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太平洋島嶼地域ブレーキングニュース 研究員の解説付きPACNEWS厳選記事

COP26:ツバル首相、島嶼国への海面上昇の影響に関する懸念を提起

(2021年11月4日、PACNEWS)


8分

抄訳

ツバルのカウセア・ナタノ首相は、国民は毎日気候変動の現実の中で生活しているとし、「まさに今、ツバルの首都フナフチのある中央地区の40%は、すでに海面の最高水位の下にある。未来の予測ではない。これが現在我々が生きている現実だ。我々は待つことはできない。我々は我々の未来を確保するために大胆な決定を行い、正しい行動をとる必要がある。」「このCOPは行動のCOPでなければならない。全ての国々がグローバルコミュニティを守る共同責任があることを認識し、その責任に対する説明責任を確かなものとするため、今行動しなければならない。」「我々は、気候変動と海面上昇の最も破滅的な影響を避けるために、世界の基準、実践、意味のある変化 を先頭に立ち発展させなければならない。」と述べた。
 
また、同首相は、ツバルがアンティグア・バーブーダと気候変動と国際法に関する小島嶼国委員会を設立する協定を結んだことを紹介し、「同委員会は炭素排出、海洋汚染、海面上昇に対する国家の法的責任に関し、国際海洋法裁判所(ITLOS, the International Tribunal for the Law of the Sea)に助言を要請する権限を有する。我々は、損失と被害に対する賠償を含む、正しく正当な世界的環境的規範と実践の開発と実施への取り組みを支援しなければならない。」と述べた。
 
同首相は、現実に存在する気候変動と海面上昇の脅威は、ツバルの国の存続を脅かすほど強まっているとし、「我々の海上境界と資産を海面上昇の影響を受けない永続的なものとして承認できる、法的メカニズムに関する国際的議論に着手した。」「我々はまた、その法的枠組みが、デジタル化とモバイル・デジタル国家建設を通じたものを含む、ツバルのような国の文化、言語、遺産を保護するものとなると認識している。」「我々は、気候変動に関する海面上昇における海域の保護に関する宣言(the Declaration on Preserving Maritime Zones in the Face of Climate Change-related Sea-Level Rise)に対する国、地域、国際レベルの努力を支持しなければならない。この地域宣言は、本年太平洋諸島フォーラムにおいて承認されたものであり、フォーラム諸国の海域が気候変動による海面上昇により修正を迫られたり減少されないよう保証を求めるものである。」と述べた。
 
また、同首相は、「私は明日全ての温室効果ガスの排出が止められないのであれば、ツバルや他の低環礁国は水没し土地が急速に消えるであろう。」「我々はパリ協定の実施指針であるパリ・ルールブックの交渉を完了し、目標達成への進捗を妨げる活動を止めることでパリ協定の完全性を守る必要がある。」と加えた。
 
さらに太平洋諸島フォーラムの前議長であるナタノ首相は、世界の主要排出国に対し、より強力な気候行動の約束と長期低排出開発戦略の形成を求め、「COPの成功はあなた方、世界の主要排出国と支援にかかっている。」「ツバルでは、我々は気候変動の未来の影響の中で生きている。自然に基づく解決法のようなソフトな適応手段は助けとなるものの、標高が海面の1.9メートルしかないツバルでは、そのような手法は海面上昇から守ることにならないだろう。」「ツバルは我々を守るための物理的インフラ建設に基づく適法方法が、今まさに必要である。我々は埋め立てによる土地のかさ上げに投資しており、これが我々の最優先課題である。」と強調した。
 
気候ファイナンスについて、ナタノ首相は、「民間部門による支援は重要であり、強化されるべきであるが、国際的公的ファイナンスを通じた重要な資金を陰らせるべきではない。」「我々は大規模な適応ファイナンスを動かさなければならず、COVID-19により遅延されるべきではない。またそれらの資金は最も脆弱な対象に優先されるべきであり、ローンではなく、公的な贈与ベースの資金として提供されるべきだ。」と述べた。
 
※以下省略
(訳:塩澤英之主任研究員)

コメント

端的に言えば、ツバルは世界の温室効果ガス排出国のせいで海面上昇の脅威にさらされており、国と国民の財産を守るために、原因を作った国々は賠償金を払うべきと主張しているようです。筆者の個人的な観点からは、ツバルらしい発言との印象を受けました。
 
気候変動、特にツバルにおいては海面上昇に対する適応方法として、ツバルは、かつて日本のJICAが推進していた長期的視野による礫養浜プロジェクトのような自然環境に配慮したアプローチではなく、今目の前にある海面上昇の脅威に対処するためにシーウォールの建設や埋め立てによる土地の拡充・強化を行いたいということのようです。
 
ツバルの国家予算は日本円で50億円前後であり、政府支出のGDP比が100%を超えることもあります。そのような財政規模の国が護岸工事や埋め立て工事を行うには、数年分の国家予算に相当する資金が必要であり、その資金をローンではなく温室効果額排出国の資金を原資とする贈与で調達したいということ。しかも、「援助」ではなく、気候変動・海面上昇をもたらした加害者による「賠償」といった位置づけであり、そのための国際法上に基づく正当性を明確にしたいということだと考えられます。
 
また、ここでも8月の第51回PIFサミットで首脳が合意した「the Declaration on Preserving Maritime Zones in the Face of Climate Change-related Sea-Level Rise」が提示され、PIFサミット、国連総会、COP26と繋げていくという初期の計画と着実に進めています。
 
かつて日本のODA案件のツバルへの引き渡し式において、その場でツバル側から「次は何をくれるのか」といった発言があったと聞いたことがあります。二国間関係のODAでは数年に一度の大規模支援となる一方、賠償金という体裁の資金であれば、より早く開発を進められるということでしょうか。
 
国の財政秩序、社会秩序というものを考えた場合、果たして国家予算数年分の大規模な資金が一時期に投入されることが正しいことなのか。そのような懸念を越える非常事態レベルの差し迫った危機にツバルが直面しているのか。いろいろなことを考えさせられます。
 
ツバルに限らず、太平洋島嶼国は国際社会に対し現地を訪問し実際の現場を見て欲しいと事あるごとに主張しています。筆者も同感であり、ツバルを訪問すれば、いろいろな意味で現実が見えてくることでしょう。
(塩澤英之主任研究員)

海洋政策研究所(島嶼国・地域部)
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