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フランス政府、ニューカレドニアの住民投票警備に大規模部隊を配備
(2021年10月27日、RNZ PACIFIC/PACNEWS)
抄訳
フランスは、3回目にして最後となる12月12日実施のニューカレドニア独立住民投票に向け、前例のない警備体制を詳細化した。
独立派のFLNKS(カナク社会主義民族解放戦線)は、フランス側が投票を来年に延期することを拒否したため、支持者に投票のボイコットを呼びかけた。これを受けたフランス当局が、今回の発表に至った。
呼びかけに従えば、2018年と2020年の住民投票と同様、反独立派が再び過半数を占めることはほぼ確実である。
フランスのパトリス・フォーレ高等弁務官は、12月の住民投票で安全なプロセスを確保するため、15の機動隊を含む1,400人の武装警察がフランスから派遣されると話した。
先日、住民投票のための最初の応援部隊として、250人の武装警察がヌメア入りしており、これからの数週間で、国家警察から100人、軍から250人が追加派遣される予定である。
あらゆる事態に対処すべく、警察のエリート戦術対応部隊が送り込まれるほか、車両160台、装甲車30台、ヘリコプター2機、輸送機1機が、数週間以内に派遣される。
また、60人の捜査員が派遣され、必要とされる期間、滞在する見込みとなっている。
これに加えて、ソーシャルメディア上のヘイトスピーチや暴力の呼びかけに対応するためのサイバーユニットも設置される。
治安維持活動を統括するクリストフ・マリエッティ大将は、2018年の住民投票時の2倍の規模となる今回の配備は、「安心感、抑止、対応力」を目的としていると述べた。
2018年の投票後にヌメア南部で暴動が発生し、幹線道路が閉鎖された際には、警察が道路を再開するのに2日を要した。
今回の投票は、新型コロナパンデミックを理由に延期を求める声もあるが、高等弁務官及びセバスチャン・ルコルニュ海外県・海外領土相は共に、6月の発表通りに実施するとしている。
ルコルニュ大臣は、民主主義の下では、投票は予定通りに行われるものであり、制御不能なパンデミックだけが、日程変更を可能にすると説明した。
ニューカレドニアでは、9月初旬から地域的な感染拡大が始まって以来、1万人以上が新型コロナウイルスに感染し、先住民族カナクを中心に、260人以上が死亡している。
FLNKSは、新型コロナ対策により会合が制限され、住民投票に向けての活動が妨げられていると話す。また、カナクの人々は喪に服しているため、投票は来年9月に延期すべきだと主張している。
投票延期の意向は、政治集団「メラネシア・スピアヘッド・グループ」も支持している。
一方、住民投票に向けて活動を再開した反独立派は、焦点となる問題は過去3年にわたり議論されてきたと指摘し、独立派の言い分をはねつけた。また、4月の時点で、他の政治家が反対していた3回目の住民投票実施を希望したのは、独立派の政治家だったと述べた。
ルコルニュ大臣は、12月の住民投票から18か月後に、ニューカレドニアの新たな立場に関する投票が行われるとしている。
フランス政府は7月に発表した資料で、「賛成」と「反対」のそれぞれの場合の結果を概説した。
反対多数の場合、フランスへの部分的な再統合措置の道が開かれる一方で、賛成多数の場合は、移行期間を経た後、急な断絶を迎えることになる。
FLNKSの政治家ピエール・シャネル・トゥトゥゴロ氏は、現在の議論において、1983年のナンヴィル・レ・ロッシュ円卓会議で確認された2つの重要な歴史的側面が残っていると話す。
同氏はまず、フランス国家が、植民地化されたカナクの人々の独立に対する先天的かつ積極的な権利を認めた点を挙げた。またカナクの人々は、将来的な脱植民地化のプロセス(住民投票)において、フランスの植民地化によって現地に移住したさまざまなコミュニティ(の票)も含めることを承諾したのだという。
(訳:立入瞳)
コメント
1946年に作られた国連非自治地域リストというものがあります。仏領のニューカレドニアは戦後まもなく1947年に同リストから削除されましたが、先住民カナックの人々を中心とする独立運動と地域の支援により1986年に再掲載されました。FLNKS(社会主義カナック民族解放戦線)を含むメラネシアン・スピアヘッドグループ(MSG)も同じ年に設立されています。
国連非自治地域リストに載ると、施政権を有する国は自治の形について現地住民の意思を確認し、国連に報告する義務が生じます。国連は対象地の自治レベルをモニタリングし、独立・非独立に関わらず、高度な自治が達成できていることが認められれば同リストから削除します。
ニューカレドニアは1986年の同リスト再掲後、1988年のマティニヨン合意により現地の自治権が拡大し、1998年に更なる自治権拡大に向けたフランス政府、ニューカレドニア独立反対派グループ、FLINKSによりヌーメア協定が結ばれました。
同協定において、2018年から3回にわたり住民の意思を問う取り決めがなされ、2018年に第1回住民投票(独立賛成43.60%)、2020年に第2回住民投票(独立賛成46.74%)、そして、本来であれば3回目の投票は2022年の10月~12月頃に行われるところでした。しかし、来年4月に予定されているフランス大統領選の前に実施したいというフランス政府の強い意向により、1年前倒しし、今年の12月12日に第3回目の住民投票が設定されました。
ニューカレドニアの人口は、欧州系が3割程度、先住民カナックが4割強、近隣のウォリスフツナ系1割などで構成されています。宗主国出身者が多く居住している点が他の太平洋島嶼国とは異なります。
第1回、第2回と独立支持が過半数に近づきつつあり、FLNKSを中心とする独立支持派は第3回目の投票に期待をしていましたが、コロナ禍と日程前倒しにより、情報や交通手段の限られている村落部に多く居住している先住民の投票率が下がることが想定され、独立賛成が過半数を超えることは難しいとみられています。
今年、ニューカレドニアでは政府主席(ニューカレドニアの大統領にあたるポスト)、議長とも独立支持派が選ばれていますが、第3回住民投票の日程に変更はなく、FLNKSは先住民の投票ボイコットを宣言しています。
基本に戻ると、今回の住民投票は高度な自治権付与を目的とするヌーメア協定に基づくものであり、このまま住民投票が行われ、先住民がボイコットした場合、状況が1998年に戻ることもあり得ます。また国連非自治地域リストから外すか否か、国連のモニタリング対象になっていることから、十分に住民の意思に基づく自治が確保されない場合、今後も同リストに載り続けることになります。
今後、現実的には完全な独立の他にも、米国自由連合国のような形で、外交権は独立させつつ安全保障は旧宗主国が責務と権限を持つといった形態をとるかなど、出口戦略が求められるのではないでしょうか。比較できる形態としては、米国自由連合国(国連加盟、安保は米国)、NZ自由連合国(国連非加盟)、北マリアナ(非独立)などがあります。
かつて1980年にバヌアツが英仏共同統治から独立した際、宗主国であった英国とフランスではその過程における対応が大きく異なっていたと当時を知るバヌアツの方から伺ったことがありますが、現在のニューカレドニアの状況はその話を改めて想起させます。
(塩澤英之主任研究員)
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