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AOSIS, COP26文書草案に不満
(2021年11月11日、PACNEWS)
5分
抄訳
小島嶼国連合は、11/10(水)に発表された英国CO26文書草案で使われている言葉について不満を示した。文書で使われている言葉は、危険な温暖化を防ぎ、1.5度目標を維持するためには不十分であると警告した。
ウェブソンAOSIS議長は、英国CO26文書草案で使われている「urging」「encouraging」「inviting」は現状で求められている断固とした言葉ではないとし、「正しい成果を出し、我々の子供たちに明確なメッセージを送り、我々とあなた方が現在の危機を真剣に受け取るためのCOP26で我々に残された時間は限られている。」
また同議長は、文書は基本的に前進させるものであるが、特にファイナンスなど最も脆弱なニーズに対応する重要分野について、文言が強化される必要があるとし、「損失と損害とは分離したものを含むファイナンスの増資が実現しなければ、我々が必要としている1.5度目標に必要な排出削減に達することはない。」と述べた。
文書は締約国に対し、現在の温室効果ガスの削減約束は気候カタストロフィを防ぐために必要な量に届いておらず、「2022年末までにパリ協定における温度目標に沿って、国が決定する貢献(NDC)における2030目標を再考し強化するよう」求めている。
パリ協定において、締約国は世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して、2℃より充分低く抑え、1.5℃に抑える努力を追求することに合意している。
英国のボリス・ジョンソン首相は、COP26の目的は、1.5度目標を「生かしておく」ことだ とし、「我々の惑星と人々のために、世界各国は違いを越えて結束する時だ」「1.5度目標を握り続け、全ての障害を取り除く必要がある」と述べた。
同文書は、締約国に対し、石炭を燃やすことを止め、化石燃料への補助金を止める取り組みを加速させるよう求めている。
また同草案は先進国に対し、気候変動に適応できるようより貧しい国に対する援助、しかもローンではなく贈与という形で、早急に拡大することを要請(urge)しているが、資金を配布する新しい計画は含まれていない。
開発途上国と活動家は、草案交渉における気候変動の影響に対処している貧しい国々に対する資金の供給について疑問視している。
同草案最終版は約200か国による全会一致で合意されなければならない。
(訳:塩澤英之主任研究員)
コメント
COP26の最終文書のとりまとめ過程に関する記事になります。訳ではカットしましたが、活動家としてグリーンピースの方のコメントも掲載されていました。
事前に発表されていた気候変動政府間パネル報告書により、人々に残された時間は少ないという認識が共有されており、産業国に対して温室効果ガスの劇的な削減を求めています。さらにCOP26当初から、太平洋島嶼国など気候変動の影響の前線にあるとする国々は、言葉ではなく具体的な行動として、主要排出国を含む国々に対して、適応のための資金を出すよう求め続けています。そのため、COP26文書に具体的な増資を約束させる文言が必要とする立場にあると考えられます。
一点、「同草案は先進国に対し、気候変動に適応できるようより貧しい国に対する援助、しかもローンではなく贈与という形で、早急に拡大することを要請(urge)しているが、資金を配布する新しい計画は含まれていない。」とあるように、依然として先進国と開発途上国で線引きされているところが、気になります。
(塩澤英之主任研究員)
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