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太平洋島嶼地域ブレーキングニュース 研究員の解説付きPACNEWS厳選記事

COP26:パラオ大統領「我々が直面している緩慢で苦痛に満ちた終焉に尊厳はない」

(2021年11月4日、PACNEWS)


抄訳

化石燃料の早急な削減に関する合意到達に対する世界の排出国の無為な態度が、気候変動の最前線にある太平洋島嶼国をいら立たせている。
 
パラオのスランゲル・ウィップス・ジュニア大統領は、グラスゴーで開催されているCOP26において世界のリーダーに対し、人為的な地球温暖化の主要原因となっている化石燃料の使用による海面上昇にパラオが脅かされているとし、「我々は溺れ死のうとしており、我々の希望はあなた方が持つ救命浮き輪だけだ。」「発展に対する飽くなき意欲を持つ大排出国が我々の環境を虐待し、我々の生存を脅かしている。COP26は本気にならなければならない。」「我々はお互いに説明責任を持たなければならない。気候変動枠組み条約締約国は、先鋭的な行動、一貫した動員、理性的な成果に集中する責務を有しており、パリ協定の実行指針ルールの決定をCOP26の優先的な成果に位置付けるべきだ。」と伝えた。
 
ウィップス大統領は、気候カタストロフィーと、幼児が巨人になり成長が止まらないというパラオの寓話が、全ての自然資源を破壊する意味で奇妙なほど似かよっているとし、「焼けつく太陽が耐え難い熱をもたらし、熱い海が我々を侵攻し、強い風があらゆる方向から吹き、我々の資源が目の前で消えていき、我々の未来が奪われていく」「率直に言えば、我々のゆっくりとした運命的な終焉を傍観して我々を苦しめるより、あなたがたが島々を爆撃する方がましなほど、緩慢で苦痛に満ちた死に尊厳はない。」と説明した。
 
さらにウィップス大統領は、世界の排出国は気候ファイナンスへ出資を増額させなければならないとし、「我々最も影響を受けている島嶼国として、あなたがたの年1000億ドルの約束を、世界銀行レポートにある気候変動の適応に必要なコスト4兆ドルに見合うところまで引き上げるよう求める」と述べた。
 
COVID-19による国境封鎖の影響により、今年のCOP26には、フィジー、パラオ、ツバルの首脳のみが出席している。
(訳:塩澤英之主任研究員)

コメント

記事タイトル(“You might as well bomb us” Palau President tells World leaders at COP26」)を見たときには、気候変動=爆撃という意味だと想像しましたが、本文を読むと「緩慢な死を傍観するのであれば~」といったニュアンスでした。
 
今回の記事の中でウィップス大統領が触れているのは、ウアブという寓話です。ジェロム・テメンギル著「Legends of Palau」(2004)から、内容を紹介します。
 
『世界に人類が誕生するよりもはるか昔、神々の時代、現在のパラオにはストーンフェイスが存在していました。ある時、天から男性神トベレアクル(Tbereakl)が現在のアンガウルに降り立ち、数千年もの間、一人寂しく過ごしていました。ある時、海から女性神ラトミカイク(Latmikaik)が現れ、この2柱は恋に落ち、やがてラトミカイクは植物、海洋生物、鳥、昆虫、哺乳類を生み、2人の息子と2人の娘を生み、その神々が多くの神々を生み、神代のパラオが作られていきました。
 
さらに数千年後、女性神ラトミカイクは後にウアブ(Uab)と名付けられる子供を生みました。その子供は驚くべき早さで成長し、食欲が止まらず、村人(神々の子孫)に食べ物を求め続けました。ウアブはどんどん成長し、食欲も留まることを知らず、あらゆる食料を食べつくす恐れが出てきました。そこで住民は策を練り、母ラトミカイクを通じ、ウアブにウアブを称える儀式を行うと伝えました。やがて村人が集まり、ウアブの周りにヤシの葉や木を集め、アトラクションの一つとしてウアブの手と足を縛りました。まだ幼い子供であったウアブは純粋にその儀式を楽しみにしていました。そして、一人の村人が冗談を言ってウアブの気を引き、その背後で別の村人が火をつけ、あっという間にウアブは火にまかれました。
 
ウアブは恐怖と怒りの中、北向きに倒れ、現在のガラロンにある石で出来たバイ(伝統的集会所)の柱に頭が刺さり、亡くなりました。ウアブが倒れたときに大きな波が発生し、当時の村人の多くも命を落としました。ウアブの頭は現在のガラロン、体はバベルダオブ島、足はコロールになり、現在のパラオの島々が形成されました。そして、その島々はおとぎ話を意味する「ベルウ(beluu)」と名付けられ、転じて「ベラウ(belau)」を呼ばれるようになりました。』
 
ウアブは貪欲にあらゆる資源を食べつくし、村人が力を合わせて、その子供を倒したという神話です。このストーリーでは、その際に生じた津波のような災害により村人の多くが命を落としたと伝えています。現在のパラオの人々は、そのあとに現れた人々の子孫なのかもしれません。
 
フィジーのバイニマラマ首相、ツバルのナタノ首相、パラオのウィップス大統領と、太平洋島嶼国が直面している切迫感と強い危機感を世界のリーダーに伝え、行動を求めました。
 
また、今回の発言から、パラオは気候変動を自国の安全保障上の脅威と認識していることが明らかであり、筆者としては、COP26に加え、現在米国と改定交渉中のコンパクトの安全保障・防衛部分において、気候変動がどのように反映されるか注目しています。
(塩澤英之主任研究員)

海洋政策研究所(島嶼国・地域部)
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