で民主化を求める動きがあり、2002年および2004年に議会による政治改革案が提示された。2005年のPIFサミットではトンガの民主化問題が提起され、2006年には民主化運動が暴動へと発展し、首都ヌクアロファ中心街が炎上し、約800名が逮捕される事態となった。
2010年に新しい議会構成、議会による首相選出が導入されたが、議会は平民議席17、貴族議席9議席の全26議席であり、貴族側が平民5名を取り込むことで貴族・王族による支配が可能な形となっていた。
平民側議席はポヒバ率いる民主主義政党DPFI(Democratic Party of Friendly Islands)と無所属により構成され、2010年の選挙ではDPFI12議席、無所属5議席とDPFIが平民代表17議席の過半数を占めたものの、無所属平民議員と貴族9名の支持により、首相には国王に近いトゥイヴァカノ氏が選出された。
2014年の選挙ではDPFI9議席、無所属8議席、貴族9議席となったが、首相指名選挙ではポヒバが15票を獲得し、初めて首相に選出された。一方で、議長にはトゥイヴァカノ前首相が同じく15票で選出された。内閣は財務と土地担当大臣はそれぞれ留任し、土地担当大臣は貴族であった。
ポヒバ首相は、民主化運動の闘士であり、王室の政治関与を軽減し国王の地位をより象徴的にすることを目指していた。これを受け、議会では2017年8月までに内閣不信任案を提出する動きが4回程起こったがいずれも否決、もしくは議会に提出されなかった。2017年2月には内閣不信任案が正式に議会に提出されたが、否決された。
しかし、2017年8月、トゥイヴァカノ議長が枢密院を介して国王に進言し、憲法に保障されている国王の権限で議会が解散され、同年11月に平民17議席を対象とする選挙が行われた。
結果は、DPFI14議席、無所属3議席で、ポヒバ首相圧勝、初めて平民政党が議会で単独過半数を獲得した。これはトンガ国民の根強い民主化支持を表すものであり、貴族および王室の政治関与への不満の表れであった。平民が有する王室や貴族に対する不満の要素の一つとして、王室と中国の関係、中国との関係深化に伴う平民の実生活への影響に対する危機感があったものと考えられる。
(2018年4月、塩澤)
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このように民主化運動を推進してきたポヒバ氏は首相として中国とも一定の距離を置く姿勢を見せていましたが、2018年頃には、ポヒバ首相および同政権に対して、権力を得て姿勢が変わったなどと国民の不満の声も聞かれるようになりました。2019年9月のポヒバ首相逝去後には、議会では平民の力が弱まりましたが、一方で、過去1年の報道からは、国王が議会に対して強い不満を持っていたことが読み取れます。
トンガでは新型コロナウイルスの流行は発生していないものの、昨年来、非常事態宣言下にあるため、その状況が影響したか否かの分析が必要ですが、今回の選挙結果で明らかとなったのは、民主化運動の闘士であったポヒバ時代が終焉を迎えたということです。
ただし、依然として平民の間には民主化を求める声が根強く存在しています。トンガ新政権がどのように構成されるのか、今後のトンガ政治の動向が注目されます。
(塩澤英之主任研究員)
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