パラオ議会は、全国区選出13議員で構成される上院(The Senate)と16州各州の代表16議員で構成される下院(House of Delegates)からなります。筆者の経験では、下院の方がより地方に根差しており、一方で十分な科学情報や取り決め、経済や財政の仕組みに関する丁寧な説明が必要という印象があります。この記事は、PNMSに関し、下院がPNMSの一時解除を求めたところ、伝統的権威による酋長評議会(COC)が再考を求めたことを報じています。
ナウル協定締約国グループ(パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島、キリバス、ナウル、ツバル、ソロモン諸島、パプアニューギニア+トケラウ)が入漁許可を1日1隻あたりの単価で算出し日数を販売する仕組みである隻日法(VDS, Vessel Day Scheme)を導入し始めたのは2010年になります。VDSの仕組みでは、加盟国各国に販売日数を割り当て、各国が漁業国側に対して日数を販売します。また、地域全体の資源管理・収入安定化という目的もあり、加盟国間で日数の売買が認められています。例えば、漁場が移動し、キリバス海域で豊漁、マーシャル海域で不漁というとき、キリバスの販売日数はその年の半ばには売り切れてしまいます。その時に、不漁の加盟国(この例ではマーシャル)からキリバスが日数を買いとり、自国の利益分を上乗せして漁業国側に販売することが可能となっています。そのVDS単価は2012年時点で2000米ドル台だったものが、2018年頃には10000米ドルを超えるまでになりました。