FSMと豪の防衛協力対話、IUU漁業と海洋安全保障に焦点

(2021年7月6日、ISLAND TIMES/PACNEWS)

【抄訳】
ミクロネシア連邦(FSM)とオーストラリアの両政府の間で行われた2021年防衛協力対話は、二国間安全保障関係の強化及び深化、並びにFSMと太平洋全体に影響する相互の安全保障上の利益及び課題についての綿密かつ率直な意見交換をもって、成功裏に終了した。
 
FSMとオーストラリアは、「太平洋海上保安プログラム」、「海上保安協力」、オーストラリアの「女性・平和・安全保障(WPS)」プログラム、法執行官のための技術支援や研修機会の提供など、継続的な取り組みや協力関係を維持することを再確認した。
 
また、太平洋地域で急激に増加している違法・無報告・無規制(IUU)漁業にどう対応するかも重要な議論となった。来年初めにオーストラリアで引き渡され、その後FSMに到着する予定のガーディアン級巡視船に関する事項、また安全保障パッケージの一環として航空支援がどのように提供されるかなど、重要な情報交換も詳細に行われた。
 
ジョセス・R・ガレン司法長官は、FSMにおける法執行、治安問題、能力向上の必要性に触れ、進行中の計画、取り組み、戦略についての説明を行った。
 
最後に長官は、オーストラリア政府によるFSMの海上保安及び取締りに対する支援と貢献に感謝の意を表し、会議を前向きに締めくくった。
 
FSMのディビッド・W・パニュエロ大統領は、会議終了後の声明で、「ジョー・カウリー駐FSMオーストラリア大使、デビッド・ペリー海軍少佐(LCDR)、クレイグ・ホスキン海軍曹長(CPO)、国防省太平洋・東ティモール局長のスティーブン・エッジリー空軍准将(AIRCDRE)をはじめ、この『裏庭の楽園(=FSM)』で平和、友情、協力、人類愛を推進するすべてのオーストラリア人に心から感謝します」と述べた。
 
「オーストラリアは、一貫してミクロネシアの人々に対する誠実さ、真摯さ、そして愛を示し、足りない部分を見つけて埋めることに長けています。私たちは、オーストラリアによる海上保安及び監視能力(強化)のパートナーシップから日々恩恵を受けており、今年の防衛協力対話が成功したことに感謝しています」
 
(訳:立入瞳)
 
【コメント】
ミクロネシア連邦は米国と自由連合盟約(コンパクト)を結んでいる米国自由連合国であるため、同国の防衛・安全保障の責務と権限は米国が有しており、この記事によれば、今回のミクロネシア連邦・オーストラリア防衛協力対話では主に法執行に関わる話し合いが行われました。

伝統的安全保障枠組み

太平洋島嶼地域の伝統的安全保障枠組み(笹川平和財団太平洋マップをもとに筆者作成)

オーストラリアは、これまで駐ミクロネシア大使館がパラオとマーシャル諸島を兼轄していましたが、同国ステッピングアップ政策により、両国に個別に大使館が設置されました。これにより駐ミクロネシア大使館は、ミクロネシア連邦にリソースを集中することができ、より深いところまで関与できるようになっています。
 
日を改めて紹介できると思いますが、この会合の前には海底ケーブル敷設計画への中国企業の関与可能性に対する懸念に関する報道があり、この会合の後にはパニュエロ大統領のハワイ訪問と米国インド太平洋軍(INDOPACOM)との会合に関する報道がありました。

中台関係2021

太平洋島嶼国と中台関係(笹川平和財団太平洋マップをもとに筆者作成)

米国自由連合国のいわゆるミクロネシア3国の中で、ミクロネシア連邦のみが中国と外交関係を有し一帯一路構想にも参加しています。米国の「自由で開かれたインド太平洋戦略」上、ミクロネシア連邦の重要性はますます高まることになるでしょう。
 
(塩澤英之主任研究員)

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