太平洋地域の税関職員に最大規模の研修実施

(2021年3月1日、OCO/PACNEWS)

【抄訳】
太平洋地域の17か国・地域では2月から、80人以上の税関職員が、日々の課題や新型コロナウイルス感染拡大の影響に対応するためのスキルを身につけるべく、10か月間のオンライン研修を受けている。
 
豪チャールズ・スタート大学の税関及び物品税研究センター(Centre for Customs and Excise Studies、CCES)、及びオセアニア税関機構(OCO)が実施する同研修は、11月まで続く。修了すると、地域の税関行政分野のサーティフィケート3(豪州資格フレームワークのレベル3)が取得できる。
 
OCOのサルバドール・ジェイコブ会長は、「OCOがこの地域で実施する研修としては、人数的に最大規模のものだ」とすると、「税関職員には、変化する環境に対応したスキルを身につけてもらう必要があるため、これは重要な研修である。受講者の60%以上が女性というのは、非常に喜ばしいことだ」と続けた。
 
CCESの最高経営責任者であるデビッド・ウィドウソン教授は、「当センターは、OCOと協力してプロフェッショナル・スタンダード・フレームワーク・プログラムを提供できることを嬉しく思う」とコメントした。
 
「我々は、太平洋地域全体で税関職員の専門性を高め、その能力を向上させるというプログラムの目標を全面的に支持する。様々なコースを受講する職員が、専門的・技術的な能力を習得できるよう支援を行い、将来的に地域のトレーナーとなった職員が、国や地域レベルで知識を共有・伝達するためのサポートができるのは大変喜ばしい。このやり方であれば、持続可能で、世界のあらゆる地域税関のベンチマークとなるようなレベルの能力開発研修を、OCO及び加盟する行政機関に提供することができる」
 
研修には、リスク管理、倫理とガバナンス、執行とコンプライアンス、関税、評価、法律をカバーする8つのモジュールが用意されている。
 
「新型コロナウイルスは、直面する課題を解決するため、より革新的になる必要があることを教えてくれた」と、バヌアツのジェシカ・タリボンダ税関オペレーション次長は述べている。
 
「この地域的な研修は、税関職員の能力を継続的に向上させるために重要である。犯罪行為には国境がないので、地域の税関当局が国境警備のために協力し、連携することが大切だ。私たちは団結して、違法な資金流入、マネーロンダリング、違法薬物、人身売買と闘う必要がある」
 
受講者数が多いため、研修は2つのグループに分けられ、各モジュールは2週間に設定されている。
 
ニウエのシオネ・ポカウ・シオネタマ税関長は、「このコースは、地域の税関職員にとって、日々の業務の理論的側面を学べると同時に、修了すると公認資格を得ることができる良い機会だ」と話す。
 
(訳:立入瞳)
 
 
【コメント】
本記事は、オセアニア税関機構(OCO)の存在を確認するため取り上げました。
 
笹川平和財団は日本財団とともに、ミクロネシア諸国を対象とした海上保安分野の協力を行っています。近年は、日本政府が「自由で開かれたインド太平洋」構想の下、より積極的に太平洋島嶼国に対する海上保安分野の支援を進めています。
 
地域の海上保安活動の対象には、IUU(違法、無報告、無規制)漁業対策、海難救助、越境犯罪がありますが、越境犯罪についてはOCOが関係しています。
 
Radio New Zealandの記事を追うと、過去1年で、地域では違法薬物に関して以下の報道がありました。
2020.7.2      Fiji police confident in fight against drugs(フィジー)
2020.7.3      Fiji govt targets growing drug threat(フィジー)
2020.8.3     Pacific should be on alert after PNG drug bust - analyst(PNG)
2020.8.4     Major drug bust in PNG could be just the tip of the iceberg(PNG)
2020.10.13  PNG Police say Papa Lealea drug case a steep learning curve(PNG)
2021.1.24    Australian police to request extradition of 'Asia's El Chapo' Tse Chi Lop(豪)
2021.2.4      Samoa authorities seize big meth shipment(サモア)
2021.2.8      Samoa govt considering tougher penalties for drug traffickers(サモア)
2021.2.9      Counselor decries easy meth access in American Samoan(米領サモア)
2021.2.16    Samoan Customs Officer appears in court(サモア)
2021.2.24  A former Customs Officer in Samoa fights drugs charges
2021.2.26    Local production of illegal drugs on the rise in Fiji(フィジー)
2021.3.9      Six people in custody after meth bust(仏領ポリネシア)
2021.3.23    Samoan rehab services under pressure(サモア)
2021.3.23    Tonga's prisons can't cope with drug crime surge(トンガ)
 
かつて、太平洋島嶼地域は中南米から、ニュージーランド、豪州、アジアの消費地に違法薬物を運ぶための中継地点と言われていました。しかし、数年前現地の警察関係者と話した際、その人物は「最近では太平洋島嶼国が違法薬物の生産地、消費地になりつつある」と警戒感を強めていました。
 
その観点からも、本記事にある地域研修は、大変重要なものといえます。
 
(塩澤英之主任研究員)

 

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