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コロナ危機はまだ終わらないー「長期戦見据えて」フィジー保健省が警告+6/18情報追記

(2021年5月4日、FIJI TIMES/PACNEWS)


抄訳

フィジー保健省の事務次官であるジェームズ・フォン博士は、新型コロナウイルスを封じ込めるため、国民は長い戦いに備えるべきだと警告している。
 
フォン博士は、5月初めの記者会見で、2人の医師が新たに新型コロナウイルス陽性となったことを発表。保健チームは「数ヶ月に及ぶ」封じ込め戦略の準備ができており、「すべての国民も、同様に準備をしなければならない」と述べた。
 
また、同省は今後もリスク評価を継続し、「現在進行中の封じ込め戦略を明確にしていく」としている。
 
「今日のような大流行のきっかけとなった症例が確認されてから15日が経過した。今回の封じ込め努力が、同じような期間で終わると考えている人が多いのではないかと心配している」
 
「そうなるとは、とても思えない。すぐに終わるかもしれないし、そう望んでいるが、データはそれとは違うことを示している」
 
「今回は単一の敵に対峙しているわけではなく、感染経路はより広範囲に及び、変異株の感染力もより強いものになっている」
 
「リスクは増大しており、私たちの対応は、より断固としたものでなければならない」
 
フィジーでは5月4日時点で、51名の陽性者が隔離されており、海外からの渡航者は一切受け入れていない。
 
隣国のオーストラリアが、感染爆発中のインドから居住者や市民の帰国を停止しているという報道を受け、フォン博士はフィジーの措置について以下の通り説明した。
 
「皆さまに明確にお伝えしたい。フィジーは4月22日に、すべての国からの国際旅客便の運航を停止した」
 
「リスクの高い国、低い国という分類はしていない。どの国からの渡航者も一様に、一切受け入れていない」
 
フォン博士は、唯一の例外は、医療処置のために渡航するフィジー人と、保健省から特別な許可を得た人であるとしている。
 
「フィジー国内の感染源を断つため、検疫・隔離のキャパシティが総動員されている」
 
また、前日の定例記者会見の中で、フォン博士は、国際線の再開を「少しでも」検討する前に、「新型コロナウイルスの発生状況をより確実に把握する必要がある」と述べていた。
 
「今回の流行の発端となった症例が国境で発生したことから、検疫施設を改良し、監視カメラを増設するとともに、人為的なミスを防ぐためのプロトコルをこれまで以上に強化していく予定だ」
 
他方、フィジーの学校の再開は、新型コロナウイルスの感染状況によって全面的に左右される。
 
フォン博士によると、教育省との協議の結果、5月24日の学校再開を検討しているという
 
しかし、再開の判断は流行状況次第だとした上で、以下のメッセージを送った。
 
「(定例記者会見を)ご覧になっている保護者や学生の皆さんには、子どもたちを教室に戻すことが、我々にとって最優先事項であることを知っていただきたいと思います」
 
「それまでの間、保護者は子どもを家に留めておかなければなりません」
 
「買い物に連れて行ったり、友達と出かけさせたりしないでください。どうか、家にいさせてください」
 
フォン博士はさらに、「封じ込めの次の段階に移行するため、学校以外の隔離施設を優先的に利用し、安全が確認された時点で授業を再開できるようにしています」と続けた。
 
「現在、生徒たちは自宅で学習しており、今のところはそれで十分です」
 
「しかし、対面授業の利点は証明されており、授業再開を1日遅らせるごとに、私たちの人的資本に長期的な害を与える危険性があります」
(訳:立入瞳)

コメント

フィジーは人口約90万人の南太平洋の国です。東に首都スバ、西に第2の都市で港湾都市でもあるラウトカや観光で有名なナンディがあるビチレブ島、北部にあるもう一つの大きな島バヌアレブ島、東部のラウ諸島、北部のツバルに近いロトゥマ島、北西部のヤサワ諸島など300を超える島々からなり、土地の総面積は日本の四国ほどになります。
 
フィジーは、これまで1年にわたり感染者の追跡、国内検査体制の確立、今年3月に始まったワクチン接種により、新型コロナウイルスを上手くコントロールしていました。
 
昨年3月19日に初感染者が見つかり、市中感染によるクラスターが複数発生した際、住民の普段の生活様式をある程度理解している筆者としては、強い懸念がありましたが、フィジー政府は徹底的に感染者の行動を追跡したこと、住民の行動制限を実施したことで、感染拡大が抑えられました。
 
しかし、1年が経ち、ワクチン接種が進み、域内ではパラオ、クック、豪州、NZなどで観光バブルの動きが表れ、フィジーもバブルに加わるなど明るいムードが広がっていたところ、4月中旬、1人の空港検疫官のプロトコル違反(感染者と接触した後に、自身を隔離せず、500人以上が参列した葬儀に出ていた)が全てを変えました。住民には、コロナ疲れもあり、危機感も薄れていたかもしれません。
 
4月中旬以降、フィジーでは市中感染が広がりつつも、対象地域のロックダウン措置などにより、感染爆発を抑えていましたが、6月に入り、堤防が決壊したかのように感染爆発に転じてしまいました。従来株ではなくインド株であることが影響しているのかもしれません。
 
フィジー政府発表の数値で推移を確認してみます。以下、発表日、新規感染者数、累積感染者数(4中旬以降の感染者数)になります。
 
5/14     1       166
6/3     28         536(466)  死者4
6/8       94         845(775)
6/13    105       1118(1048)
6/18    115       1648(1578) 死者6
 
太平洋島嶼地域では、高度医療が不可能な国がほとんどであるため、コロナフリーを維持することが重要であり、そのために人の往来を極力抑えてきました。太平洋島嶼国が1年以上コロナフリーを維持していたのは、その間に世界的感染拡大が収まること、効果的なワクチンが開発され接種が進むこと、有効な治療法が確立されたり治療薬が開発されるための時間稼ぎであったと言えます。
 
一方で、限定的ではあるものの人の往来があるパプアニューギニア、仏領ポリネシア、仏領のウォリス・フツナなどで感染が拡大してきました(仏領については、現在安定している)。
 
フィジーはこれまで実質的なコロナフリー(市中感染ゼロ)を維持してきましたが、すでにゼロに抑えられる状況を越えており、ワクチン接種を継続しながら、ウィズコロナ社会に移行すると考えられます。一方で、住民の食料確保に問題が生じ、経済、財政面では非常に厳しい状況が続くため、開発パートナーの支援が不可欠となります。
 
また、フィジーでは感染爆発に転じてから2週間程度経ちますが、今後、死者数がどのように変化していくか注視しなければなりません。急激に増えることになれば、住民が誤情報に振り回されたり、パニックの発生も想定されます。内政への影響、ひいては地域安定に対するリスクとなりえます。
(塩澤英之主任研究員)

海洋政策研究所(島嶼国・地域部)
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